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ねこみみと遺跡①

『第一回定期イベントに集まってくれてありがとう!』

「「「「うおおおおおおおっ!!!!」」」」


街の広場の中心にある噴水。

その一番高く水柱が上がる上部でホログラムによる投影、それに映し出されたのはこのPanasonicのアイドル"ヒカリ"だった。


『さっそくだけど今回のお宝探しについてもう一度説明するね。

これから皆さんにはイベント用に作ったステージに移動してもらいます。そこには沢山の遺跡がありその中にはお宝が眠ってます。お宝は武器や防具、アイテムや、スキルだってある。ゲットしたお宝は自分もの。それを相手から奪うのもアリです。あと一部の遺跡最深部にはボスがいるからね。倒したらお宝よりもいいものが手にはいるからジャンジャン挑戦してね』


沢山の人混みの中に結城とミラの姿もある。

しかし人混みでも端っこのほうで、さらにミラの後ろに結城が隠れている感じである。

こんなにも人混みの多い場所が苦手でどうしていいか分からない結城はミラの服をガッチリ掴んでギュッとくっついていた。


それにより何度も失神しかけたミラだがいまは頑張って説明を聞いている。


『開催時間は二日間。

遺跡途中に脱出用の魔方陣もあるから有効に使ってね。

あと遺跡最深部に世界樹が描かれたメダルがあるから、それをゲットすれば遺跡攻略。攻略数が多い、つまりメダルが多い上位10名にはランダムに"ウルトラスキル"が授与されるから頑張ってね!』


このイベントは複数の遺跡を攻略して上位を狙いウルトラスキルを手にするか。

または時間をかけてお宝を探して自信を強化をするか。

このイベントでこれからのゲームにおけるステイタスがグッと変わることになる大事なイベントとなったのだ。


「なるほどね。

最短で遺跡攻略か、のんびりお宝探しか……ユウはどっちがいい?」

「……始めは…ゆっくりが、いい………」


「そうよね。じゃ慣れてきたら状況に応じてやっていこうということで」

「…………うん………」


方針が決まったところで


『それじゃ第一回定期イベント"お宝探し"始めッ!!』


その瞬間プレイヤー全員の足元に魔方陣が現れてイベント用のステージに転移させられた。

そして残されたアイドルのヒカリは


『それじゃ私も……行きますか!!』


ホログラムがゆっくりと消えていく中で"ヒカリ"という姿から形を変えていき、ホログラムが消えかかる瞬間には別人として変わっていた。


…………………………


「うわぁ…ヤバイわね、ここ……」


結城とミラが召喚されたのは丘の上。

そこからはこのステージが一望できる場所ではあったのだが、そこから見える景色はとてもとても広く、水平線の向こうまでずっとステージが続いている。

そしてその中に遺跡が点々と存在し、山も川も海も、何もかもが"遺跡"と関わりがあるように作られている特別ステージとなっている。


「よしユウ!!頑張りましょう!」

「………おう………」


意外にやる気を見せるユウ。

今回はネコのしっぽを手にしたいという目的がある。

もちろん手がかりも、実際にあるのかもわからない。

それでもあるのではというそれだけで今回は頑張ろうと決めたのだった。


丘の上から見ると近くには森の中にある遺跡と川に沿って作られた遺跡がある。


「どっちの遺跡に行ってみる?」

「………森が、いい………川……濡れるから………」


ということで森の遺跡に向かうことにした二人。

丘の上からも分かるように柱や建物が見えているので迷うことはないだろう。

森に入ると流石に方向も少しは分かりにくなるけどそれでも遺跡の入り口にたどり着いた二人だったが


「おっ。やっぱり他のプレイヤーもいるわよね」


すでに他のプレイヤー達が集まり遺跡の入り口を塞ぐように集まっていた。

大きな木の影に隠れて様子を窺ってみるとどうやら大人数で遺跡を巡っていち速く遺跡攻略を狙っている話をしているようだ。


「うーん。ここは厳しいかな……」


強引に突破しようものなら人数差でやられる。

逆にお願いして参加させてもらうにしてもこれも人数差で先に攻略される。

あくまでも二人で遺跡を攻略したいミラ。

というか自分以外にユウに近づけるなんてありえない!という考えである。


だからここは諦めて次に行こうと結城に相談しようとしたら


「あ、あれ?ユ、ユウッ!?」


さっきまで横にいた結城の姿がなかったのだ。

周りを見渡してみると隠れていた木のよりも大きな木。

その幹の上部にある人一人入れる穴の中からピコピコと動くねこみみが見えた。


もしかしてと思っているとひょっと顔を出した結城は


「………ここに、いるよ………」

「………ガハッ!!!」


可愛すぎるその仕草と表情にまたしてもダメージを負ったミラ。

そんなミラを心配したのか結城は穴から掌で幹に触れて(・・・・・・・)いるだけで逆さ(・・・・・・・)まに降りてきた(・・・・・・・)のだった(・・・・)


駆け寄ってきた結城に対して胸を押さえながら


「あ、新しい…スキル?」

「…………………」(コクリ)


首を縦に振り肯定した結城は手にはいったスキルをミラに見せる。


サイドスキル『リスの木登り』

木登りのして穴に入ると手に入るスキル。

身長の10倍までどんなものでも登っていける。


「なんで、登ったの?」

「………かん……??」


「…可愛いわぁ……持ち帰りたい……」

「………?」


ここで結城の可愛さに胸射たれてる場合ではない。

人が多いこの場所から離れないと行けなかったため結城の見つけた穴は都合が良かった。

『見守る』を使い結城の『リスの木登り』をコピー。

結城の後に付いていき穴に近づいて覗きこむとその穴の中は幹に沿って地面に向かって空洞になっていた。それも木の中だけではなく地中にも続く穴。


「これ、もしかしたら遺跡に続いてるかも…」

「……………おぉ………」


「行って、みる?」

「………ごぅ……!!」

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