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「アレン様、あのお店はどのようなお店ですか?」
「あの店は装飾品を売っている店なんだ。見てみる?」
「はい!」
二人の仲が順調のようで安心しました。ティア様の表情も楽しそうです。基本的に政略結婚の場合互いの気持ちは考慮されません。そのため仮面夫婦になることが多いのですが(中には政略結婚の後に愛し合うこともあります)アーサー様とティア様はその心配は必要なさそうです。
「ユリア嬢、私たちも行きましょうか」
「そうですねセイル様」
どうやらアーサー様は、ティア様に似合う装飾品を買うつもりのようです。ティア様も歳の近い異性からの贈り物は初めてでしょう。
「ユリア嬢にはネックレスが似合いそうですね」
私がティア様達を見ているとクロード様がネックレスをもって来ました。そのネックレスは青い宝石に銀の装飾が付いたものでした。
「セイル様そのネックレスは」
「ユリア嬢に似合うと思いまして、どうぞ」
クロード様から手渡されたネックレスは主張の激しくないものでこれならば日常的に付けていてもあまり気にならないでしょう。
「頂けるのですか?」
「はい、今はこのような物しか用意できませんが、これが私の気持ちですので」
そう言えばルビィクト王国には好きな相手に自分の色の入った物を送る風習がありましたね。となるとやはりクロード様は私が好きなのでしょう。しかし前世から恋とは縁もゆかりも無い物だと思っていましたから、どう返事をすればいいのでしょうか。やはりセレスティーナ達に相談するべきでしょうか。ひとまずここで返事をすることは出来ませんから、明日まで待ってもらいましょう。
「ありがとうございます。でも少し時間をください、気持ちの整理をしたいので。明日、出発する際にきちんと返事をしますから」
「分かりました。明日、お返事を聞かせてください」
「必ず」
私がクロード様に告白されている内にどうやらティア様もアーサー様から贈り物を渡されたようです。様子を見る限りティア様は告白されたことに気づいて居ませんね。アーサー様も贈り物をする際に何も言っていないようですし、城に帰ったら風習のことを教えなくてはいけませんね。
店を出た私達はティア様の希望で屋台の食べ歩きをすることになりました。そしてクロード様とアーサー様とは一旦分かれて行動しています
「ユリア母様、あのお店のを食べてみたい!」
「では行ってみましょうか。おじさん、串焼き二本ください」
「銅貨四枚だ」
屋台のおじさんに銅貨を渡します
「まいど、そら焼きたてだ、熱いから火傷しないようにな」
「美味しいですね、程々の塩加減です」
「さっき食べたのより美味しいわ」
「食べ歩きの醍醐味は当たり外れがあることですから、楽しみましょう。レミリア」
「ユリア母様手繋いでもいい?」
「もちろんいいですよ、レミリア」
「えへへ、ありがと」
「少し休みましょうか、ちょうど座るところもありますし」
「はい、母様」
「レミリア、何か飲み物を買ってきましょうか?」
「良いの?」
「今日くらいわがままでも良いんですよ。さっき飲みたそうにしていた物を買ってきますね」
「ありがとユリア母様」
「いえ、レミリアの笑った顔が見たいですから。ここから動かないでくださいね」
近くに居るリーア達にアイコンタクトでティア様を頼み私は先程見かけた飲み物屋でティア様が見ていたリオンのジュースを買います。リオンはリンゴみたいな果物で甘みと少しの酸味が癖になります。
「レミリア買ってきました…よ」
私が戻るとそこにはティア様が居ませんでした。当たりを見回しますがティア様らしき人影は見えません。それにリーア達の姿もありません。恐らくティア様を追って居るのでしょう。
この場所は広場になっていて誘拐しようとすればリーア達から確実に見える場所です。となるとティア様が自分で何処かに向かった可能性があります。そしてリーアと一緒にいたセレスティーナなら何か手がかりを残しているはず。
手がかりは簡単に見つかりました。ティア様が座っていた場所の足元に紙とコンパスのような魔道具が落ちていました。
[レミリアが急に走って何処かに向かいましたわ。レミリアのあとはリーアが追いかけています。私はセイル様や他の方にこのことを伝えに行きます。一緒に置いてある魔道具はリーアの位置が分かる魔道具になっていますわ。魔力を流せば起動するので急いで追いかけてください]
試しに魔力を魔道具に流すと中の針が動きリーアの居るであろう方向を指しました。魔道具の指し示している方向に向かうと、中央通りを外れて脇道へと向かって行きます。この方向は確か貧民街のはず。何か事件に巻き込まれて居ないといいのですが。
もしこれが三日前にティア様の運命を変えてしまったために、その運命を世界が修正しようとしているならば急がなければいけません。また悲劇を起こさない為にも。
魔道具を頼りに進んで行くと教会にたどり着きました。この中に居るのでしょうか。教会の扉をノックをすると中から修道女が出てきました。
「どちら様ですか?」
「すいません聞きたいことがあるのです。ここに女の子と女性が来ませんでしたか?」
「名前をお聞きしても?」
「ユリアです」
「どうぞ中に」
教会の中に入るとリーアとティア様の他に子供たちが何人も居ました。
「ユリア来てくれたか」
「レア何があったのか、説明してください」
レアはあらかじめ決めていたリーアの偽名です。
「ユリアが飲み物を買いに行ったあと、レミリアが走ってどこかに行こうとしていたから追いかけた。ここまではいいな?」
「はい」
「それでレミリアが走った原因が人攫いだった。追いかけている最中にそれに気づいたから、その人攫いを気絶させてレミリアと攫われた子供を助けたんだ。その後道に迷ってな、近くにあったこの教会で待つことにしたんだ。ちなみに攫われた子供、貴族だ」
色々言いたいことがありますが、ひとまずティア様が無事でよかったです。
次回は事件解決した後に告白されたことをセレスティーナに相談する予定です
誤字脱字ありましたらコメントなどよろしくお願いします




