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「間に合ったようですね。お二人共大丈夫ですか?」


「セイル殿!ちょうどいい所に、それにセレスティーナも来てくれたか」


「レミリアは大丈夫ですか?」


「ええ、無事です。いささか事件に巻き込まれてしまいましたけど」


「事件ですか?」


「はい、どうやらレミリアは誘拐された貴族の子供を追っていったようです。その貴族の子には今奥の方で休んで貰っています。セイル様確認をお願いできますか?」


「分かりました、案内してください」


 クロード様を先程目覚めた女の子の元に案内します。セレスティーナはリーアと倒した五人を拘束しています。


「貴族の子供はなんという名前ですか?」


「セリーナと名乗っていました、それとこのハンカチを持っていました。隅の方に家紋がありましたが私には分かりません」


「この家紋にセリーナ……」


 最後の方は声が小さくなり聞こえませんでしたが、クロード様は何か知っているようですね。


「セリーナ様失礼します」


「大丈夫だったのね。安心したわ」


「ユリア母様大丈夫だったの?」


「ええ、大丈夫でしたよ」


「やはりアルセリーナ様ですか」


「あら?フェルミナ騎士団長じゃない。珍しいわね、お兄さまに付いていないだなんて」


「レティア嬢、今回はアルセリーナ王女を助けて頂いてありがとうございます」


「セリーナ様はルビィクト王国第一王女のアルセリーナ様なのですか?」


「そうね、ここまできて嘘なんてつかないわ。あらためて私はルビィクト王国第一王女アルセリーナよ。以後お見知り置きを」


「レティアいい?」


 ティア様は恐らく身分を明かしてもいいのか聞いているのでしょうね。ここまで来てしまいましたし明かしてしまってもいいでしょう。


「いいですよ」


「ありがとう、(わたくし)レクサリア王国第一王女のティアです。よろしくお願いしますわ、アルセリーナ様」


「レミリア、いえティアはレミリアの王女だったのね。様付けは要らないわ、だって私たち友達でしょ?」


「そうよね、ありがとうアルセリーナ」


「セリーナでいいわ。お父様やお兄様はそう呼ぶから。それに口調も変えなくていいわ。咎める人もいないようだしね?」


 そう言いながらこちらを見てきます。いつの間にかティア様はアルセリーナ様とお友達になられたようですね。それに私も挨拶をしなくてはいけませんね。


「アルセリーナ様、私はレティア·ヴェルンティースと言います。ティア様の家庭教師です」


「そうなの、ちなみにフェルミナ騎士団長、ヴェルンティース嬢とはどのようなご関係かしら?」


「瞳を渡しました」


「そうなのね、あなたが名前で呼ぶなんて珍しいから、もしかしてだけどと思ったけど。返事は貰ったの?」


「明日もらいます」


「そうなのね。さて、お父様も心配してるだろうし帰りましょう。それに証拠も揃ったことだしね」


 証拠、恐らく誘拐に手を染めていた組織のものでしょう。しかし王女自ら捕まって証拠を集めるとは、普通の王女では無いようです。ティア様と同じ六歳とは思えないくらい、頭も切れるようです。ルビィクト王国は安泰ですね。


 私達は外の五人を衛兵に任せて、馬車で王城に戻りました。王城に戻ると国王が王女を助けてくれた礼をしたいと執務室に招かれました。本当ならばリーアが行くべきなのですが、頑なに固辞したのたため私が行くことになりました。


「セリーナを助けてくれたこと礼をする」


「とんでもありません、王女様をお助けできて光栄です」


「そうか、何か報奨をと思ったのだが事が事だけに出来なくてな。何か望むことはあるか?」


 やはりこうなりましたか、予めこうなる予想はしていたので皆で決めていた事を望みました。


「では、私達が隠れていた孤児院に援助をお願いします」


「わかった。あの辺は元々整備する予定であったし、寄付や新しい孤児院の場所などの援助をすることを約束しよう」


「ありがとうございます」


「なに、セリーナを助けてくれた礼としては、小さい方だ。今日はゆっくり休むといい」


「ありがとうございます、国王様」


 国王との謁見が終わりティア様達が待っている部屋に急ぎます。


「戻りました」


「どうだった、レティア」


「問題なく終わりましたよ。それでセレスティーナ、相談したいことがあるのですが」


「珍しいですね、いいですよ」


「ありがとうございます、実はクロード様に告白されたのですがどうすればいいでしょうか」


「それは…本当ですの?」


「はい。この国の風習で好きな人に自分に関係ある色の物を送るというものがあります。そして私はこのネックレスを頂きました。クロード様の瞳と同じ色のものを、言葉も頂きました。ティア様もアーサー様から貰っていたはずですよ?」


「そう言えば、これを貰ったのよ」


「これは、アーサー様の髪の色ですわね。アーサー様は何か言っていましたか?」


「何も言ってなかったわ」


「ではその気はなかったのでしょうか、後で手紙で聞いてみましょうか。それでレティアはクロード様のことどう思ってるんですの?」


 私がどう思っているかですか。クロード様は優しい方ですし人気があるのもわかります。しかし好きかと聞かれるとどうでしょうか。前世を含め好きになった人などいませんし、好きという感情も分かりません。ですがクロード様は私を好きだと言って下さいましたしお付き合いしてみるのもいいかもしれません。


「好きなのか分かりません。でも好意は持てますから、お付き合いしてみようと思います」


「昔からそうでしたわね、感情に疎くて。返事は明日するのですよね?」


「そのつもりです」


「そうと決まりましたらお祝いしましょう。皆で夕食を食べるというのはどうですか?」


「いいわね、外にいるリーアも誘いましょうよ」


「そうですね、では準備致しましょう」


 少し明日が待ち遠しいです。

次回はクロード様にお返事をしてついに学園編に突入できるはずです。

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