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代議士と交渉

橋田代議士のところへ行かなくちゃだね。ひとりで行った方がいいかな。


携帯電話番号聞いたし、場所も直ぐに掴める。

『もしもし。私は魔法使いのノンですけどこれから行きますね』

一方的に話して一方的に切った。イタズラ電話としか思えない。相手は代議士だけど、余計なこと話しても仕方ないしね。


よし、早速瞬間移動だ。

代議士は自分のデスクで電話をしているところだった。

時間は止まっているので誰と何を話しているかわからないけど。

トントンって肩を叩いて代議士の時間だけ動くようにする。この技に早く気付けば良かった。ブーツのおかげ?


「さっきの変な電話は君か?」

思ったより動揺してないね。魔法の事を知っている証拠だ。

「はい。居場所の確認のために電話をさせていただきました。大変失礼いたしました」

「今、時間が止まっているのなら支障はない。ゆっくりと話そうじゃないか」


私と代議士はソファに腰掛けて話し始めた。

「単刀直入に聞くが、君は魔法を使って何をしたいんだね」

「何も。使う用途がなくて考えているところです。私はお金儲けにも興味ないし、ただ仲間達と楽しく平和に過ごせる事が願いです」


「その魔法は多くの可能性を秘めている。もし、他国の政治家に渡り悪用されたら世界が傾く。私はそれを懸念しているんだ」

「私には無縁の世界でまったく想像できません。小さな世界で生きているもので。今日の食事にありつければ満足です」


「君に魔法具が渡ったのは正解だったのかもしれないな。実は私はその魔法道具を燃やしてしまいたいと考えている。そんなものがあるから、各国で争いが起きる。ただ、そんな貴重なものを私の独断で破棄できるという勇気がないのだが」

「私も代議士の意見に賛成です。代議士が望むならこの場で魔法のスティックを折っても構わないです」


「まあそう急くな。君はなんで私の前に現れたのかな。なんの用事かな」

「私と私の仲間の身の安全をお願いに来ました」

「ああ。ブーツを持ち去ったのだからその報復を恐れているんだね。それはないから安心したまえ。派手に動くと返って他国のスパイを巻き込んでしまう。君が所持している方が安全かもしれない」


無駄足だったのか?苦労って報われないものなんだよね。

代議士の視線が気になるなぁ。私の可愛い顔よりコスプレ衣裳ばっかり見ているよ。


「あのぉ。この衣裳が好きなんですか?」

「うーむ。ちょっと動いてポーズを決めてくれないか?私は特撮ものが好きでね。魔法少女ってのもいい」

いい歳してコイツもオタクなのか!仕方ない。オタクの相手は慣れてるし。

「美少女戦士ノン!お仕置きよ!」


私はポーズを決めた!

代議士は我を忘れて服に触ろうとして来た。

「触ってはいけません!マナー違反よ」

「では、写真だけでも」

本当に代議士か?この国の政治って大丈夫なのか?


「この衣裳、ぜひ欲しい。灰にするにはもったいない」

おーい。個人的な欲望がダダ漏れしてるぞ!

私は次々とポーズを決める。

「おおおおおおお。素晴らしい!」

ここまで絶賛してくれると嬉しいけど。私じゃなくてコスプレ服が好きなんだよね。

「ぜひ、また来て欲しい」

それって私じゃなくて服がって事よね。カズ君あたりに着させて連れて来たらどうだろう。服脱いで渡すのはキモいからやめておくけど。


私と代議士は妙なところで連帯感みたいなものが出来た。とりあえず、私達の安全はお墨付きを貰ったんだよね?

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