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初めての剥ぎ取り

 さて、マッピングで確認するか。

 洞窟に入ると地形情報が浮ぶ。実際に道が見えていなくても見れるんだから、マッピングは便利だな。


 お、丁度いい具合に奥に赤いアイコンが一箇所に集まって……あれ?

 二股に分かれた先に赤アイコンが集まった広場と、黄色いアイコンが三つ反応してる。

 黄色だから盗賊ではないだろうが、人質か? いやでもそんな話は出てなかったし。


 ……今は兎に角進もう。

 俺は足元に注意しながら洞窟内を進んでいく。そして二股に分かれた道に差し掛かった。

 暗くてぶっちゃけ道自体全然見えないが、右に行くと赤アイコン、左に行くと黄色のアイコンの魔族がいる。


「ここは右に行くべきだな」


 予定通り盗賊達の方へと向かうことにした。

 もし人質なら先に逃がした方がいいのかもしれないが、違ったら厄介だ。


 右の道を進むと、松明が一定の間隔で、岩壁の隙間に刺して設置されていた。

 更に奥に進むと、軽く湾曲した道の先で話し声が聴こえ始めた。


 さてどうするか、先手必勝でウィンド・トルネードを使うのもありな気がするが、あの魔法、相手の数が多いと消費が増えるからなぁ。一発くらいなら撃てると思うが、二発目は難しいだろうな。


 しかもその一発で倒せるとは限らない。

 俺は更に進んで物陰に潜む。明かりの強さ的に顔を出せばばれるだろう。


 囲まれるくらいなら、行くべきか……よし。


 俺は覚悟を決めて旅人のジョブを魔法使いに切り替えて、一気に身を乗り出す。


「ウィンド・トルネード!」


 視界に全員の姿を捉えた瞬間に、問答無用で魔法をぶっ放す。

 狭い通路に六本の竜巻がもはや風の壁となって六人に迫る。


「ぎゃああああああ!?」


 悲鳴と共に緑の竜巻に朱色が混ざる。


 ぐあ!? やっぱキツイ。

 俺は膝を付きそうになるのを我慢して、鉄の剣を抜いて構え、アイテム屋で買ったエーテルを回復するエーテル薬を飲む。作りは傷薬と同じ丸薬だ。色は青。傷薬よりもお値段が高いので無駄使いできないが、今はしょうがない。


 竜巻が止むと、赤アイコンが一気に三つに減っていた。

 他の三人はアイコンが消えているから多分今ので死んだのだろう。

 三人の内二人は傷だらけで座り込んでいる。

 唯一全身が切り傷程度で済んでいるバンダナを頭に巻いた盗賊が、腰の剣を抜いて俺を睨み付けた。


 あれがリーダーか。


「まさかこんなに早く見つかるとは思わなかったぞ」

「大人しく投降しろ。そうすれば命までは取らない」


 と言いつつ解析でステータスを確認する。

 レベルは21で特に目新しいスキルはないな。

 装備が上質の革で統一されているくらいか。


「へ、そう言われて大人しくなる奴が、盗賊なんてやってると思うのかよ?」

「だろうな。ならどうする? 俺を倒すか」


 剣を突きつけて盗賊を睨みつける。

 

「へっ。まだ三体一だぜ。おい! テメー等起きやがれ! じゃないと俺が殺すぞ!」


 盗賊が下っ端二人を蹴り飛ばして渇を入れる。いや脅すが正解か。

 下っ端二人はなんとか立ち上がって剣を構える。

 流石にもうウィンド・トルネードは厳しいな。 

 だがサモンは使わない。こいつらの手下が戻って来る可能性もあるからだ。


 俺はエーテル吸収を行う。


「な、なんだ!?」


 傷ついた下っ端の一人からエーテルを吸収する。

 自分から抜き出た白い塊が俺に吸い込まれて行くのを、怯えた表情見詰めていた。


 お、案外効果あるかもな。

 俺はもう一人にも同じように吸収を行う。

 

「ひ、ひいぃ!?」


 自分から抜け出た魔力を自分の中に押し戻そうとするが、手をすり抜けて俺に吸収される。


「な、なんなんださっきから! お前、本当に魔族か!?」


 盗賊のリーダーもこれには流石にびびったようで、顔を青くした。


「応える義理は無いな。むしろ知られても問題ないから使ったわけだが」


 これで少しの間なら魔力ももってくれるはず。

 俺はジョブを戦士に替えてバースト・ソウルを唱える。


「スラッシュ!」


 怯えている内に下っ端の一人の首をスラッシュで跳ね飛ばす。


「うわああ!?」


 下っ端の一人が絶えかねて俺の脇を抜けて逃げ出す。ま、無視していいだろう。

 俺は盗賊頭に向かって駆け寄って剣を振り下ろす。


「くそおお!」


 盗賊頭が苛立たしげな表情で俺の剣を受けて弾く。

 だが次の手はすでに打ってある。


 ファイア・ブレス!


 盗賊の顔面目掛けて炎を吐く。


「ぎゃあああ目がっ目があああ!?」


 剣を手放して両目を押さえる盗賊に迫り、スラッシュで喉元を一突きにする。


「があっ!?」


 更に勢いよく引き抜き、スラッシュで横薙ぎに剣を振るう。


「っ!?」


 盗賊の首が勢い良く跳ね飛ばされ地面に転がる。

 良かった。ヘクツ戦で命がけで戦っておいて。お陰で生き残るために迷い無く剣が振れる。


 俺はバーニング・ソウルを解いて、旅人ジョブで洞窟内を確認する。

 ピンクのアイコン二つがマップに浮び、こちらにゆっくり向かっていた。


 ジーナ達に何かあったのか?


「とりあえず、血だけ拭いておくか」


 俺は袖で顔についた返り血を拭いておく。


「ご主人様!」

「大丈夫かダーリン!」

「ああ、大丈夫。無傷だよ」


 ランプを持った二人が、心配した表情で現れたので、俺は安心させるように手を振って見せた。


「ところで一人そっちに逃げた奴がいただろう?」

「ああ、そいつなら倒したよ」


 よく見ればレイナのハルバートに僅かに血がついていた。

 おう、やっぱこの世界じゃ、命のやり取りなんて普通なのかな。

 死人に口なし。悪人に人権無し。世知辛い世の中である。


「これ全部ダーリンが倒したのか?」

「まあな。でもどうやら本当に下っ端だけだったみたいだな。ウィンド・トルネードで殆ど倒せた」

「ああさっきの凄い音は魔法だったんですね」

「もしかしてそれで来たのか?」

「ああ。悲鳴も聞こえたしな。ま、ダーリンに怪我が無くて良かったよ。じゃあソウルクリスタルを回収するか」


 レイナに言われて初めて、死体の上にクリスタルが浮んでいるのに気付いた。

 どれもこれも濁った色で灰色の光りを放っていたが、盗賊のリーダーのクリスタルは更に黒く光っていた。大きさは以前エンゲージで見たときと同じ大きさだった。


「ダーリン麻袋出して」

「ああ」


 レイナに言われて麻袋をポシェットから出してレイナに渡す。

 レイナはクリスタルを掴んで麻袋に入れていく。


「これでよし。クリスタルはポシェットに仕舞えないからな」

「そうなのか?」

「クリスタルを持っていかないと褒賞金は出ないからな。遺体の処理は騎士団に任せるとして、剥ぎ取るか」

「は、はぎ、え?」


 ちょっと待って欲しいですレイナさん。


「ん? どうしたダーリン」

「今剥ぎ取るとか言った?」

「ああ。盗賊の持ち物は倒した奴のもんだぞ? むしろ今取らないと騎士団に持って行かれる。あ、迷宮の場合は死体のアイテムや装備は最初に見つけた奴の物で、迷宮で死ぬと数分で死体や装備品は消滅しちまうから、見つけたらすぐに剥ぎ取った方がいいぞ」


 ……あ、ヤバイ。今ちょっと軽いショックで意識が飛んだ。

 なんというかホント、迷宮はまあ分からなくも無いが、悪人に人権の無い世界である。

 いや、悪人に人権のあった俺の世界が温かったのか?


「ぼ、防具系の装備もですか、レイナ先生」


 正直触りたくも無いのですが、特にあそこの首の無い死体とか。


「いや、流石のあたいもそこまでして剥ぎ取ったりしないよ。落ちてる無事な武器とかアクセとか、ポシェットだけでいいと思うぞ」

「あ、そうですよね」

「なんで敬語なんですかご主人様?」


 変なご主人様と二人が笑って遺体に向かう。

 うん。割り切ろう。もうなんかそういう部分は色々割り切ろう。 

 なんせあのジーナですら平然と剥ぎ取っているんだから!


 俺は心の中で何度も、この世界はこういう世界。と呟きながら、遺体からポシェットを外したり、血の海から無事な剣を取る。 

 解析でアクセを確認して、リーダーの腕からアクセサリーを外す際に、切断面を見ないように視線を逸らし続けた。


 もういや、泣きそう。


「よし次は荷物の確認に行こうぜダーリン」

「……うん」


 情けないが、俺は小さく頷く事しか出来なかった。

 しかし許して欲しい。なんせ人生初の死体漁りなのだから。

 なら漁るなよ。と言うかも知れないが、装備を買うのだって直すのだって、ましてや宿に泊まるのだってお金がいるのだ。生きるための行動なのだ。

 俺は平然と先を行く二人の頼もしい背中を見詰めながら、色々頑張ろうと、密かに心に誓った。

 

 途中からなんとか立ち直った俺はマッピングを開いて二人を先導して左の道へと進んだ。


「そうだ二人とも、実はこの先に三人ほど魔族がいるんだ。一応気をつけてくれ」


 二人に忠告しつつ、先頭で広場に侵入する。

 広場には荷物が幾つか積まれていた。他には誰もいなかった。


「誰もいませんね」

「荷物の中だ」

「え?」


 反応はある。が、姿が無い以上他にありえない。

 これで仲間の可能性はかなり低くなったな。


「二人とも、手分けして荷物を開けるぞ」


 三人でそれぞれ木箱の蓋を開けていく。


「……おおう」

「にゅ~~」


 最初に空けた木箱には銅が詰まっていた。

 そして二つ目の大きめな木箱を空けたら、女の子が体育座りの状態で熟睡していた。


 よ、良く寝れるなぁ。

 女の子を注意深く観察する。

 髪は深緑色をしたウェーブの掛かったクセっ毛のセミロング。

 服装は長袖のシャツ一枚に布のズボンのみ。

 

 あと特徴としては耳が尖っている事と小麦色の健康的な肌と、胸がでかくて美人さんということか、素晴らしいね!


 ついついまじまじと見詰めてしまったが、ジーナ達もいる事を思い出して、一度頭を大きく横に振って邪な考えを追い払う。


 特徴的には妖精族だよな。まあそれはそれとして……暢気な子だ。全然目を覚ます気配が無い。


「ありがとう! 助かりました」

「ありがとうな!」


 二人もそれぞれ別の誰かを助けたようだ。

 視線を向けると、妖精族の男女だった。

 男性がドワーフ、女性がエルフの種族だ。


「あの、あなた達はどうしてここに?」

「私はヴァルドの町で鍛冶屋を営んでいたのですが、二日ほど前に装備を作るために盗賊達に誘拐されて」

「俺はガーゼルから仕入れに来たところを狙われて捕まったんだ」

「それじゃあこの子も?」

「その子は先程運ばれた荷物に元々入っていた子だそうです。盗賊達も困惑していました。で、どうするか話し合うと言って出て行きました」

「妖精族は種族スキルでクリエイトを持っているから大方脅して装備品を作らせようとしたのかもな」


 クリエイトとは鍛冶をするのに必要な必須スキルだ。

 クリエイトがあれば素材から装備を作れるし、装備品の修繕もできる。

 だが装備品を素材に戻す分解と、装備品の形状を著しく変化させるオリジナリティーなどは鍛冶師のジョブで専用のアビリティを手に入れる必要があると、以前ガドから聞かされた。


「とりあえずあなた達の縄を外しましょう。二人とも頼む。俺はこの子を起こしてみる」


 俺は剣をジーナに預けてこれだけ近くで喋っているのに起きない女の子を覗き込む。

 まあ俺より年上っぽいから女の子じゃなくて女性が正しい表現かな。


「おーい! 大丈夫か!」


 声のボリュームを上げてできるだけ耳元で叫ぶも、女性は気にした様子も無く寝息をたて続ける。


 これでも起きないのかよ。


「失礼」


 女の子の頭を優しく叩く。


「むにゅ~」


 て、手強い。そして可愛い。


 頭を撫でてみる。


「えへへ~」


 嬉しそうに微笑む。やばいね超可愛いね。

 おっと、見とれている場合ではない。急がないと盗賊の仲間が来る。


「おーい。起きてくれー」


 ちょっと箱の淵から乗り出して肩を揺すってみる。


「む~!」

「うおわ!?」


 抱きこまれて箱の中に引きずり込まれる。


「ちょ、ご主人様!?」

「ダーリン!?」


 外から二人の声が聞こえたがそれどころではない。


 む、ムチムチ天国だとおおおお!?

 逆立ち、というよりも某映画のドザエモンのような形で木箱の押し込まれた俺は、頭を胸元に抱き込まれる。しかも変な体勢のせいで上手く体を動かせない。


 ゆえにこのムチムチ感を堪能してしまうのは仕方のない事なのだ!

 

「「ふん!!」」

「ぬあああ!?」


 急に木箱を倒されて悲鳴を上げながら木箱から放り出される。

 

 てっ、放さないだと!?


 彼女はそんな状況でも俺を放そうとしない。

 それどころか、体の動ける範囲が増えた途端、俺の体を腕だけでなく足でも挟んでくる。

 か、完全な抱き枕状態じゃないか!? 


「つか二人ともいくらなんでも酷くない!」


 なんとか首だけ動かして二人に顔を向けつつ抗議する。


「いや、なんかムカついて」

「ええ。なんかそんな空気だったので」

「おおう……」


 二人はジト目で俺を見下ろしていた。物凄く怖いです。


「た、助けて下さいお願いします」

「……ま、ぐずぐずしてもいられないしな」

「……そうですね」

 

 二人が呆れたような溜息を吐きつつ俺を羽交い絞めにする女の子から俺を放そうとする。


「あれ?」

「あら?」

「おい二人とも早くしてくれ」


 一向に離れそうに無い状況を見て、二人がわざとやっているんじゃないかと、抗議の声を上げる。


「いや、あれ?」

「レイナ、二人で……ええ?」


 なんか慌てている様だが、首しか動かせない俺には、それを知るすべが無い。

 一応マッピングで状況だけは確認しておくか。


「げっ!? 二人ともすぐ外せ! 帰ってきた帰ってきた!」


 マップを開いくと赤アイコンが浮んでいるのを見つけ、流石に焦って声を上げる。


「ちょ、レイナ早く早く!」

「やってるって! でも外れないんだよ。どんだけ馬鹿力なんだこいつ!」

 

 え、外れないって腕のこと!?

 やばい、帰ってきてるのは一人とはいえ、どんな相手か分からない。

 

 仕方ないショック・アタックを使用して、彼女の体に触れる。

 これで……あれ外れないだと、寝てる相手には効かないのか!?


 焦りで額から嫌な汗が吹き出る。

 ブレス、はダメだよな。スマシュも論外、吸収も、もしものことがあったら危ないし、あれ、もしかして詰んでる!?


「レイナ、ジーナ! こっちはいいから迎撃だ。相手は一人だから力を合わせて戦うんだ。逃げたらそのまま逃がしていい」

「「りょ、了解!」」

「そちらの御二人方! 戦闘経験は?」

「少しなら」

「私も」

「ではお二人は魔法でいいので、二人の援護をお願いします」


 それぞれに指示を出して送り出す。


 さて、俺は俺の戦いをしないと。

 何か良い手はないかと考えを巡らせる。

 兎に角身を捩るしかないか、力いっぱい体をばたつかせる。


「む~~!」

「ふもっ!?」


 更に強く抱すくめられて、顔に魅惑の感触が広がっていく。

 ああ、しかもなんかミルクみたいな甘い香りもする……って、いかーーん!! 

 もう本当にヤバイ。このままでは帰ってきた二人にどんな目で見られるか。


「やるしかないか」


 俺はバースト・ソウルを唱えて力を込めていく。


「むむ~」

「ぬがああああああ!」


 ようやく腕を引き離すのに成功する。

 そしてすぐにスキルを解く。


「がは、死ぬ。死んでしまう」


 連続でエーテル高消費技を連発したせいで、かなり気持ち悪い。

 できることならこのまま眠ってしまいたいくらいだ。

 

 勿体無いが飲んでおくか。

 俺はポシェットから二つ目のエーテル丸薬を取り出して飲み込む。

 少しだけ体が楽になった気がした。


「あう~あたしの枕は~?」


 彼女はふわ~と大きな欠伸を上げながら、キョロキョロと何かを探し始めた。

 細目を必死に瞬きさせている姿が普通に可愛かった。


「お、おはよう」

「ん~あなた誰~?」

「えっと、むしろ君はなんでここに?」

「あたし~? あたしはエルって言うの。よろしくね~」


 エルと名乗った彼女は、にっこりと優しく微笑んだ。

 あ~なんだろう。この子の笑顔を見ているととても和やかな気分になる。


「ああ、よろしく。俺はソラっていうんだ」


 そしてこちらの質問には応えて貰っていないことに気付いてはいたが、雰囲気に飲まれてしまって、ついこちらも自己紹介してしまった。


「ソラ君か~。あ、そうだ。さっき凄い気持ちの良い~枕があったんだけど、知らない?」

「それは多分俺だ」

「そうなの?」

「ああ、さっきまで君に捕まって放して貰えなかった」

「あ~またやっちゃったか~。あたし気に入ったものは寝ている間、放さないクセがあって~」


 照れ笑いを浮かべながらエルさんが起き上がる。

 あれ、もしかして俺よりでかい?


 俺も立ち上がってみると、彼女の方が頭一つ分以上大きくて、彼女の豊満な胸が俺の目の前で揺れる形となった。これはやばい、新感覚!?

 結構身長がある俺は、今まで女性を見上げたことが無かったので、ちょっと新鮮だった。


「とりあえず大丈夫なら今仲間が戦っているから、俺も行かなきゃいけないんだ。悪いが少しここで待っていてくれるか?」

「え~なら一緒に行く~」


 そう言って彼女は俺を背後から抱すくめた。

 俺の頭が福与かなクッションに押し込まれる。

 おおう。柔らか気持ち良い~。


「本当だ~抱き心地最高~」


 彼女の声にはっとして、慌てて離れる。


「あ~ん」

「ほら、行くなら急ぐよ。俺の手に捕まって」


 ミルさんの手を取って走る。

 初めは彼女の事を考慮してゆっくり走るつもりだったが、彼女は平然と俺の横に並んで並走した。

 い、以外に運動神経良いんだな。


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