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【文書 0234】警察庁 公安部 内部文書(写し)

文書番号 :NPA-NS-0203-014

作成日  :再編3年2月18日

作成部署 :警察庁 公安部 第三課

配布範囲 :警察庁長官、安全保障会議 軍事委員会副委員長

      (内部配布、外部秘)


【件名】

民間自警組織「火の手」の活動状況について(第七報)


【1. 組織概要】

通称「火の手」。再編2年中期に首都圏で結成された民間自警組織。

明確な指導者は確認されていないが、複数の核心メンバー(推定)が

旧自衛隊・旧警察出身者であることが、構成員からの証言で判明している。


推定総勢:約450名(首都圏)、約200名(関西圏)、約100名(その他)

活動範囲:主に居住区周辺の混在地域、封鎖区画の外縁部


【2. 直近3ヶ月の活動】

本期間中、本組織による制圧事案は、確認されているだけで112件。

うち、対象が感染体であることが事後確認されたもの:78件。

感染体でなかった事案:34件(うち死亡22件、重傷12件)。


【3. 感染体でなかった事案の内訳】


| 区分 | 件数 |

|---|---|

| 単なる行方不明者を誤認 | 11 |

| 軽度の心神耗弱者(生存者の心理的後遺症)を誤認 | 9 |

| 非感染の徘徊者(高齢者・幼児)を誤認 | 8 |

| 報復的・私的動機による「誤認」を装った殺害(疑い) | 6 |


【4. 評価】


本組織は、表向きには感染防止の補助活動として機能している。

しかし、事案の34/112(30.4%)が対象を誤認している事実は、看過できない水準にある。


特に、第4区分の「誤認を装った殺害」については、被害者家族からの告発が複数寄せられている。被害者の多くが、事案前に本組織と何らかの私的軋轢を抱えていたことが判明している。


これらは法的には殺人事件であり、本来であれば公訴の対象となる。

ただし、現下の状況において、本組織の解体を企図することは、以下の点で困難である


(a) 本組織は感染体制圧を実質的に担っており、警察・カドミウムの

  補完戦力として機能している。

(b) 本組織を排除した場合、構成員が**独自に武装組織化する**

  可能性がある。

(c) 本組織に対する世論の支持は、依然として高い。


【5. 提言】


本職は以下を提言する:


(i) 当面、本組織の解体は見送る。

(ii) ただし、第4区分(私的動機による殺害)に該当する事案については、個別に公訴することを検討する。

(iii) 本組織の核心メンバーに対する継続的監視を行う。


担当:警察庁公安部 第三課 課長補佐 ─────(後の事実究明委員会証言者)


──


【決裁附記】


本文書の内容については、安全保障会議 軍事委員会副委員長と協議の上、

以下のとおり決定する:


(i) 当面の解体は見送る ── 承認

(ii) 個別の公訴 ── 見送り。理由:「現下の状況において、感染対策に従事する者への訴追は、世論を不必要に分断する」

(iii) 継続的監視 ── 承認


決裁:警察庁長官 ─────

日付:再編3年2月25日



【整理者注】 本文書は、本資料群中、「火の手」の暴力性について政府が認識して いたことを示す最も明確な内部記録である。提言(ii)の不採用により、再編3年2月時点で確認されていた22件の 殺人は、いずれも公訴に至らなかった。

「火の手」の活動は再編5年まで継続し、その間の被害者総数は、 事実究明委員会の集計で少なくとも418名。うち約170名は 非感染者であった可能性が高いとされる。

同組織は再編5年に大半が解体されたが、一部は地下化し、 再編8年現在も散発的活動が確認されている。



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