トレジャーハンター(泥棒)
たけし。
たけしはソーラーパネルの上で日光浴をしながら次の仕事を何にするか考えていた。
トレジャーハンターになることにし、トレジャーハンター協会に向かった。
トレジャーハンター協会とは会員に装備や資金や情報を提供したり、戦利品の売買を仲介したりする組織である。
「本名とは別にハンターとしての名前である『ハンターネーム』を登録してください。」
「『洗剤フランスパン』にします。」
「そうですか。わかりました。では明日の研修の前にこちらの資料を読んでおいてください。」
彼は資料を読みながら思った。
協会の倉庫から金目の物を盗み出すのが手っ取り早いのではないか、と。
それも立派なトレジャーハントである。
その夜、彼は倉庫に侵入した。
金銀財宝を期待して辺りを見回したが、そこにあったのは道路標識やガードレールやマンホールや信号機や公衆電話だった。
唖然として眺めていると、道路標識を運び込みに来たトレジャーハンターらしき人物と目が合った。
たけしは相手に向かって叫んだ。
「お前何やってんだよ!ただの泥棒じゃねえか!最低だな!」
「貴様、このレジェンド級トレジャーハンター『ミスター道路標識』様を愚弄するか!覚悟しろ!」
そう言って彼は「止まれ」の標識を槍のように構えた。
それと同時にたけしの足も動かなくなった。標識の効果だろう。
ミスター道路標識はまっすぐ突っ込んできた。
たけしは慌てず「愛本」を標識に投げつけ、破壊する。
すると足が動くようになったので、近くの公衆電話を拾い上げると、「新しい顔よ」という言葉とともにミスター道路標識に投げつけた。
ミスター道路標識は顔が公衆電話になったことで「ミスター公衆電話」となり、引退した。彼は今盆栽を育てているという。
たけしはこの業界に失望し、まともな職に就くことにした。
たけし。




