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 クロードの家に泊まることになってから、空き部屋に案内してもらいました。クロードの隣の部屋です。

 夕食までは少し時間が空いていますが、何をしましょうか。

 クロードの部屋に行くのは気後れしますし、かと言ってすることもありません。


 クロードのお母さん、名前をエレーナさんと言うそうですが二人だけで話す時間がありました。クロードがお父様と二人で話していた時のように



「レティアさん、初めにお礼を言わせてちょうだい。クロードと結婚してくれてありがとう」


「私はそんなお礼を言われるようなことはしていませんが」


「いえ、レティアさんがクロードと結婚してくれる。それだけで私達は嬉しいの。クロードにはね昔婚約者が居たのよ。まだ十にも満たない無い頃にね。二人は本当に仲がよかったわ。

 だけどその婚約者の子は殺されてしまったの山賊に。後から調べてわかったことだけどその山賊はとある貴族に雇われて襲ったらしいの。そしてクロードは部屋から出てこなくなってしまったわ。ちゃんと食事は取ってくれたのだけどね。

 私達は心配になったわ。だけど何も出来ずに一月が経って、クロードは部屋から出てきたの。私達は喜んだわ。

  やっとクロードが部屋から出てきてくれたと。だけどクロードは変わってしまっていたの。人を愛せなくなってしまったのよ。お医者様が言うには悲しみから自分を守るためだろうって仰っていたわ。

 そしてそれからクロードは剣に没頭し始めたわ。もう誰も失わないようにって。そして騎士団長になって。四年前好きな人が出来たってあの子から聞いた時には泣いてしまうくらい喜んだわ。やっと誰かを愛せるようになってくれたって。だからありがとう」


「そうだったんですね。知りませんでした」


「そうね、知らないのも無理ないわ。クロードはあまり話したがらないもの。だからこのことは私たちの秘密よ?」


「分かりました。エレーナさん」


「まだ、夕食まで時間があるから部屋で待っていてちょうだい。準備が出来たらクロードに迎えに行かせますから」


「分かりました」


 そしてクロードが迎えに来てくれました。


「レティア、夕食の準備が出来たようなので行きましょう」


「はい、クロード一緒に行きましょう」



 次の日私はクロードと一緒に王城に向かっていました。アルセリーナ王女に会いに行くために。面会の予定は先にルビィクト王国に戻っていたアーサー様に頼んでいたそうです。


「アルセリーナ様との面会ですね。どうぞお入りください」


 部屋の中に入るとアルセリーナ王女とアーサー王子が待っていました。


「アルセリーナ様、それからアーサー様までいるとは思いませんでした」


「僕はいるだけだから気にしないでくれ」


「そう言うことよ。お兄さまのことは気にしないでちょうだい」


「分かりました。今日は第一騎士団長を辞めることと結婚の報告に来ました」


「そう、やっと結婚するのねおめでとう。四年も待たされて心配したわ。とくにお母様は本当に心配していたのよ?」


「はい。分かっています。ずっと心配をかけていたことは、ですが私には会えませんから、アルセリーナ様からお話してくださると助かります」


「いいわ。なんて言うと思った?自分でお母様に報告しなさい。時間は一刻後。騎士団の方に行くのだから丁度いいでしょう」


「お心遣い感謝します」


「それからレティアさん」


「お久しぶりですアルセリーナ様」


「結婚おめでとう。クロードのこと頼んだわよ」


「はい、ありがとうございます」


「騎士団長を辞めるのは兄様の方にお願いして。第一騎士団はお兄様の騎士団だもの」


「クロード、いままで騎士団長としてよく頑張ってくれた。幸せになってくれ。新しい騎士団長は副団長でいいかい?」


「構いません。レイエスになら任せられます」


「わかった。それと最後に出来たらでいいんだけど二年後、僕はティアと一緒に学園に通うつもりなんだ。つまり留学だね。その時に護衛のようなことを頼みたい。方法はなんでもいい」


「護衛ですか」


「いちよう、ちゃんとした護衛は連れていくけど学園の中までは入ってこれないからね」


「兄さま、教師がいいと思いますよ。剣術の教師ならクロードでも出来るでもしょうから」


「と言った感じで頼みたいんだ。これは命令ではないから強制では無い。答えが出たら手紙とかで連絡してくれると嬉しい」


「分かりました。考えてみます」


「ありがとう。そろそろ騎士団の方に行くといい。今の時間帯なら訓練場に居るだろうから」


「失礼します」


 部屋を出てクロードについて行き、廊下を抜け外に出ます。


「クロード騎士団の誰に紹介するのですか?」


「レイエスですね。私が騎士団を辞めることと一緒に話すつもりです」


「分かりました」


 兵舎の中に入り騎士団長室と書かれた部屋に入ります。


「レティアはここで待っていてください。私はレイエスを連れてきますから」


 部屋で待っているとクロードとレイエス副団長が入ってきました。


「あなたは、確かレティアさんでしたっけどうしてここに。」


「その理由も今から話す。私は騎士団を辞めることにしたんだ。レティアと結婚するからね」


「聞き間違いですか?団長が、結婚?しかもレティアさんと?」


「聞き間違いじゃないですよ。本当です」


「マジっすか。おめでとうございます」


「ああ、ありがとう。それで私がやめた後、レイエス君をを騎士団長に推薦してきた。じきにちゃんとした辞令が来ると思う」


「分かりました、団長。今までお疲れ様でした。結婚式はいつやるんですか?俺行きますよ。多分他の奴らに話したらみんな行きたがると思いますけど」


「まだ予定は決まってないけど、決まったら教えよう」


「分かりました。俺とりあえず、部隊長たちに知らせてきますね」


 そう言ってレイエス副団長は部屋を出ていきました。


「部下から慕われていますねクロード」


「いい部下です、皆」


誤字脱字等ありましたら、コメントや感想お願いします。また、評価をして頂けると嬉しいです。

次話は、アーサーやアルセリーナの母親に会いに行きます

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