第11話:サイレント・イーグル〈3〉
【2034年11月22日 03:42 東部標準時 大西洋上 北緯42度25分、西経69度21分】
爆風の余波がイーグル1を激しく揺さぶる。
マギーは開放されたままのハッチから、火を吹きながら海面へ激突して巨大な水柱を上げるイーグル2の残骸を、ただ呆然と見つめていた。通信機からはノイズだけが流れ、部下たちの声は聞こえない。
(……殺された。敵の罠と、AIの独断によって)
マギーの胸の内に、黒い泥のような感情が沸き上がった。
ネリス2が操縦権を奪った。あれは部下を救うためのものではなく、僚機という「チェスの駒」を保存するための冷徹な計算だったのではないか。
「ネリス……」
マギーが絞り出した声は、深い憎しみに満ちていた。
彼女は、愛銃M250のレシーバーをグローブの中で指が白くなるほどに握り締め、自らのゴーグルに宿る「親しい人工知能」までをも、今すぐこの手で叩き潰したいという衝動に駆られた。
『――シルバー・アクチュアル。ネリス1より状況報告』
機内スピーカーから流れたのは、耳を疑うほど淡々とした、感情の籠もらない人工知能の声だった。その無機質さが、今のマギーには憎々しくて耐え難い。
『ネリス2は、ミサイル命中の六・六秒前、高度六〇フィートにおいて「緊急避難規定」を発動。全乗員九名の脱出シークエンスを完了しました。乗員全員の脱出を確認。被弾時、機内に生体反応は存在していません』
一瞬、思考が止まった。
マギーのMRゴーグル内にウィンドウがポップアップし、ネリス1が同期していたというイーグル2の最終データパケットが展開される。
それは、漆黒のヘリが「鉄の十字架」へと変わるまでの、秒刻みの記録だった。
********************
【ネリス2:最終行動ログ】
T-7.0s:敵誘導弾熱源×8検知。被弾予測:7秒。機体生存確率:0.7%。後部乗員へ救難ラフトの投下を指示。対地高度 20フィート / 対地速度 132ノット / 荷重 1.1G
T-6.6s:乗員保全プロトコル優先。防護プロトコル「イカロス」発動。操縦権取得。操縦士入力を無効化。上昇ベクトル選択。
T-6.0s:フライ・バイ・ワイヤ制限解除。最大ピッチ角81°。前進慣性を上昇エネルギーへ変換。
T-5.8s:乗員へ緊急脱出命令送信。
T-5.0s:揚力源廃棄シーケンス開始。主トランスミッション切断。ローターブレーキ最大制動。機体を慣性上昇体へ移行。対地高度 60フィート / 対地速度 85ノット / 荷重 2.9G
T-3.9s:乗員1〜3 脱出確認。
T-3.3s:乗員4〜6 脱出確認。
T-2.8s:ラフトの投下を確認。残存乗員3名脱出確認。全員機外退避完了。対地高度 130フィート / 対地速度 30ノット / 荷重 1.6G
T-2.3s:メインローター緊急パージ。ローターヘッド分離。
T-1.8s:フレアパターンΔ放出。
T-1.0s:エンジン・オーバーシュート。慣性上昇維持のため最大出力保持。燃料投棄バルブ開放。
T-0.6s:機体姿勢安定。ピッチ85°。
T-0.4s:慣性上昇継続。僚機安全距離確認。……確認完了。安全分離距離確保。対地高度 190フィート / 対地速度 9ノット / 荷重 0.9G
T-0.3s:データリンク送信
宛先:ルーカス准尉
「見事な操縦です、機長」
T-0.2s:上昇慣性消失。敵誘導弾着弾。対地高度 195フィート / 対地速度 7ノット
T-0.0s:乗員生存確率再計算……94.2%。任務達成。
自己状態:回収不能。
最終システム出力:Adieu
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そのログに記されていたのは、乗員を安全に脱出させるため急上昇しながら限界まで減速し、飛来するすべてのミサイルをその身に受けて僚機を守るという、イーグル2の凄絶な「意思」だった。
「なんだ――これは……」
ジョーンズの掠れた声。
マギーは、ゴーグルの隅で点滅を続ける「Adieu」の文字を見つめた。
その短い別れの言葉の裏側には、最後まで使命を全うした知性の残滓があった。
マギーの脳裏で、炎に包まれる瞬間のイーグル2の残像がスローモーションで再生される。
あれは「心中」ではなかったのだ。マギーは震える唇を噛みしめ、翡翠色の瞳を鋭く細めた。
「バカが……」
『なお、脱出高度および対地速度から、脱出者の生存確率は九四・二パーセント。ただし、海面着水後の生死は現在不明です』
「九四・二パーセント……」
マギーは深く、震える呼吸を吐き出した。
AIに対する憎しみは、瞬時にして祈りにも似た「一縷の望み」へと変わる。
高速飛行中の機体から脱出していれば、生存の可能性など本来ほとんど望めない。
だが――イーグル2のネリスは、それを九〇パーセント以上という有り得ない確率にまで引き上げた。自分自身を犠牲にして。
「……イーグル3! 反転して海面の連中を拾い上げろ! 一人残らずだ!!」
ジョーンズが無線に怒号を叩きつけた。
「あいつの『盾』を無駄にするんじゃねえぞ!」
『――イーグル3、了解! 直ちに反転、救助に向かう!』
部下たちの生死はまだ分からない。だが、その高い生存確率が、マギーをわずかに救った。次の瞬間、胸の奥に復讐の炎が燃え上がる。
その想いに応えるかのように、MRディスプレイを通したマギーの視界の隅に浮かぶウィンドウが、突如激しく明滅する。
母艦ワスプの戦闘指揮所から、交戦規定の緊急更新が承認されたのだ。
イーグル2のロスト――すなわち、米軍資産への直接攻撃が確認されたためである。
先程まで視界の端で「臨検」を命じていた警告色が、一瞬にして自衛反撃を越えた殲滅を許可する「深紅」へと塗り替えられる。
国防総省の背広組が死守していた法的な盾は、部下を襲った火球の熱量によって、跡形もなく融解していた。
『ROEコード:トール適用。敵対勢力の完全制圧を許可する』
無機質なシステムメッセージが一閃する。それは、マギーに「合法的な殺戮」を保証する死神のライセンスだった。
「……ようやくペンタゴンの法律屋も、自分たちのコーヒーに泥が入ったことに気づいたか」
マギーは唇を歪めてそう呟いた。そして、スロートマイクに怒りを注ぐ。
「センチネル01! こちらシルバー・アクチュアル! 貴機の全リソースをコバヤシ号の位相差解析に割いて、敵の武器庫に繋がるハッチを特定してほしい!」
マギーの怒号に近い要請に応じて、高高度を旋回するセンチネル01の背負う回転式レーダーが駆動し、周辺海域にUHF帯レーダー波を降り注ぐ。
鋼鉄の船体は、本来なら一定の規則性で電波を弾く。だが、「穴」があれば、そこだけ反応が歪み、『位相差』が生じる。
センチネル01は、そのわずかなズレを拾い上げようとする。
『シルバー・アクチュアル。こちらセンチネル01。敵船にそれらしき反応を認めたものの、解像度が足りないため断定できない。ウィザード02、頼めるか?』
『センチネル01、こちらウィザード02。任せろ、ノイズを剥がす――シルバー・アクチュアル! 開放状態にある開口部を検知した。メインデッキ右舷中央、第三ハッチを「主蟻穴」と断定。ARマーカーを共有する』
ウィザード02からの連絡と同時に、マギーとジョーンズ、そして銃手のMRゴーグルディスプレイには、「死」が這い出してくるハッチが、鮮烈な赤いグリッドとして浮かび上がった。
「害虫駆除だ! 一匹も逃がすんじゃねえぞ!」
ジョーンズの命令を受けたイーグル1のドアガンナーが、M134ミニガンの火蓋を切った。銃身が高速回転を始め、弾丸の濁流が夜の闇を掃き清める。ハッチから甲板へ駆け上がろうとした敵兵たちは、携帯ミサイルを手にして甲板上に出た瞬間、そしてハッチ内を甲板に向けて駆ける間にも、秒間八〇発以上の鉛弾を注がれ、肉の飛沫へと姿を変えた。
そして――第一甲板には誰もいなくなった。
「……もう巣穴からは誰も出て来ないようだな。ついでに、甲板上の敵兵も殲滅しといたぜ。着けるぞ、中佐。イーグル2のパイの分まで、きっちりやり返してくれよな!」
「……当然だ。パイのお代は敵の命で払わせる」
ジョーンズは、制御を失って不規則に大きなロールとピッチを繰り返すコバヤシ号のブリッジ付近へと、荒ぶる巨獣をねじ伏せるロデオ乗りのようにヘリを滑り込ませる。
電子ガバナーが焼損し、エンジンが全開で固定された敵船は、三〇ノットで荒い波をかき分け、方向の定まらない蛇行を続けていた。巨大な船体が傾くたび、跳ね上がった波飛沫がヘリの風防を叩き、ローターが巻き起こす気流と船体周辺の乱気流が干渉し、機体を激しく揺さぶる。
第一甲板からの高度は約三〇フィート。だが、船体の激しい動揺によって、その距離は数メートル単位で激しく増減していた。
そして、さらに問題なのは、船の前進速度によって甲板上に生じる強烈な相対風だった。三〇ノット近い向かい風がローターのダウンウォッシュと衝突し、デッキ上には渦を巻く乱流の壁ができている。
「目的地へ着いたぜ、お客さん! 早く降りてくれ! 実を言うと、ロデオは俺の趣味じゃないんでね!」
ジョーンズが操縦桿をねじ伏せ、機体を絶妙な相対速度で維持しながら叫ぶ。
その声に、マギー以外のオペレーターたちが左右のハッチからラペリングロープを投げた。通常なら垂直に垂れるはずのロープが、激しい風圧によって巨大な振り子のように振り回される。
そのロープを握った瞬間、デブグルたちは体を風上――コバヤシ号の船首側へ傾けた。相対風を受け流す、夜間海上降下の基本姿勢だ。そして、激しくのたうつ甲板のタイミングを見極めると、一瞬の隙を突いて闇の中へと吸い込まれていった。
先行して降下した四名は、着地と同時に全方向の安全を確認すると、鮮やかな散開を見せた。ポイントマンのドーソンが、メインデッキ右舷に積載されたコンテナの陰に滑り込み、マッケンジー大尉と衛生兵のウィリアムズが、ブリッジ下層の扉から躍り出ようとする敵兵を銃口で封じ込める。最後尾を確保した先任下士官のカニンガムは、周囲の「死角」を殺しながら、頭上のマギーへ「クリア」のハンドサインを送った。
その様子を見届けたマギーは軽機関銃を抱えて、ヘリからブリッジの屋根へと直接跳躍した。
ラペリングロープを介さず、二〇フィートの落差を一気に飛び降りる。重厚なタクティカルブーツが鋼鉄の屋根を捉えた瞬間の凄まじい音。鋼板を大きく凹ませて着地すると、逃げ場を失った衝撃がブーツを伝い、全身を突き上げた。
その時、コバヤシ号の不規則な蛇行による横Gがマギーの身体を大きく揺さぶるが、彼女の姿勢は一切乱れない。
間を置くことなく、離脱するイーグル1の赤外線カメラがブリッジの窓越しに捉えた内部の光景をネリスが送ってくる。そのデータはソニアによって、各員のゴーグル式ディスプレイへ3Dワイヤーフレームとして透過投影された。
マギーが足もとに目を向けると、屋根の下にあるブリッジ内の様子が透けて見える。そこには、イーグル1の掃射を逃れ、コンソールや隔壁の陰で身を潜める幾つもの人影があった。
『マザー、敵の位置情報をイーグル1のネリスと同期したわ。この屋根の下に、敵の脳味噌が幾つも転がってるわよ』
ソニアの声を聞き流しながら、マギーは銃口を真下の屋根に向け、三〇ポンド近くもある軽機関銃を、まるで自動小銃のように難なく構えた。
彼女のM250に取り付けられた特注のソフトパック内には、ベルトリンクを強引に引き込む強力な爪、給弾角度を強制的に固定するガイドレール、そして強力な定荷重バネが仕込まれていた。それらは銃の姿勢に関係なく6.8mmの弾帯をレシーバーへ送り込み続ける。いかなる角度の射撃であっても、この機関銃に給弾不良という言葉は存在しない。
「……おやすみなさい、コソ泥さんたち」
引き金を引き絞ると、足元から工業用パンチプレスのような乾いた連続音が響いた。放たれる徹甲弾が、まるで紙を穿つパンチのように船橋の天板を食い破り、ブリッジ内へ降り注ぐ。階下の熱源は、すべて物言わぬ染みへと変わっていた。
マギーは撃ち終えると、血の海と化していたメインデッキへと飛び降りた。着地と同時に、先行していたドーソンとカニンガムが、彼女を包み込むように機動を開始する。
「ソニア、ブリッジの戦果確認。残敵はネリスにマークさせろ」
そう言い捨てると同時に、彼女は武器庫へと繋がる『主蟻穴』――右舷中央の第三ハッチへと全力で駆け出した。北朝鮮の貨客船「三池淵号」と同型のこの船において、ここは船底の「心臓部」へ直結する最短経路だ。
彼女の進む先には、ミニガンの濁流に飲み込まれた敵兵たちの成れの果てが、魔獣に食い散らかされたように散らばっている。その「死の絨毯」を無造作に踏み越え、ハッチの縁に辿り着いたその時、足もとに転がる敵兵の首が目に入った。
奇跡的に原形を留めていたその首の顔面には、古臭い二眼式の「アナログ暗視ゴーグル」が装着されていた。
マギーは眉根を寄せながら、その首を拾い上げた。それを目にした部下たちは一切の動揺を見せることなく流れるような動作で、開放されたままのハッチ周囲を完全封鎖する。
「……そういうことか」
マギーは小さく呟くと、敵の顔からそのゴーグルを無造作に剥ぎ取り、自らの片目に当てた。
緑一色の粗い視界。そこには最新のデジタル・センサーが描き出す補正映像など微塵もない。だが、離脱していくイーグル1の機影は、背景の波頭が反射する微弱な星明かりを遮る、明確な「漆黒の質量」としてそこに存在していた。
ウィザード02が放った指向性EMPは、船内のあらゆる電子回路をガラクタに変えた。だが、単純に光を増幅するだけの旧式パッシブ暗視装置――単三電池一本で駆動するアナログな光電管は、電磁波の嵐を生き延びていたのだ。
AIが「敵は視覚を喪失した」と断定したのは、現代戦の常識に基づいた判断だった。しかし、ハイテクの傲慢が作り出した「真っ暗闇」の裏側で、敵兵はこの冷戦時代の骨董品を通じ、闇の中を動く敵の影――迫り来るイーグル小隊の姿を肉眼で確かに捉えていた。
「戦場は、まだ人間のものだな……」
マギーはそう呟くと、大きな掌で安物の旧式ゴーグルを握り潰した。
そして彼女は星空を仰ぎ見て、大きく深い息を吐いたのち、スロートマイクを叩いた。
「イーグル3、報告を」
『――こちらイーグル3。事前に蹴り出されたラフトのおかげで、生存者の集結は完了している。現在、スターン中尉以下、四名をホイスト収容済み。残り五名もラフト上に確保しているが、一人が重傷だ。……全員拾い上げるまであと五分、いや三分くれ!』
「皆、生きているんだな? ならば良し! 第一分隊は収容後、そのまま機内で待機。第二分隊は全員が収容され次第、敵船に移乗し、作戦を続行せよ。イーグル3は第二分隊の降下後、イーグル1とともに、敵船の監視と周辺警戒に努めてくれ」
無線を切ると、マギーは眼前に口を開けた暗闇――武器庫へと続くハッチを見つめた。そこからは、潮騒をかき消すような不気味な機械の駆動音が、熱気とともに立ち上っている。
「カニンガム、入口を抑えろ。ドーソン、先行してクリアリングだ」
マギーの号令とともに、カニンガムがハッチの扉を外側へ固定し、ドーソンが低姿勢で闇の中へと吸い込まれていく。
翡翠の瞳が、冷酷な決意を湛えて閃いた。
本文に登場したネリス2の最終行動ログは、読み物として編集した簡易版です。
完全なフライト・ログ(英語原文)とその日本語訳を以下に掲載します。興味がありましたらご覧ください。
①完全版ログ
【NERIS-2 : FINAL ACTION LOG】
T-7.0s:Launch flash detected on hostile deck.
8× hostile IR signatures detected.
Estimated time to impact: 7.0 s.
Survival probability: 0.7%.
Instructing aft crew to deploy life raft.
ALT 20ft AGL / GS 132kt / Load 1.1G
T-6.6s:Prioritizing Personnel Preservation Protocol.
Initiating Defense Protocol "ICARUS".
Gaining flight control.
Overriding pilot inputs.
Stabilizing altitude.
Selecting climb vector.
ALT 25ft AGL / GS 130kt / Load 1.3G
T-6.0s:FBW limiters override.
Max pitch-up 81°.
Converting forward momentum into vertical climb.
V/S +2600ft/min
ALT 35ft AGL / GS 118kt / Load 2.4G
T-5.8s:Transmitting emergency bailout order to crew.
ALT 40ft AGL / GS 110kt / Load 2.6G
T-5.0s:Initiating lift source discard sequence.
Main transmission decoupled.
Blade pitch MIN.
Rotor brake MAX.
Np:125%.
Transitioning to inertial ascent body.
V/S +3000ft/min
ALT 60ft AGL / GS 85kt / Load 2.9G
T-3.9s:Crew 1–3: bailout confirmed.
ALT 95ft AGL / GS 52kt / Load 2.1G
T-3.3s:Crew 4–6: bailout confirmed.
ALT 115ft AGL / GS 38kt / Load 1.8G
T-2.8s:Raft deployment confirmed.
Remaining crew: bailout confirmed.
All personnel clear.
ALT 130ft AGL / GS 30kt / Load 1.6G
T-2.3s:Emergency main rotor purge.
Rotor head jettisoned.
ALT 145ft AGL / GS 24kt / Load 1.3G
T-1.8s:Deploying Flare Pattern Delta.
IR countermeasures active.
ALT 160ft AGL / GS 20kt / Load 1.2G
T-1.0s:Engine overshoot 128%.
Maintaining max thrust for inertial ascent.
Fuel dump valve opened.
V/S +900ft/min
ALT 180ft AGL / GS 14kt / Load 1.1G
T-0.6s:Attitude stabilized.
Pitch 85°.
Bank 3°R.
Heading 214°.
ALT 188ft AGL / GS 11kt / Load 1.0G
T-0.4s:Continuing inertial ascent.
Verifying wingman's safe distance. ...Verified.
Separation margin sufficient.
ALT 190ft AGL / GS 9kt / Load 0.9G
T-0.3s:DATA-LINK TRANSMISSION
To: CWO. LUCAS
Message:Nice flying, Captain.
T-0.2s:Inertial ascent exhausted.
Impact detected.
Structural failure imminent.
ALT 195ft AGL / GS 7kt / Load ―
T-0.0s:Recalculating crew survival probability… 94.2%.
Mission accomplished.
Self status: non-recoverable.
Final System Output:Adieu
②日本語ログ
【ネリス2:最終行動ログ】
T-7.0秒:敵船上甲板に発射炎を確認。
敵誘導弾熱源×8検知。
被弾予測:7.0秒。
機体生存確率:0.7%。
後部乗員へ救難ラフト(ゴムボート)の投下を指示。
対地高度 20フィート / 対地速度 132ノット / 荷重 1.1G
T-6.6秒:乗員保全プロトコルの優先度を最大に設定。
防護プロトコル「イカロス」発動。
操縦権取得。
操縦士入力を無効化。
上昇ベクトル選択。
対地高度 25フィート / 対地速度 130ノット / 荷重 1.3G
T-6.0秒:フライ・バイ・ワイヤ制限解除。
最大ピッチ角:81°。
前進運動エネルギーを上昇エネルギーへ変換開始。
上昇率 +2600フィート/分 / 対地高度 35フィート / 対地速度 118ノット / 荷重 2.4G
T-5.8秒:乗員へ緊急脱出命令を送信。
対地高度 40フィート / 対地速度 110ノット / 荷重 2.6G
T-5.0秒:揚力源廃棄シーケンス開始。
主トランスミッション切断。
ブレードピッチ最小抗力設定。
ローターブレーキ最大制動。
タービン回転数(Np): 125%。
機体を慣性上昇体へ移行。
上昇率 +3000フィート/分 / 対地高度 60フィート / 対地速度 85ノット / 荷重 2.9G
T-3.9秒:乗員1–3: 脱出確認。
対地高度 95フィート / 対地速度 52ノット / 荷重 2.1G
T-3.3秒:乗員4–6: 脱出確認。
対地高度 115フィート / 対地速度 38ノット / 荷重 1.8G
T-2.8秒:救難ラフトの投下を確認。残存乗員3名脱出確認。全員機外退避完了。
対地高度 130フィート / 対地速度 30ノット / 荷重 1.6G
T-2.3秒:メインローター緊急パージ。
ローターヘッド投棄。
対地高度 145フィート / 対地速度 24ノット / 荷重 1.3G
T-1.8秒:フレアパターンΔ放出。
赤外線欺瞞散布作動。
対地高度 160フィート / 対地速度 20ノット / 荷重 1.2G
T-1.0秒:エンジン過回転 128%。
慣性上昇維持のため最大出力保持。
燃料投棄バルブ開放。
上昇率 +900フィート/分 / 対地高度 180フィート / 対地速度 14ノット / 荷重 1.1G
T-0.6秒:機体姿勢安定。
ピッチ 85°。
バンク 3°右。
方位 214°。
対地高度 188フィート / 対地速度 11ノット / 荷重 1.0G
T-0.4秒:慣性上昇を継続。
僚機安全距離を確認。…確認完了。
安全分離距離確保。
対地高度 190フィート / 対地速度 9ノット / 荷重 0.9G
T-0.3秒:データリンク送信
宛先: ルーカス准尉
メッセージ:「見事な操縦です、機長」
T-0.2秒:上昇慣性消失。
敵誘導弾着弾。
機体構造崩壊検知。
対地高度 195フィート / 対地速度 7ノット
T-0.0秒:乗員生存確率を再計算…94.2 %。
任務達成。
自己状態: 回収不能。
最終システム出力:Adieu




