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無事に職員室で外出許可をもらい、当日になった。支音が目を覚ますと、すでに結奈は部屋にいなかった。大きく伸びをする支音に同じくルームメイトであり支援者の綾華が挨拶をする。
「おはよう。支音」
「綾華ちゃん。おはよう」
綾華は視線を泳がせて、曖昧に口を開く。
「……結奈、から聞いたけど、なんか喧嘩してるって? いや、喧嘩じゃなくて結奈が一方的に言ってるんだよね。ごめん」
綾華は頭を下げる。
「いやいや、綾華ちゃんは悪くないよ」
「いや、私もまさかあそこまでだとは思っていなかった。確かに支音は初めは無責任だったと思うけど、今は違うって知ってるから」
綾華は支音の手を取る。そして、しっかりと目を合わせて言った。
「ありがとう」
「結奈には私が言っておくから」
支音は取られた手を握り返して、首を横に振る。
「これは私がやらなきゃいけないと思うの。だから、大丈夫」
「そっか。じゃあ、私が知ってることだけでも教えておくね。前も少し話したけど、——————」
しっかりと話を聞き、頷く。忘れないように、綾華の言葉を頭に入れておいた。
支音が校門に向かうと、すでに結奈と雛の姿があった。結奈はふんわりとしたワンピースを着て、立っている。
「遅いよ。支音ちゃん」
「ごめんね」
結奈は昨日までのような攻撃的な口調ではなく、今までのような柔らかなものに戻っていた。
雛は外に向かって歩き出しながら言う。
「支音も来たし、行こう」
外に出ると、これまた見たことない景色が広がっていた。周りは田畑が広がっており、家は点々としていた。
「この前、外に出た時と違う。どういう仕組みになってるんだろう?」
支音の疑問に結奈が答える。
「外に出る時は、未練のある人物の行きたいところに合わせて、1番近い学校の門から外に出るようになってるの。学校の門がワープ装置のようになってるってことだよ。ちゃんと勉強しな」
支音は愛想笑いをする。雛はチラチラと周りを見ると、後ろを振り返る。
「学校はさっきまで居たのと同じだけど、ここは確かにうちの近所の学校だ」
「へー、飯野さんの母校?」
「まあ……一応」
雛は学校に背を向けて、顔だけを支音に向ける。
「うちの家に行くんでしょ。こっち」
そう言って、雛を先頭にして3人は歩き出す。
しばらく歩いて、雛は指を指し言う。
「あそこがうちの家」
指を指した周りには他に家がなく、どの家を示しているのかは、明らかだった。
「立派なお家だね」
結奈の言う通り、庭も広く、建物も大きい、しっかりとした家だった。
結奈の言葉に雛は素っ気なく返す。
「そう? 田舎だからね。土地だけはあるんだよ」
家の前に着き、足を止める。
「で、これからどうするの?」
「支音ちゃん。なんか考えはある?」
雛と結奈は支音の方を見る。
「とりあえず、家族に会う?」
雛は頷く。
「分かった。今日は休日だし、おそらく誰かはいる」
そう言って、雛は玄関のチャイムを鳴らす。
家の中から「はーい」と言う声が聞こえて、ドタドタと扉に向かっている音もする。扉が開くと出てきたのは、小学生くらいの女の子だった。
「え!? おねぇちゃん!!」




