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独りぼっちのヤンデレ



「この際だからもう言うわよ!男なんて嫌いよ!どっかいけバカ!」


「なんで?なんでそんなこと言うの?僕の春香はそんなこと言わないよ?そうか、あの虫のせいなんだね…安心して春香、あの虫は僕が処分するから、だからほら、照れなくてもいいよ、さぁおいで僕の春香」


「あぁあ!もう!鬱陶しい!なんで私に付きまとうのよ!私はあんたなんか好きにならないわよ!このストーカー!」


「うそだ、うそだうそだうそだうそだうそだうそだ!!春香、春香、きっといま君は疲れてるんだ、そうにちがいない、うん、春香一緒に僕の家に行こう、二人っきりでゆっくり休むんだ、きっとすぐに春香も僕しか見なくなるよ、そうしたら春香には悪いけどすこし留守番しててね、春香に付きまとう虫どもをみんな処分してくるからね、春香にはそんな汚いもの見せたくないから…ごめんね、春香僕の、僕だけのかわいい春香」


「もう知らない!私にもうついてこないでよね!警察呼ぶわよ!」


おかしい、なぜなんだ?僕は、春香、あぁ…春香、そんな事を春香は言わない、なんで行ってしまうんだ僕は彼女がいないとなにもできない…。


春香は足早に僕の元から去っていく、しかしそのとき僕は気付いてしまった、目を血走らせ春香には向かってナイフを突き刺そうとするひとりの女。


その時の僕の体はたぶん風よりも速かった。


春香と女の間に割り込む、その瞬間、僕の腹に冷たい感触がした、しかしそれは直ぐに焼け付くような痛みに変わる。


「しつこいのよ!………なっ!?…あんた!なにして…!?」


僕は春香に話しかけようとするが、口からはひゅう、と空気が抜けるような音と込み上げてきた血しかでなかった。


「あぁあ…あぁ…!そんなつもりじゃ…!夏樹様…!わた、わたしは夏樹様に付きまとうあの女を」


目の前のなにかが意味のわからない事をわめいている……あぁ…そうかこいつはいつも僕に付きまとってくる女だったっけ?


「きゅ、救急車!呼ばないと、血が!」


あぁ…春香、そうさ…僕は気付いていた、君が僕を嫌っていた事くらい、でももう僕は…君なしじゃダメだったんだ、ごめんね…。


「くぅ…!死ぬんじゃないわよ!死んでまで私に迷惑かけないで!」


春香、もう間に合わない、何だか寒いんだ…はは、可笑しいよねもう夏になるって言うのにね。


「───!──!」


なにをいっているんだろう、聞こえないや…まぁ、春香の近くで死ぬのも良いかもしれない、きっとこの事を彼女は忘れない、僕は彼女のなかで永遠に生きられるんだ。


まぶたをあける力も抜けてきた、最後まで春香を見続けたい一心で僕は春香を見続けていた、そして僕は彼女の後ろにまるで幽鬼のように立ちすくみ目をちばしらせた女に気付いた。


僕は必死に春香にそれを知らせようとした、しかし口はパクパクと魚のように開いたり閉じたりを繰り返すだけで声はでなかった。



そして、女の手が春香の首にかかり………。



僕の意識は消失した。









‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥








僕は死んだはずだった、いや正確に言うと確かに死んだ。


しかし、生き返ってしまった。


単に一度止まった心臓が再び動き出した訳ではなく、新しい命として甦ったのだ。


だけど僕はずっと塞ぎこんだまま。


春香がいない世界なんてなんの価値もない、一度は春香を忘れようとした、だけど僕には春香を忘れることは出来なかった、それはまるで呪いのように僕を蝕む、毎日生きることに絶望すると言う、拷問のような日々、だけど自殺はしなかった、まだもしかしたら春香が僕のように甦っているかもしれない、そんな可能性を夢みていたから。


僕は異常だ、甦ってから前世の事を思い出す度に自嘲する。


春香が他の人としゃべっているだけでしゃべっている相手を殺したくなる、春香が他の人と目を会わせるだけで目があった相手を殺したくなる、春香誰の目にも触れさせたくないから閉じ込めたくなる。


こんな男なんて好きになるわけないってことを理解していたのに、そんな自分を止められなかった。


だけど春香はもういない、春香の事を思い出すといつもこんな思考がぐるぐる回って、春香が甦っているかも知れないというあり得ない可能性にすがる。


僕はやはり異常だった。




…………………………






朝…目覚めた僕は、布団から這い出てリビングに向かう。


朝食をとっていた両親を視界にとらえると二人はビクリと肩を震わせたあとに、微妙に震えた声でおはよう、と挨拶をしてくる。


僕はまるで虫のような小さな声で返事をした。


両親は生まれてから一度も感情を出さない僕に気味悪がる訳ではなくいつも恐怖を感じている、それでも僕を追い出したり避けたりはしない。


きっと僕なんて生まれなかったら、幸せな家庭を築けたのだろう、だけど僕は二人に笑いかけたりなんて出来ない。


両親への罪悪感で、僕はこの家が嫌いになっていた、やはり僕は生まれ変わっても最低のクズだった。


それから両親と目を会わせることなく高校へといく準備を手早く済ませ、家を出た。


昔は学校なんていくつもりは無かったが、春香に会える可能性を少しでも上げるために、家で両親と会わないために、毎日通っている。


学校につくと、自分の机につく、そして窓から外を見続ける。


僕は学校では腫れ物のようにみんなに避けられていた、最初は無表情の僕をいじめる人がいたのだが、なにをされても無表情の僕を次第に気味悪がって、いじめは無くなったがみんな僕と関わるのをやめた。




一応いっておきます。








この話はガールズラブです。

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