5:ドラゴン編 邂逅 5
この度はぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~5:ドラゴン編 邂逅 5を読んでいただきありがとうございました。
とりあえず邂逅まではここで終わりかな?うーんちょっと微妙……。だけど続きが書きたいのでここで終わりで
とまぁなんか急な終わり方になってしまいましたが応援していただけると幸いです。
第5章 ドラゴン 邂逅 5
「すごく……、大きいです……」
「昔タカヒロと冒険していた時に、ここに居た魔王の幹部を倒しに来た時に内部に潜入したんだが、罠や魔物のオンパレードだったぞ。さらに内部は複雑な構造していて、建物内のどのあたりに自分たちが居るのか把握することすら困難なほどだった」
昨日の昼すぎくらいに、廃城までのルートで一番高い山を越えるときにチラッと廃城の頭頂部が見えたのだがそこからが遠かった。
そして現在、昼前くらいの時刻。唯たち一行は廃城の手前までついていた。
唯は率直な感想を述べる。いくら高い山の山頂からといっても、遠くから見えたという時点である程度の規模は想像できていた。だがそれでも、上を見上げれば壁のように錯覚し、横を見れば終点を見切れぬほどのものとは考えることすらできなかった。
規模から考えて、この廃城を完全に攻略しようと考えると1~2週間では足りないだろう。しかし幸いなことに、今回の目標はドラゴンの討伐で城の攻略ではない。
「裏手で見えた大きな穴からドラゴンが出入りしていたと思われます。だいたいの方角はさっき確認したので、このコンパスで目標の位置を見失うこともないと思います。ただ、内部構造が複雑となるとどこまで役に立つか分かりませんが……」
「ん?あの大穴……。ん~。すまない、やっぱ何でもない」
アリアは唸り思い出そうとしていた。あの大穴どこかで見たことがあるような……。
「……まぁ、無いよかマシだろう。それにアリアが冒険していた時に比べれば魔物の類も少なそうだ。気配が少ない」
ロビンは壁に手や耳を付け意識を研ぎ澄まし、気配を探っていた。
(気配か……)
唯アはロビンとは違った方法で気配を探ってみた。魔力の大きさや流れ方から、おおよその位置は把握できるかもしれないと思いたった。
「コンパスの必要はないかもしれません。だいたいの位置は分かりました。ただ、そうなんですねぇ……、はぇ~」
「どうしたんだ?そんな含みを持たせるような言い方して」
「ん~……なんというかドラゴンていうのは面白い性質を持っているんだなぁ、って思っただけです。さぁ、行きましょう」
唯は急かす様に歩を進めた。
唯がドラゴンの何が面白と感じたかというと、確かに音とか気配はドラゴンの外装が立てるものだが、内装は食べたものそのものって感じでまったく纏まりがないように感じた。
纏まり感は感じられないが、存在感は絶大だった。魔力の量がそのまま戦力になるようなこんな世界では、戦術や戦略、武術や魔術なんてものではどうにもならないものがある。
唯はドラゴンの魔力量を見てしまってから冷や汗が止まらない。歩みを止めてしまったら膝が笑って二度と立てないかもしれない。
「……私は、魔王を倒すのですから……。あれに比べれば……」
静かにつぶやき決意を固め、震える足でまっすぐ歩みを進める。
初めて魔力が見えた日から意識してやまないのだ。なんで魔王を倒すと決意したのか、この時は朧げだったがそれでも倒すと一度決めたからには成し遂げるしかない。そいう風にわたしの精神構造は作られているのだから。
「では、この扉開けて侵入しましょう」
一行は昨日から入りやすい扉を探し、見つけた頃にはちょうど昼時になってしまったので昼食を簡単に取ってから侵入を試みる。
重厚そうな扉を唯が押し開ける。唯が押してグググッと重い音をたてながらゆっくり開く。
ピュ!
暗がりから一瞬光るものが見えた。唯は意識を集中する、思考を加速させて時間を遅くする。そして最大の反応速度を得る。
「!ガッ!」
暗がりから一直線に矢が飛んできた。
それを後ろに倒れることで勢いを相殺しながら、器用に上下の歯で噛み止める。不意打ちだったが唯じゃなかったら死んでいただろう。
もしこの程度の簡単な罠じゃなかった唯でも死んでいたかもしれない。
目の前にあるこの廃城自体が恐ろしいものなのだ、魔物の数が少ないという言葉に気が緩んでいたと自覚した。しかし、今の一矢に否応なく気が引き締まるのを感じた。
「大丈夫かユイ……!」
「問題ありません。ロビンあなたこういう罠とかには詳しいですか?」
「あぁ、言われなくても分かっている。この廃城のシステム自体はまだ生きている。」
「警戒しすぎても足りないってことですね……。なかなかというか、やっぱりかなりの難題をアーサーさんは僕たちに投げてたんですね……」
「ここでぼやいていても仕方がないです。先を行きましょう」
唯は矢を吐き捨て、裾の誇りを払いながら立ち上がった。
一行は警戒を最大限に中へと侵入した。
入り組んだ内部構造をしているとアリアから聞いていたが、意外にも内部は光がよく取り込まれており、廃城なのに不思議と古めかしさや陰鬱さなどは感じない。むしろどちらかというと清浄な雰囲気すら感じさせる。
「いきなり、分かれ道か……。お嬢どっちにドラゴンがいる?」
「左です。壁が薄そうなところあったら壊しながら、なるべくまっすぐ進みましょう」
「それだと罠とか危険じゃないですか?」
「まぁ、それはロビンに任せるとしよう。そもそもあたし等じゃ避けきれるようなもんじゃない。二人に任せよう」
「任せてください。罠の解除とかはできませんけど、極力二人を守ります。」
肩ごなしに魔物を少し倒しながら進む。
「風拳・改」
正面の敵に対して有効な構えを取る。ここ数日の訓練の結果、唯の作った構えは進化していた。
今まで独立していた風流等の独立していた、強化系の技を盛りに盛り込んだ。その分体力を消費してしまうので、使えるかの確認だけにとどめた。
「うーん。完全に下位互換ですね。すべての良いとこどりのパーフェクトな技を目指したんですけど必要な場面で必要なものを出す方が強いですね」
「まぁ、理論上最強みたいなのはいつの時代も結構あるものだしな。軍にもそういう失敗兵器みたいなのあったぞ」
「ならドラゴンに備えてこれを使いましょう」
唯は鉄パイプをリュックから取り出した。
この廃城に入ってから出てきた魔物はというと、スライムの様な軟体とグールと呼ばれる腐った死体と骨みたいな奴らといった、比較的軟らかい魔物が多かった。
せっかく、魔力を使う訓練をしたのにこれでは活かせずじまいだと感じ、ならば練習もかねて魔力を使わない戦闘スタイルに切り替えた。
実際鉄パイプはかなり有効だった。グールはグズグズとした軟らかい体質をしており、突けば刺さり、叩けば崩れる。スケルトンも叩けば骨を折り倒せる。
ただスライムは相性が最悪だった。突けばプルンと貫通し、叩けばプルンと溶ける。しかしその後にはまた体が戻る。
体に纏われば、少しずつ服が溶けるのに肌には影響がない。女の子の大敵みたいな強敵だった。
「うぇ……。最悪ですぅ……!」
少し奥に入った陰で、ひとり肌を拭き着替えを用意し着替える。
肌に纏わりつくぬめぬめした感触、少しづつ服がふつふつ音を立てながら溶ける音。ぬらっと皮膚に照りがあって、唯の豊満なないすばでぃーも合いまり自覚的になるほどエッチな感じだった。
中学生の頃に初めてプールで男子から見られていることに気づき、自身の体が性の対象のように見られた時のようにたまらなく恥ずかしかった。
「スライムはセイラ君に任せます。もう二度と戦いたくないです……!」
「そ、そうですね!僕なら凍らせて一発です。それがいいです!はい!」
無理にフォロー入れようとしてくれているのが、さらに恥ずかしくてたまらなくなった。
(こんなのばかりでもう嫌になります!)
壁を幾度となく砕き、そのたびに天敵なスライムが居たり罠があったり。さんざんな目に合いながらも着々とドラゴンの方に近づいていた。
幾度となくそういうのを繰り返しながらひと際大きな部屋にたどり着く。
「かなり近いです」
「おう、息遣いが若干聞こえるな」
「ならロビン観察しましょう。行きますよ!」
「ちょ!うわ!」
唯はロビンの袖口を掴み投げる。この大きな部屋は所謂吹き抜け構造のようになっており二階の方にデッキの様なものがありそこに投げる。
何とか着地に成功するロビンに続き、唯も壁を蹴ってデッキの淵に手を掛け登る。
「お嬢あぶねぇじゃねぇか!」
「静かにしてください。ドラゴンに気が付かれますよ?」
「このガキャ……!」
若干キレるロビンを無視し唯はドラゴンの姿を把握した。
見た目としては首が長く背中から大きな翼の生えた大きな緑色のトカゲだった。それが体を丸くし現在眠っていた。
「あれを倒すのですね……。骨が折れそうです……」
「おい。ユイ、ロビン見えるか?今日はここで態勢を整えてから明日挑戦しよう」
「見えました。とぅ」
「え?ちょ!?」
ロビンを抱え一緒に飛び降りる。飛び降りると時に俺が昇らさせられた意味は?と言ってきたが無視をしておく。
「じゃぁ、いい時刻になってきましたし、今日はこの辺りで晩御飯にしましょう!」
「はーい!待ってました!ご飯にしましょう!」
「お、いいな!最近だとすっかりセイラの飯が楽しみになってんだよな!」
「そうだろそうだろう!セイラの飯はうまいんだよな!まぁあたしが仕込んだわけじゃねぇけど」
4人は晩御飯を食べ終え、明日に備えた。
この度はぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~5:ドラゴン編 邂逅 5を読んでいただきありがとうございました。
あとがきですよ。あとがき!どうもこんにちはなつみんです。
はいまた時間オーバーです。すんません!
次回は6:ドラゴン編 決戦でお会いしましょう!
そんな感じで応援していただけると幸いです。




