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不敵で不適な入学試験(金剛寺視点)

墨字学園の入試に黒沼の奴も来ていたことには驚きと喜びを覚えた、中学の知り合いは他にも数人いるが俺の知る限り悪魔やら怪物やらと闘りあえる強さをもっているのは彼奴ぐらいだろう。

他の受験生にも俺より強いかもしれない奴等が数名いるが、俺や黒沼のように実戦を経験した者はそう多くないだろう。

あれは中学2年の夏これから夏休みが始まるという頃、俺は紋様の術式と物心つくまえから習っている空手を組み合わせた新しい格闘術の開発に明け暮れていた。

そんななか世間では紋様を悪用しコンビニで窃盗を繰り返す犯罪者が複数発生しており、俺は子ども特有の幼稚な正義感でそいつらを捕まえようと企んでいた。

俺はその時既に訓練を受けた警察官並みには強かったし銃でも使われない限りそこいらのゴロツキに負けることはないと高を括っていたのだ。

だがその想定は甘かった、犯人は紋様使いなどではなく紋様使いに潜み欲望を満たすことで力を蓄える悪霊だった。

悪霊は力を蓄え半ば自身の肉体を形成しつつあり俺の紋様で倒すには周りを巻き込み兼ねなかった。

あのままではいずれ受肉し悪魔となって公安の紋様使いが到着するまで周りの人々を虐殺していただろう。

俺と同じことを考えていた馬鹿がもう一人いなければ。

あいつが周りの人間を避難させあの悪霊の動きを阻害し退路を絶ってくれたおかげで悪魔に変じる前に殺す事ができた。

状況判断と視野の広さ次手の組み立てと行動の速さ、それに紋様術が加われば一気に化けるだろう。

それ故に奴と相対する時ぐ楽しみだ、もしくは共に闘うのもいいかもしれない。どちらにせよあの時のようにお互いの実力を引き上げることは確実だろう、、

あの不適な笑みが奴のこの試験に対する意気込みが伺えしれる、つられて俺も笑う。

「ここらで格付けを済ませるのも悪くないな、黒沼泥水」

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