第68話 VR世界大戦part2
そこから雪崩れ込んでくる紅軍。
抜けたところは右端だったため、守りやすくはあった。だが、、、殺人に特化した紅軍の精鋭達に、スライム王国軍は次第に押されていった。そしてそれは、紅軍、王国軍双方のリーダーにも伝えられた。
蒼真側は魔王軍に出していたスライムを回収し、スランドによる戦車に乗り、前線へと繰り出す。
対して紅側は静観していたわけではなく、作りに作った人形を右・・・ではなく左端に出していく。まぁこっちからみたら右なのだが、この際置いておこう。
両端から攻めていこうとしたのだ。とはいえ、ここは平原。壁があるわけでは無い。単なる人数勝負なのだ。それぞれが戦い、負けると後ろにいた人が出て、、、左端でも右端でもプレイヤーの横から攻めるのは人が足りなかったのだ。
それが━━━覆される。
「チッ!状況は!?」
〈良くないです。右端から雪崩れ込んだ敵軍に苦戦しております。とはいえ、誰も加勢に参加出来ないため、劣勢です。〉
「分かった。敵が右端から攻めるのなら━━━俺は左端だ!!」
〈分かりました。それでは!〉
そう言い残すと、音速で駆け抜ける!!
「全く。後先考えないなぁ。右端抜かれたらアウトじゃん。てか大将が自ら出るなってのに。」
王国軍No.2神代舞花が右端へ向かった。
魔王軍は壊滅状態まで追い詰めたため、追撃や本拠である館を落としはしないだろう。
紅軍VS王国軍の中心にて。
「《奇襲のスライム》。お前を許さないぞ!セリを寄越せ!!!」
「私が?何なのだ?」
気配を消し、後ろにいた多良見瀬里。
驚いたが、すぐに顔が真剣に戻った。流石は風の国君主である《漆黒の軍勢》。そいつが!今、多良見瀬里と━━━戦う!!!!
多良見がまず氷によるバトルフィールドを作る。これで多良見は好きなときに敵の足を取れる。そう思っていたのだが、
(そう簡単にはいかないのだ・・・)
敵は炎系統死霊を召喚し、氷のフィールドを蒸発させた。むしろ、多良見の方が圧倒的に戦力として負けてるのだ。
次に頭上に氷を作りまくる。もはやお馴染み、瀬里の得意技《氷銃弾》である。
用意が出来るまで《漆黒の軍勢》は静観した。なめている・・・わけではなく、隙だらけの多良見だが、本当に隙だらけすぎて罠に見えるのだ。実際多良見は逃げられるように多良見の回りに氷を張っていたし。
「食らうのだ!《氷銃弾》掃射!」
風の魔法を操り、狙ったところに打ち続ける。弾は隙をさらした時間に見合うだけ大量にある。
だが、所詮氷である。《漆黒の軍勢》は避けようともせず、全てを、炎系統死霊、《フレイムゴースト》により、水にかえ、土系統死霊の《サンドゴースト》により吸収した。
だが、無傷になることは百も承知。多良見は頭が回るのだ。これはただの陽動、本命は━━━《氷爆》!!!!
「んなっ!?チッ!死霊召喚 《ドラゴンゾンビ》!!」
超巨大な氷がドラゴンゾンビの中にめり込まれていく。直後、爆発しドラゴンゾンビは跡形もなく消え去った
「これでも無傷なのか!?すごいのだ!」
「魔力は大量に減らされたがな!反撃だ!大量召喚!《ポイズンスケルトン》×200!!」
触れるとそれだけで猛毒になってしまう凶悪の死霊なのだが、、、
「焼き尽くすのだ!《大地滅却》!」
大地ごと燃やし尽くしたのだ。たかだかスケルトンごときに塵も残るわけが無い。
「そっちも十分凄いわ!召喚《究極魔導師》《死神》」
「物理に魔法!?」
なぜこんなに驚いているのか。物理には物理が効く。魔法には魔法が効く。例外もあるが効果が一番発揮されるのは同じ分類の時なのだ。この場合魔法攻撃をすればリッチーに阻まれ、物理攻撃(魔法剣や氷)はリーパーに阻まれる。2つとも超上位死霊のため、生半可な攻撃などダメージにすらならないのだ。
「どうしたんだ?手切れか?」
「くっ、、、我が魔力全てを贄にこの世に起こる全ての事象に介入する!《落雷》!《地震》!《竜巻》!!!」
多良見は全ての魔力を失ってしまった代わりに・・・
「ぐはっ!?右腕が!消えてる!?」
敵の右腕を消失させたのだ。時間がたてば治るが、この戦闘中に治る程甘くない
「でもセリはもう魔力がないのだろう?とっとと諦めなよ」
痛みを少し感じる右腕の付け根を押さえながら言ってくる。・・・が、
「諦めるわけがないのだ!多良見家流剣術!刀剣!」
「ジョブでもないのにまだ戦うか。・・・てか今どこから剣出した?」
「え?あぁ。折り畳み式なのだ。」
「剣が折り畳み式って、、、まぁいい。召喚!《デスナイト》!!」
最強の魔法使いと死んだ騎士、2人の剣士が今向かい合う!!




