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キャンプファイヤーの明かりが薄暗くなった辺りを照らす中、それぞれが作ったスープとパンを食べています。しょっぱかったり味が薄かったりと、班ごとに違いがあったようです。私や凪の風の皆さんに聞きに来ることはなく、私は私で凪の風皆さんは皆さんで調理をすることができました。
私が作ったスープは野菜のスープに違いはないのですが、持ってきた野菜の中でカボチャだけが余っていたのでポタージュのようになってしまいました。カボチャの甘味で美味しいですし野菜が無駄にならずに済んでよかったです。
ただ生徒たちが匂いにつられてやってきて味見をしていくので、私の食べる分が少しずつ減っていくのですよね。
少食ですから、あまり量は食べませんけど。明日の朝の分がのこるとよいのですが。
味見のお礼にと食べて言った子の班のものを少し分けてもらうのですが、味がバラバラでとても美味しいところもあれば微妙な味になっているところもありましたね。
「あと片付けも終わったようですね。今日の授業はこれで終わりです。明日の朝帰りますからゆっくり休むようにしてくださいね」
『はい』
自分たちで建てたテントに入っていく生徒を見送り、私は広場の中心にある焚き火の元に向かいました。
既に焚火の周りにはエリオーラさんとリオールさんがいました。
「今日はありがとうございました」
「いや、私たちも経験になりました。教えがいもありましたから。な、リオール」
「ええ。歩きながら魔術のことを聞きましたが、皆学び始めて間もないというのに多くのことを知っていました。レティア先生の指導の賜物でしょう。それにレティア先生の魔術の腕も相当なものとお見受けしました。微かにではありますが魔力の流れを感じます。この広場に何か魔術を使っていらっしゃいますね?」
「リオールさんの腕も相当なものだと思いますよ」
生徒たちが罠を仕掛けに行っている間に作った結界の魔術式は、もう一つ作ってある周囲の魔力を探知する魔術式と結合してあります。効果は周囲に魔物が近づくと自動的に結界を張るという効果になっています。
常時結界を張るとなると魔力の消費が激しくなるので、条件を付けて魔力消費ををさえる目的もあります。まだ実験段階で実地での検証をしていないので、検証と生徒の安全を守ることを同時に行っています。
基本的に野生の動物は火を恐れて近づいては来ないので、注意するのは魔物だけになります。もちろん何事にも例外はありますから、こうして火の番をお願いしているのですが。
「魔物を探知する魔術式を使っています」
「微かな魔力の流れは、探知用の魔術式でしたか。レティア先生はお休みになられないのですか?」
「もう少し起きているつもりです。生徒を預かる身ですから」
そのあと焚火の近くに座り、リオールさんと魔術の話をした後に眠りにつきました。
翌日、目を覚ましたのは朝日が昇って辺りが明るくなりだした頃でした。
外に出て焚火に向かうとゼントラルさんとリーゼハルトさんが火の番をしていました。
次第に生徒たちも起きだしてきました。今日は学校が休みの日なので、帰ったら昨日の疲れをいやしてほしいですね。
昨日の夜の残りものを温め直し、朝食を食べた後テントを片付け街へと帰りました
誤字脱字は下に専用のがあるのでそちらからお願いします。
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次話は少し飛んで夏季の長期休暇になります




