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【WEB版】軍神悪役令嬢ロアンナの救国譚 ~英雄の能力と幽霊の知識を借りて、勝利をつかみ取ります~【書籍1巻発売中】  作者: 来須みかん
【第一部】 ロアンナならできるよな?

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48/54

48 エピローグ(※第二部に続きます)

 幽霊達は、どこにでもいる。


 何十年と使った痕跡のない薄暗いこの地下牢にも、白くて丸い姿が二つ浮かんでいた。どこにでも入り込めるはずなのに、壁をすり抜けようとした幽霊がバチッと弾かれて飛んでいく。


 一瞬だけ、壁に星のマークが浮かび、続いて読めない文字が浮かんで消えた。


 口髭を生やした幽霊が、男性の声で話し始める。


『ここからも出られないか……。いったい外では、どれくらいの時間が経ったのだろう?』


 美しいネックレスをつけた幽霊が、女性の声で返事をした。


『あなた、諦めずに別の場所を調べましょう』

『そうだな』


 そのとき、鉄格子の向こうから重い扉を上けるような音がした。地下に誰かが降りてきたようだ。


『ま、また来たわ』


 ネックレスをつけている幽霊が怯えるように体を震わせた。足音が近づいてくるので、髭の幽霊は、ネックレスをつけた幽霊を守るように背後に隠す。


 鉄格子の向こう側に、燃えるような真っ赤な髪の青年が見えた。隙間からこちらを覗き込んだあと、乱暴に鉄格子を蹴りつける。


 小さく悲鳴を上げた幽霊を、髭の幽霊がしっかりと抱きしめた。


「はぁ!? こいつら、まだ闇落ちしてないのかよ! しぶとすぎんだろうが!」


 また、鉄格子が蹴られて、青年の怒声が地下牢に響く。


「さっさと諦めろ! 幽霊になったおまえたちは、普通の人間には見えねぇんだからな! 助けなんてぜってぇこねぇんだぞ!」


 激しい舌打ちのあと、赤髪の青年の足跡が遠ざかっていく。重い扉が開く音がして、すぐにバンッと乱暴に閉められた。


『行ったか……』


 まだ震えている幽霊姿の妻を、夫の幽霊は労わるように撫でた。


『もう大丈夫だよ』


 妻の目には、涙が浮かんでいる。


『あなた……。子ども達は、どうしているのかしら?』

『あの子達なら大丈夫さ。きっとうまくやってくれているよ。マックスは頼りになるし、レイも剣術の才能が素晴らしいからな』

『そうね……。そうよね』


 溢れる涙を小さな手でぬぐってあげながら、夫は妻に微笑みかける。


『早く帰ろう。じゃないと、娘の社交界デビューを見逃がしてしまうからな』

『そうだわ! あの子のために特注したドレスも、まだ着たところをみていないのに! こんなところで泣いている場合じゃないわ!』


 すっかり元気になった妻は、またすり抜けられる場所を探し始めた。


『絶対に諦めるもんですか!』

『そうだ! ここから抜け出せさえすれば、私達の勝ちだ!』


 幽霊達は、顔を見合わせでコクリと頷き合う。


『だって、あの子……。私達の娘、ロアンナには、幽霊が見えるのだから』



 つづく



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とても面白いです☺️
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