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誕生日に更新できてよかった、これからも頑張ります
「レティア助けてくれ!」
「とりあえず落ち着いてください。ほら座って、お茶も出しますから」
遠征から戻ってきて一週間、学校は休みで教師である私も珍しく休みでした。残念ながら、クロードとは休みが合わなかったので。久しぶりにゆっくり本を読んでいたのですが。リーアが訪ねてきたというので、部屋に招いてもらったら、第一声が助けてでした。
「ケェファ、挨拶できますか」
「けあです」
「よくできました」
膝の上には、ケェファが座っていて。一人で絵本を読んでいます。まだ文字が読めないので、絵を見てるだけですが。読み聞かせてあげようにも、一人で読みたがるので読み聞かせてもあげれません。いやいや期というものなのでしょうか。
「ケェファもいたのか」
「もちろんです、貴重な休みですから。一緒にいますよ」
「そうなのか、それよりレティア聞いてくれ、私はどうすればいいんだ」
「主語がないですよ」
「すまん、焦っていて忘れていた。その、クリスの目が覚めたらしいんだ」
「よかったですね」
遠征で、クリス君が帰ってきてから。リーアは毎日のように会いに行っていました。いつ目をさますのか、不安だったのでしょう。告白されたものですから、余計に気になってしょうがなかったのでしょうね。
「よかった、本当に。目を覚まさないんじゃないかと心配で心配で、胸の奥がもやもやして、すごく気持ちが悪かった。って私のことはどうでもいいのだ、それよりも、どうやってクリスに会えばいいか解らないんだ」
「普通に会いに行けばいいではありませんか」
「それができたら苦労はしないのだ。やはり、ちゃんとした服を着て会いに行くべきだろうか。それともいつもの服で言ったほうがいいのか。あとどんな声をかければいいのだろうか。教えてくれレティア」
リーアも、女の子らしい悩みを持つようになったのですね。剣や鎧が、はたまた力をつけるにはどうすればいいのか。などなど、女の子らしさとは無縁のことしか聞かれたことがなかったというのに
「とりあえず、いつもの服でいいでしょう。ちゃんとした服は出かけるときにまで取っておいてください。ほとんど持っていないのですから」
「そうか。いやそういえばちゃんとした服は王女宮の自室におきっぱにしているな」
「ないのに着ていこうとしたんですか」
「だ、だが。そのあまり女らしくない格好をして会いに行くのもどうかと思ってだな」
「それこそ、クリス君と出かけたときに選んでもらうといいではありませんか。ちょうどお出かけする口実にもなるのですから」
「たしかに、着るならクリスが喜んでくれる服が着たい」
すっかり恋する乙女ですね。昔の婚約者には直接、愛を向けられたことがなかったのでしょう。そういう話は聞いたことがありませんでしたから。まあ、単純にリーアが気づいていなかっただけかもしれませんが。
「それで、あとは言葉ですか」
「そうなんだ。やはり「大丈夫か」と言うべきなのだろうか。それとも、「私も好きだ」と告白の返事をすればよいのか。わからないのだ」
「どちらも、リーアの言いたいことなら。どちらも言えばいいんですよ。大丈夫かと言った後に、告白されたときのことを話して。それから好きだといえばどちらも話せるでしょう」
「そうか、そうだな。でも、」
「でも?」
「つまらない女だと思われないだろうか。あまり話が上手な方ではないから、絶対に好きだと言った後に話が続かないんだ」
「心配しすぎですよ。クリス君はリーアのことが好きなんですから。リーアと話せているだけで楽しいですよ」
「本当にそうか?」
「クロードが言っていたことですから、間違いがないと思いますよ」
「性別の同じ男が言うなら間違いはないか。よし、レティア一緒に来てくれ!」
「なぜそうなったのですか」
最初から、一人で行くようなながれだったのに。そもそも私が行っては邪魔なだけなのですが。
「一人では不安なのだ、頼む扉の前まででいいんだ。付いて来てくれ」
「扉の前までですよ」
「ありがとう、レティア」
ケェファは話している途中から寝てしまいました。ケェフと離れるのは心苦しいですが。リーアのためですし、仕方ありませんね。
読んでくださりありがとうございました。
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