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038 探索を終えて②

「シバケン、あんた達2人に任せっきりだったけど、洞窟の中はどんな感じ?ある程度は片付いたのかい?」

「いえ、まだまだですよ。汚物はなんとか片付けて、やっとこれから掃除がスタートってところですよ。」

「そうか、大変だったね。あんだけのクソを片付けただけども上出来だよ。これからは、今連れて来られている連中が掃除をするのさ。心置き無く、明日の朝帰るとするかね。」

「ホントですか?よかった。体の方はクロジで洗ってるから何とか綺麗にはなるんですけど、もう鼻が限界ですよ。シマノフスキなんて、水場の掃除ばかりで、こっちの餌場には寄っても来ませんから。ところで、掃除をして結構な数の魔石を確保したんですけど、どうしましょう?」

「そういえはそうだったな。前に言った通り、戦闘で倒した分と、掃除をして出てきた分には分けてるかい?よし。それじゃ、戦闘で倒した分は最初に取り決めした通り、3:3:3:1で分けてくれ。」


 シバケンは台の上に魔石を広げて、大きさに偏りが無いように分配した。


「ありがとよ。それじゃ、掃除の分だけど、それはシバケンとシマノフスキで分けてくれ。」

「そんな、私達2人だけで分けるなんて。」

「何もおかしな事はないさ。警戒中に退治した魔物の魔石は、それぞれ退治した人間が対価として貰ってるんだ。だから、掃除で手に入れた魔石なら、掃除をしていたシバケンとシマノフスキの正当な対価さ。」


 そう言うものなのだろうか。

 アルゲリッチの言葉に、ヌブーもマナカも一言もの異議を挟もうとしなかった。


「その魔石なんだけど、じっくり見せてくれないか?」

「どうした、ヌブー?」

「忌腐酒って言ってただろう?特異な魔石になるからね。よかったら売ってもらいたいんだ。」


 シバケンはシマノフスキに持たせていた掃除の時に手に入れた魔石を全て台の上に広げた。

 パチンコ玉ぐらいの大きさのゴブリンやラーキーなどの魔石に混じり、ひとまわり大きなホブゴブリンの魔石がある。

 汚物の中から拾ったものなので、綺麗に洗ってはいるものの、石の透明度が明らかに劣り、混濁という表現に近いようなものが多かった。


「濁った石が多くて、ヌブーさんの見たいような魔石かどうか分かりませんけど。」

「いや、それが見たかったんだ。」


 と言ってヌブーは濁った物とそうでない物を分け始めた。

 だいたい、6:4ぐらいの割合で、濁った石が若干少ないぐらいだった。


「驚いたな。一度にこんなに沢山見られるなんて。マナカは見た事は?」

「同じものかはわからないけど、魔術師ギルドの依頼で行った屋敷で、こんな濁った魔石が大事に飾られてるのを見たよ。何なんだい?」

「忌腐酒って言って、魔物を腐らせて酒を作るのさ。天然物だと上位魔物が腐って偶然出来上がるみたいだけど、今回のゴブリンメイジみたいに、意図的に酒造りをする奴もいるのさ。効果はこないだの通りさ。」


 全てが終わった後、歴戦の冒険者達がボブゴブリンとゴブリンシャーマンに苦戦する筈が無いと総括した時に、忌腐酒の話で皆が納得した。

 それほどの物らしい。

 その忌腐酒の原料となった魔物の魔石は、このように混濁するという。

 通常の使用には向かなくなるが、一部の魔術師には珍重されるらしい。

 ヌブーは知り合いの魔術師に渡したいらしい。

 通常の使用方法には向かなくなるなら、持っていても仕方が無いのだが、、、


「ヌブーさん、ちょっといいですか?」


 と、シバケンは怪訝そうに見るアルゲリッチとマナカから離れたところにヌブーを誘う。


「シマノフスキの事だね?」

「ええ。彼にとって強力な武器になったりするのでは?」

「申し訳ないけど、分からないね。彼みたいな存在は見た事がないんだ。すごく強力なアイテムになるかもしれないけど、逆に禍々しいからデメリットの方が多いかもしれない。何一つ、全く保証は出来ないよ。ただ、魔石屋でもこのような混濁魔石の処理は、出来るところと出来ないところがあるからね。」

「そうですか。あえてそんな魔石から魔力を抽出しなくても、普通の魔石からでもあんなに強いんですからね。」

「ああ、その通りさ。魔石が欲しくて言う訳じゃないけど、アタシはシマノフスキがあの魔石から魔力を抽出するのは、リスクが高過ぎて反対だな。」

「わかりました。普通の魔石で十分事が足りてるんですから、あえてそんな冒険を犯すのは止めましょうか。」


 シバケンはそう言うと、混濁した魔石をヌブーに渡す。


「魔術師にやると喜ばれるケースもあるから、シバケンも売らずに持っておいてもいいと思うよ」


 結局、シバケンは5個だけ手許に残し、残りはヌブーが引き取った。

 「こんなにいいのか?」と遠慮するヌブーだったが、使い道の無い物なので、シバケンは5個もあれば十分だった。

 対価についてはヌブーに任せる、と言ったところ、金粒を3顆手渡した。

 金粒1顆は100,000ガンだ。

 驚くシバケンに3人は無くすなよ、と笑っている。

2023.5.4 誤字訂正 ⇒ 誤字報告ありがとうございました

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