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幽霊学園  作者: 久遠 零
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 お菓子パーティー開催前日、至音(しおん)はめちゃくちゃ困っていた。至音は心のどこかでめんどい未練解決はせず残りの時間は身を潜めて1年を過ごそうとしていた。だからこそ未練解決に向けて何の対策も練って居なかった。また、ルームメイトの結奈(ゆな)に助けを求めようとしたが、肝心の結奈はもちろん部屋には誰も居なかった。


「もう、どうして今日に限って誰も居ないの!」


 仕方がなく外に出て校内をぶらつく。すると担任と朔久(さく)がいるのが見えた。担任がこちらに気付いたようで声をかけてくる。


上天(かみあま)至音じゃないか。どうしたんだ」

「いや、ちょっと悩み事があって適当に歩いてただけです」

「そうか。そういえば、上天は何人の未練を解決した?」

「え?1人ですけど」

「まあ、悪くはないか」

「未練の内容に検討がついている人は何人いる?」

「いませんよ」


 話を聞いていた担任と朔久は呆れたような顔をした。


「お前、俺の未練以外誰も解決してないのか?」

「うん」

「いや、余裕だな」


 朔久の言葉に頷いている担任の方を見る。


「余裕ってなんですか?未練を解決しないと内申にでも響くんですか?」

「えっ、そうか。何も知らないのか」


 至音が首を傾げたのを見て、一息ため息を付いて言う。


「内申どころか、死ぬぞ」

「え……死ぬの?」

「正確には、未練を解決できなかった生徒に引きずり込まれる。その期限が1年だ。だから支援者は必死に未練を解決しようとするんだ」


 至音の顔は一気に青ざめる。


「俺の未練も正直興味なさそうだったもんな」

「そんなの知らなかったよ。何で誰も教えてくれないの」

「初日に倒れて、説明忘れてたな」

「先生!?酷いですよ。クラスメイトは知ってるの?」

「俺達は大変なことが起こると言われただけだ」

「もし、死ぬって言ったら道連れにするやつがいるかも知れないから、詳しくは伝えないことになっている。五十嵐(いがらし)はもう未練が分かったみたいだしいいだろ。まだ、時間はあるし頑張れよ」

「困ったことがあれば言えよ。少しくらいなら手伝う」


 悩みを解決するどころか、増えた至音を置いて2人は帰って行った。至音もそれからすることは無く、部屋の大人しく帰ることにした。


「皆も自分からもっと未練について話してくれればいいのに」


 そんな文句を呟いていて部屋に入ったら、ルームメイトの綾華(あやか)がいた。


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