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間が空いてすみません。

 このエングラスト学園には部活がありません。なので初等部の生徒たちは放課後を自由に過ごしています。

 クロードとのお昼は普通に美味しかったとだけ言っておきましょう。気にするようなことでもないでしょうが。

 さて、生徒たちは遊んだり勉強したりと。やりたいことをやりたいようにやって過ごしているわけですが。勉強する場所として、図書室を選ぶ生徒は多いです。図書室と言うよりも、図書館と言ったほうがいい規模なのですがそこは触れてはいけないのです。

 まあ、図書室の話を唐突に始めたのには理由がありまして。図書室に新しい本が入荷していないかと、訪れた私は興味深いものを見ました。

 図書室の机で勉強にいそしむ生徒。文字だけで言えばその光景はよくあるものなのですが、その生徒たちと言うのが。ローゼン様やルーナさんだったのです。他にも数名、ローゼン様の側近として知ってる子が居ました。グリード君もいますし、知らない女性徒もいますね。

 ゲームストーリなのか、はたまたただの日常なのか。判断の付かなかった私は、入荷していた本を借りて少し離れた机から様子を見ることにしました。

 本を読みながら様子を見るというのはさすがに無理ですので、読むふりをしながら様子を見ます。もちろん魔術で声を聞こえるようにして。


「……だから、この問題の答えは二番だね」

「ローゼン君はすごいな。私も負けないように頑張らなきゃ」

「僕がすごいんじゃないよ。教えてくれた先生が良かったから」

「教えてくれた先生?」

「貴族の子の大半は学校に入る前に、家庭教師をつけて勉強することが多いんだよ。王子である僕もそうだった。そしてその先生が、ルーナさんも知ってるレティア先生なんだ」


 私の話ですか。聞いてるみとしては恥ずかしいですね。


「レティア先生って、レティア先生ですか?」

「うん、ルーナさんの探し物を手伝ってくれた先生。学園の教師をする前は、ティア姉さんの家庭教師をしながら僕の家庭教師もしてくれていたんだ」

「ローゼン君のお姉さん。高等部でも頭がいいって聞いたことあります」

「自慢の姉さんだよ。多分姉さんが頭がいいって言われてるのはレティア先生のおかげだと思う。わかりやすく勉強を教えてくれるからね」


 私のような家庭教師は沢山いますし、私が良く別優れた家庭教師では無いと思いますが。褒められるのは嬉しいですね。

 しかし、私の話が出てるのであれば日常の会話でしょうか。

 私という存在はイレギュラーですし。

 大丈夫そうだと判断しその場を離れようとしたのですが。


「あっ、レティア先生」


 目ざといローゼン君に見つかりました。見える位置に居たのは失敗だったでしょうか。

 あまり関わるとおかしな事になりかねないので、避けようかなどと思案していたところでしたが。


「どうしましたか、ローゼン君」

「レティア先生の話をちょうどしていたのでつい話しかけてしまいました。レティア先生は図書室になにをしに来られたんですか?」

「新刊が入ったと聞いて読みに。ただローゼン君達が勉強してるのを見かけたので、邪魔にならないように出ていこうかと思ってましたが」

「お時間てあったりしますか?」

「あることにはありますが」

「でしたら勉強を教えていただけませんか」

「生徒にそういわれては断れませんね。わかりました」


 同じ机には、アリ君もりましたが珍しい組み合わせですね。アリ君は爵位による上下関係に敏感なので、王子のローゼン様とはかかわらないと思ってましたが。世の中、予想とはあてにならないものですね。だからこそ面白いのかもしれませんが。


 他にこの場にいるのは、他のクラスのロイド君、ジルベロ君、アルーツ君、グリード君ですね。将来の側近候補と言うやつです。ゲームの方で言うなら攻略対象ですね。

 まあ、彼らが側近の地位に就くのはすぐには無理でしょうけど。現役の大臣がいますからね。ルエンの側近候補の方々も最近徐々に大臣になってますし。それまでは大臣補佐として経験を積むのが基本ですから。


「それぞれ勉強している範囲が違うようですし。質問があるときに声をかけてください」


 私はそれだけ言って、それぞれの生徒の様子を観察します。

 ロイド君はいわゆるチャラ男枠でしょうか。廊下で見かけるときはいつも女性徒と一緒にいますし、毎回違う女性徒ですからね。ご両親との関係が悪いという話は聞かないので、遊んでいる理由はわかりません。

 ジルベロ君は眼鏡キャラですね堅苦しい。現役宰相のご子息ではなく、前宰相のご子息になりますね。

 目指しているのが宰相の座ですから、勉強にも熱心です。先ほどから私に質問してきてますし。ただ、勉強にのめりこみ過ぎているような気はしますけどね。

 アルーツ君は、なんでしょう幼い感じの。弟属性? ショタと言うんでしょうか。年頃の男子にしては身長も低く声も高いですし。顔も中性的、もしかしたら女の子よりかもしれないくらいですから。今はジルベロ君の勉強を横から眺めて笑ってますね。恐らく、内容はわかってないのでしょうけど。

 グリード君は、静かなオレオレ系でしょうか。座学よりは、体を動かす方が得意だと聞いていますし。将来は騎士団に入りたいそうですから。もちろん勉強も頑張ってはいますが、体を動かすよりは苦手みたいですね。

 それにしてもこう見ていると本当にカラフルな毛色です。

 金髪のローゼン君、薄茶色のルーナさん、橙色のロイド君、暗い緑色のジルベロ君、桃色のアルーツ君、青色のグリード君、紫色のアリ君

 カラフルな髪色に関しては、彼らだけの話ではないのですけど。一度にたくさんの髪色を見ることはそうそうありません。似たような髪色が多かったりしますからね。


 皆さんを観察しつつ、暇そうなローゼン君に問題を出したり、質問に答えたりしていると。だんだんと日が落ちてきて、窓から西日が入り込んできていました。


「そろそろ、日も落ちますから。解散してはどうでしょうか。もう少し津図蹴るのであればもちろん私は構いませんが」

「そうですね、寮にも帰らないといけないですし。僕のわがままで、勉強を教えてもらってありがとうございましたレティア先生」

『ありがとうございました』

「かまいませんよ、勉強を教えるのが教師の仕事なので。ローゼン君もしっかり勉強しているようで安心しました。他の皆さんも、しっかり勉強しているようですしね」

「またお願いしてもよろしいでしょうか。レティア先生」


 そう聞いて来たのはジルベロ君でした。


「かまいませんよ、時間があるときでしたらいつでもかまいません」

「感謝します」

「では皆さん、勉強頑張ってくださいね」


 こうして勉強会もおわり、私としては得るものの大きい時間をすごしました。

読んでくださりありがとうございました。


誤字脱字は下に専用のがあるので、ありましたらよろしくお願いします。感想などもお待ちしています。そして読んでくれてありがとうございます。

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