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第2話

よろしくお願いします

風が気持ちいい、あれ?鳥が鳴いてる、いつの間にか、寝ちゃってた?もうそろそろ起きないと、お母さんに怒られちゃう。


「ふぅ〜ぁ、よく寝た……ってちがーう!!」


どこだここー!のんきに寝てる場合じゃなかったよ。なんだよここは、森じゃないか!いきなり森の中とかハードモードが過ぎるわ!!


美人だからってなにしても許されるわけじゃあないんだからね!!も〜プンプンだよ、お久しぶりに激おこですよ。でも切れてるわけじゃないよ、私を切れさしたら大したもんだよ、うん。


まあ、それはともかく、例のアレいきましょうか。おっ?ちょうどいいところに切り株が。よっこいしょ。


「ステータス」


おっ? 本当に出てきた。スゴい、ゲームみたいだ。さて、私の能力は?


※――――――※


名前

・【フラン】


年齢

・【15】


性別

・【女】


種族

・【人間】


・【死霊術士】


魔力

・【10,000,000,000】


スキル

・【鞭】

・【格闘】

・【死霊術】

・【農耕】

・【身体強化】

・【魅了・小〔同性〕】

・【物理攻撃耐性・小】

・【魔法攻撃耐性・中】

・【状態異常無効】

・【不老長寿】


犯罪歴

・【なし】


※――――――※



う〜ん、いろいろ言いたいことがあるけどさ。死霊術士ってそんな禍々しいジョブ要らないんだけど。何で私がネクロマンサーなの? 絶対アレだよね、私の名前から連想しただけだよね。骨入ってるし、言いたくないけど「ふらん」だし。ちくせう、こちとら「や〜い腐乱死体!何か匂うぜ腐乱死体!」って小学生のときにイジメられたんだぞ!まあ全員その場で絞めてやったけど。良かったぁ、プロレス見てて。


そんなことはどうでもいい。いや私の目覚めの瞬間はどうでも良くないんだけど、まあいい。なんか釈然としないが、あの女め、次会ったらお仕置きしてやる、グヘへ……。


次は魔力。どう見ても多すぎるよね。


「えーと、いち、じゅう、ひゃく……は!?百億!?」


絶対多すぎるよ。この世界の平均を知らないから断言できないけどさ。まあ、これに関してはあるにこしたことはないからね。もて余すだろうけど。


あとはスキルか。いくつかは身に覚えがあるけど。【鞭】、【格闘】、【農耕】【魅了・小〔同性〕】の4つだね。【農耕】は家が農家でしょっちゅう手伝ってたし、【格闘】はプロレスとか好きだったし。くんずほぐれず闘い合うガチムチな男たち……じゅるり。【鞭】に関しては、まあ、いざ使うとなった時のためにひっそりと練習してたんだよ。なにを想定していたのかは秘密だけどね。1つ気になるのは【魅了・小〔同性〕】だ。やっぱりこのスキルって地球での私の暮らしが反映されてんのかね。私に何があったか語るまい。女子高だったとだけ伝えておこう。


あとのスキルに関しては、読んで字のごとくだろう。【状態異常無効】はかなり有難い。耐性系は真面目に考えてくれたようだね。安心した。


最後の【不老長寿】って……。不死じゃないぶん、まだマシかもしれないな。深く考えるのはよそう。ロマンを手に入れたと思っておこう。


うーん、どうせなら役に立ちそうなアイテムボックスとか鑑定とか欲しかったなぁ。まあ、今さら言ってもしょうがないか。前向きに考えましょう、ポジティブシンキング〜。


「さて、と。とりあえずこの森を出よう。……ん?、なんか聞こえる」


なんだろう。分からないけど、……なんだか分からないけど、私を呼んでるような気がする。


――…サン……キヲ!ワガ……ヨ!!


こっちかな?こっちだよね、確証はないけど私を呼んでる。ちょっと不気味だけど、不思議と恐さや拒否反応はでない。いま行くよ〜。


それにしても、この森は歩きにくいったらありゃしない。制服でくるところじゃないね。修学旅行で行った富士の樹海みたいに、ぼこぼこしてる。


ローファーじゃなくて、スニーカーじゃだったのがせめてもの救いだ。欲を言えば長靴か地下足袋だったら良かったんだけどね〜。苔むしてるからなのか、ちょっと湿ってきた。


――ク……シイ、アノニクキオスメ!


なにやら怒っておりますなぁ。もう近くまで来てる気がするけど、私大丈夫だよね?のこのこ行ってやられたりしないよね?


ちょっぴりチラついた不安を押し込める。こういうときは迷わず行けよってね。生い茂る草木を掻き分け〜、掻き分け〜。おっ!?もうすぐ開けた場所に出るよ!


「こ、これは……岩だ!!」


これは岩、でいいよね?。白くて大きくて不思議な形の岩だ。例え大小様々な円錐状のもの連なってても。大きな孔が2つ有っても。犀のツノのようなものが聳えてても、途中で折れてるけど岩だ。ほぉ〜、奥のほうはアーチ状になってるね。なかなか個性的な岩ですな。


――ホウ?ワガオンサノネンガ、カヨウナモノヲ、ヒキヨセヨウトハ。ワレモナカナカ……。


さて、モンスターに遭遇する前に森を抜けましょう。では、回れ右!!足元に気を付けて参りましょう!


――シバシマタレイ!!ソコナニンゲンノメスヨ、ワレノコエガキコエテイヨウ。

「何も聞こえないし、感じません。これは気のせいですよ!」


――ヌゥ、ナンジハモシヤワレヲバカニシテオルノカ?


「してません!!ちょっと現実逃避をばしておりました。申し訳ありません!」


無駄のない華麗なる土下座を決める私。我ながら素晴らしい、これであの声の主も許してくれるはず。


――ウム、ヨカロウ。デハサッソクワレヲヨミガエラセヨ。ナンジナラバデキルデアロウ?


「……ムリです」


死霊術でなんとかなりそうなんだけどやらないよ。だって、そんなことした瞬間に食べられそうなんだもん。


――キョゲンヲモウスナ、ワレニハワカル。ナンジナレバ、ワレヲヨミガエラセルコトガカノウナハズダ。ハヤクイタセ、サスレバイノチマデハトランデナ。イッテオクガモシコトワレバ、ワレニノコサレシマリョクヲモチイルコトニナルゾ。


「ち、ちなみにどのくらいの威力がでますか?」


――ココカラミドリヲナクシテヤロウ。


「はぁ、仕方ありませんね」


めちゃくちゃだな、て言うか死んでるんじゃないのかよ〜。ホントに魔法使えるのかな?まあ、使えた場合が怖いから、従いますけどぉ。何しろ竜だし、ここはファンタジーな世界だし。でも竜とはいえ、骨の癖に生意気だぞ。


――ワカレバヨイノダ。デハ、ワレヲヨミガエラセルコトヲユルソウ。


すごく上から目線なことを言われた私は、はあぁぁ〜と魂が飛び出るんじゃないかと思うくらいタメ息をついた。許すって言われても、やり方知らないし。どうしましょ。


ペコリペコリ、パァンパァン、ペコリ。


何をしたかと言うと、神社とかで行う二拝二拍一拝だ。何故? と問われたら、沈黙が怖かった、と答えるしかない。それっぽいことをしないとさ、あのホネトカゲが何するか分からないじゃん!


でも、それが正解だったのか何やら下っ腹らへんが温かくなってきた。


――クッ! ナンダコノマリョクノホンリュウハ……。


よし! 奴さんうちの魔力量にビビってやすぜぇ、まだまだこれからが本番でさぁ!



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