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ぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~  作者: なつみん
4:清帝国編
35/40

8:湯治 4

この度はぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~ 8:湯治 4を読んでいただきありがとうございました。


 一行の旅路は約二週間強といったところだっだろう、そして清の国で一番の湯町に来ていた。

 彼女たちは唯がこの世界にやってきてまだ2ヶ月ぐらいの間に色々なことが起こった。

 魔法に出会い、精霊と戦い、マフィアを潰し、魔物を倒し。

 果ては一介の冒険者ならば、一生を懸けても達成できないドラゴン討伐まで。


 彼女たちにも、ほんの少しばかり休息はあってもよいだろう?


「ココが湯町ですか?栄えてますね?」

 清は唯の世界でみると、ドラマの中には出てくる中華の都市にそっくりだった。

 どこからともなく笛のような楽器が鳴り、食べ物の匂いが立ち込め、人がガヤガヤとしている。

「给我四个爸爸(親父4つくれ)」

 アリアが出店?で肉まんみたいなものを買ってくる。

「ほれ」

「ありがとうございます。あちっ…!」

 やはり食べ物の、建物一つとっても、服装や話し言葉、近しい文化が伺えた。

「そうだな。だが、清は結構他の都市の方が栄えてるぞ?」

「そうなんですか?アリアさん」

「そもそもリューエン皇帝が湯が好きだったから、ココに居城があるが、外交の要な海部の都市や、グンタマや和と近い都市、他の学術都市…。他にも…」

「へぇーアリア詳しいんだな?」

「そりゃな。昔若かった頃には、ココで武者修行何てしてたしな」

 アリアの剣技以外の部分に、カンフーとかクンフー呼ばれる技の動きに近いものがあるのは、そういうことなのだろう。


「道理で発音上手でしたもんね?」

「基本は公用語でいいが、公用語が分からんやつも結構居たりする。その土地独自の言葉とかな?」

「グンタマの時も代表で喋ってた男と他数人ぐらいしかまともにしゃべれなかったしな」

「その点でいうと、ユイさんはどうして公用語なんでしょうか?」

「お嬢が公用語使えるのはよく分からん」

「そもそもこれ、普通に私のお国の言葉なんですよねー」


「あぁ~…。そーだそーだ。明日でいいんだが、会いたい奴が居るんだかいいか?」

「はい?」



 唯一行が清の湯町について、その日は宿を取って適当に郷土料理を食べて休んだ。

 出てくるものほとんどが真っ赤で、見た目どおりの辛さの物がこの土地の郷土料理らしい。

 辛いの食って汗流して、風呂は入ってその汗を流してさっぱりして、翌日の栄喜を養うのがポピュラーらしい。


 甘党な唯からしたら、昆虫食並みに食べ辛い風習だった。

 そうして翌日、アリアの尋ね人の所へ来ていた。


「よお。元気してたか…?」

「…アリアか?アリアじゃねーか!久しぶりだな!」

「相変わらずこんな湿気たところで加治屋してんのか…。懐かしいな。もうすぐ20年ぶりぐらいに成りそうだったか?」

「そうっさな。ま!上がれや!積もる話もあったり無かったりするだろうしな?茶くらい出すぞ?後ろの嬢ちゃん達も入ってきぃーや」

「…あっ、うっ、うぅー…。………」

「押すなよ!お前馬鹿力なんだから!背骨ほら変な音!いだだっだ!!足!地面!!いてぇーーー!!!」

「おじゃまします」


 ロビンの背に隠れロビンを盾にその男の工房兼母屋に入る。

 ロビンがつっかえて地面を抉ってしまっているが、唯の預かり知るところではない。


「こいつは(ロウ)。昔、タカヒロ達と冒険していた時の仲間でしがない鍛治士だ」

「おう!俺は(ロウ)炎惺(エンセイ)。ロウで構わない」


 ロウと名乗った50近い、いい歳のおっさんは陽気そのものだった。


「どうもセイラ=リーベルトです」

「あー…、いてて…。俺はロビンだ。そしてこっちの白いちっこいのがサトウユイだ」

「(ぺこっ)」


 ちょっとだけ顔を覗かせお辞儀だけはした。

 がんばった。

 ちよー、がんばった。


 今日のところはこの辺りで勘弁していただけないでしょうか?


「この嬢ちゃんがあいつらの娘か?すげぇーな!いやぁーすげぇーな!」

「そうだなタカヒロとウサギの間にガキができること事態奇跡だったろうし。それにこいつは…、強い」

「…そうか…。…はぁー…!嬢ちゃんも数奇な星の下に産まれてんなぁー!」

 ロウは大きく息を吐いた。

 そして哀れむような同情するような、もっと別の複雑な感情があるような。

 初対面のおっさんが、16の少女に向ける眼差しではなかった。


「(ゴニョゴニョ…)」

「あっ?何?…あーー…?確かにな?うん。うん。確かに」

「数奇な星の産まれってなんのことですか?って、お嬢が言ってるんだわ…です」

「敬語なんて要らねぇよ?そもそもあまり敬語なんて使う文化がねぇーしな?」

「助かる。それで、続きなんだが。奇跡とか強いに強調したり。なんなんだ?」


「え?アリア喋ってねーの?」

「あ?喋ってなかったっけ?」

「知らないですね?」

「知らねぇーな?」

「(ゴニョゴニョ…)」

「お嬢も知らんってよ?」


「あー!まーたお前…!大事な事だろう?お前のそういうところまじでよくないと思うぞ!これに関しちゃタカヒロ達も同罪だが、巻き込みたくない親心もわかる」

「だー!!うっせぇーな!ちと忘れてただけだろ?今から話しゃいいんだろ?話しゃ!」

 前も似たような事があったのを覚えている。


 どこから話すかな~…、とアリアが顎に手を当てぽつぽつと思い出すように話し始めた。

「そもそも因幡“くずれ”に子を成すのはほぼ不可能なんだよ」

「因幡“くずれ”ってそもそもなんなんですか?」

「ちょーどいいや。おーい。入ってこい!」

 ロウが台所の方に呼び掛けると、唯に比べると灰がかった色味の髪をした小柄な少女が入ってきた。

 すごくおかーさんに似ている。


「…どうも因幡春です。…因幡“くずれ”です…」


 少女と唯が目を合わすとキッ、っときつく睨まれてしまった。

 それに萎縮しついロビンの背に深く隠れてしまった。


「恥さらしにでもしたかったんですか?因幡くずれだと笑いたかったんですか?」

「そうじゃねーよ」

「そんなんが“本物”の“因幡”って言うですか?馬鹿にするのもいい加減にしてください。では」

 ピシャッと、戸を閉め台所の方に戻ってしまった。


 そんなきつく睨まなくたっていいじゃないですか?


「なに?嫁でも娶ったの?」

「ちげーよ。住み込みで働かせてくれって弟子にしろって押し掛けてこられて根負けしただけだ」


「そんで、すまねぇーな嬢ちゃん。どうもコンプレックスの塊みたいな性格してんのがよくねぇ…」



「嬢ちゃんそれであれが因幡くずれだ。なにを思った?」

「あっちは差を一瞬で理解しちまったんだろうなぁ…。可愛そうに」

「んで、今の因幡は初代因幡達を模造して造られたホムンクルスで、お前の母さん。つまり因幡ウサギは因幡くずれということだ?」

「因幡の一族の話しはまたおいおいな?」


「話を戻すと因幡くずれはそもそも寿命が極端に短い上に、子宮とか生殖器官が退化しちまってか未熟な個体が多い」

「あと体格に恵まれてないのも子を孕んでも流しやす理由の1つだよな?」

「だからまず、恵まれた身体を持った子を産めたことが奇跡というわけだわ」


「強さについてだよなぁ…。まぁー簡単だわなぁ」

「私とロウ達とに共通で強さの定義がある。それが魔王を倒す可能性。勇者に成れるものの事」


「私にも、ロウにも、タカヒロにも、ウサギにも、ロビンにもないものだ」

「アーサーとか、ライトニングにもない」

「それを持っているのがユイというわけなんだよ」

「残念やけどおいちゃんたちにはそういう運命力とか実力とかが足りなかったんだよ。すまんなぁー」


「タカヒロがもとの世界に帰る時に言ったらしいんだが。『俺と鵜鷺の子はたぶんこの世界に選ばれる』って」

「それに確かこうも言っとったかな?俺たちの子が産まれるから俺たちが生きているのかもしない。って」

「?(ゴニョゴニョ…)」

「あー、確かに。鶏が先か卵が先かにみたいな話になってきたな?」

「この場合は卵が先でその為に鶏が存在していると言える」


「タカヒロ曰く世界の因果?的な物があるらしく、その最果てがユイらしい?」

「ぶっちゃけ私たちもあいつが何を思って生きていたか全く分からん」

 唯からすればただただ変なおとーさんな孝弘だが、唯が知らない別人の話をされてるように感じてしまう。


「まぁー、俺はもしそれほど力がなければこの世界に来ることもなかっただろうし、本当に可愛そうだとも思うよ…」


「でも、この世界も必死なんだろうよ。修正力?とでも言えばいいだろう。それに抗う力を現魔王は溜めている」

「世界の悲願のために、ユイお前が必要だ…。そういう話だ」

 アリアとロウが世間話でもするかのように語った、唯の出生の真実。




あとがきですよ?あとがきぃーー!どうもこんにちはなつみんです。

超お久しぶりですね!一応エタってませんよ?ほんとうです!

またぼちぼちと更新できたらいいんですけど、気分とか気分とか、あと気分とかが乗らないと書けない。


くずぅ~…!


この話を書くためにぶれいぶすとーりー!の孝弘達の話を少し更新したまである。


リューエン皇帝ぶっころ編にはよう入りたいけどこの更新頻度だと何年後になるか分からんね?


次回湯治5でお会いいたしましょう?

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