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「串焼き1本銅貨一枚だ!」


「冷たい飲み物はいかがですか!一杯銅貨二枚ですー!」


「これも買うからもうちょっとまけてくれないかしら」


「わかった大銅貨六枚と銅貨五枚だ!」


 ジェンキンズの中に入るとそこかしこから客を呼び込む声や値下げ交渉をする声など活気ある声が聞こえてきました。エルガンと同じくらい賑わっていました。


「馬車の中まで声が聞こえてくるわ」


「そうですわね。エルガンと同じ商業都市ですからすごい賑わいですわ」


「まだ、ここは市民街ですから貴族街よりも活気がありますよ。とはいえ貴族街もここより少ないとはいえ人は多いですよ。そう言えばティア様、アーサー王子に渡す品物は何にされたのですか?」


「最初は剣術をやってるって聞いたから剣にしようかとも思ったのだけど、どうせならいつも使ってほしいからペン軸にしたわ。これなら勉強の時とかにいつも使ってもらえるでしょ?」


「そうですね。勉強も頑張っていらっしゃるようですから、使ってくださいますよ」


「ありがとう。そう言ってくれると嬉しいわ」


「もったいないお言葉です。さぁ馬車も止まったようですよ」


 私たちの泊まる宿は黒猫の宿です。貴族や裕福な人向けの宿で警備などもしっかりしているため評判の良い宿屋です。


「リーア、私達は何階に泊まりますか」


「一階を貸切にしているからどの部屋でもいいぞ。ティア様は中間部屋にお泊まりになる。左右の部屋は近衛が入ることになっているから向かい側辺りがいいんじゃないか」


「向かい側ですか。わかりましたそうしましょう」


「よし!じゃあ私の荷物も運んでおくぞ。ついでにセレスティーナも誘わないとな!」


「そういうことですか。泊まるのは3人でですか?」


「もちろんだ!懐かしいな、皆で旅行に行った時のようだ」


「あの時はルエンやユリア達もいましたよ。まあ、私達がついて行ったんですけどね」


「よし夜は女子会するぞ」


「リーアの口から女子会と聞くとは思いませんでした。もしかしてセレスティーナの発案ですか?」


「いや、私の独断だ。王女宮でお茶会したみたいにやりたいと思ってな。楽しいことはレティアも好きだろ?」


「好きですよ。でもリーア、ティア様の警備は良いのですか?」


「警護も兼ねてティア様の向かいの部屋にしたのだ。何かあっても直ぐに駆けつけられるからな。それにフェルミナ殿もおられるから警備は万全だぞ!」


「そうですか。わかりました、では自分の荷物持ってきますね」


「ああ、私はセレスティを探してくる」


 リーアはセレスティーナを探しに行来ましたが、ティア様と一緒に部屋にいるのではないでしょうか。教えようにもすでに何処かへ行ってしまいましたし、少しすれば気づいて戻ってくるでしょう。夜まで時間もありますし持ってきた本でも呼んで時間を潰しましょうか。


 魔物とは魔力を体内に溜め込み凶暴化した動物の総称である。どうして魔物が生まれるのかはここでは省略する。

 私は魔力を溜め込み凶暴化する動物達を研究するうちに一つの仮説を立てた。それは人間もまた魔力を溜め込むことで凶暴化するのではないかという仮説だ。


 我々人間は体に魔力を溜め込みその溜め込んだ魔力を消費して魔法を扱うことができる。では魔法を使わずに魔力を長い間消費しなければ体に魔力が溜まりいつか凶暴化してしまうのではと考えた。


 しかし魔力を持っているものは何かしらの要因で魔力を消費している。最近では魔力を魔石に貯めることで魔道具を作動させるものが、貴族だけではなく庶民にも広まり始めている。また、これはギフト持ちの人でも使えるため本来魔法の使えないギフト持ちでも魔力を消費できる。そのため普通に考えて人間が魔力を溜め込み凶暴化することは無いと私は考える。


 だが過去人間が魔力を溜め込み凶暴化したと思われる文献を私は見つけた。文献には突如として強大な力を持った人間が現れ人々を襲ったと書いてあった。この強大な力を持った人間は恐らく凶暴化した人間では無いかと推察している。またこの文献では強大な力を持った人間のことを()()と呼称していた。現代にこの魔人が、現れないことを願うばかりである。


 さて、これらのことを踏まえた上で私は······


 ギィィ


「レティア、セレスティを連れてきたぞって本読んでたのか邪魔してしまったか?」


「リーア、セレスティーナ、大丈夫ですよ後で読みますから。どれくらい本を呼んでいたでしょうか」


 窓の外を見るとすでに日が沈み始め夕日が差し込んでいました。


「既に夕暮れですか。リーアもしかして今までセレスティーナを探していたのですか?」


「いやその、レティアと別れて直ぐにセレスティがティア様と一緒に居ることに気づいてティア様の部屋に向かったんだ。それで部屋の中でセレスティとティア様が懐かしい話をしてたものだから一緒に話してたんだ。で気づいたらこんな時間になってて夕食も近いからセレスティを連れてきたんだ。食事は部屋に運んで来るそうだから皆で食べようと思ってな」


「そうですか。でもセレスティーナはティア様の近くに居なくて良いのですか?食後の紅茶を入れたりとか」


「大丈夫ですわ。ちゃんと他の者と交代してきましたから。そろそろこの部屋にも食事が運ばれて来ますからテーブルの準備しますわ」


「お願いします、セレスティーナ」


「いやー女子会楽しみだなレティア!」


「そうですねリーア」


 それにしても女子会どうなるのでしょうか、楽しみです。

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