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祭りの続き

「それじゃあ、少し見ていきますか!」


サザンに案内され、俺たちは屋台が並ぶ通りを歩き始めた。


通りには食べ物だけでなく、アクセサリーや雑貨、魔道具を扱う店まで並んでいる。


「おお、あっちにも魔道具があるぞ!」


俺は目を輝かせながら、近くの屋台へ向かった。


「おいおい、そんなに急ぐなよ。祭りは逃げねぇぞ」


ライムが呆れたように言う。


「分かってるって! でも、普段は見られないものもあるかもしれないだろ?」


「お前は本当に魔道具のことになると落ち着きがなくなるな」


「それが職人ってものだよ!」


「ただの魔道具好きだろ」


そんな会話をしながら、俺たちは屋台の前にたどり着いた。


そこには、小さな金属製の鳥が並んでいた。


「これ、何に使うんだ?」


俺が尋ねると、店主が一つを手に取った。


「これは魔力を込めると羽ばたく玩具だよ!」


店主が魔力を込めると、鳥の羽が小刻みに動き始めた。


「おお! 面白い!」


「子供たちに人気なんだ。ほら、こっちの大きいのは少し高く飛ぶぞ」


店主が別の鳥に魔力を込めると、今度は羽ばたきながら少しだけ宙に浮いた。


「おお、すごいな!」


俺が感心していると、隣にいたサザンが鳥を覗き込んだ。


「ちょっと待ってくれ……これ、最新型か!?」


「おっ、分かるかい? これは最近出回り始めた新型の魔力伝導機構を使ってるんだ!」


「やっぱりそうか! この大きさで浮遊までできるなんて、かなり性能がいいな!」


「そうだろう? 従来のものより魔力の伝達ロスを抑えてあるんだ。まだ値段は張るが、なかなかの人気商品だよ!」


「へぇ……そんな技術があるのか」


俺は二人の会話を聞きながら、鳥を眺めた。


魔石から伝わった魔力が、羽の動きに変換されているのだろうか。


「ちなみに、これはどこの工房で作られたんだ?」


「王都にある魔道具工房さ。最近はあそこで作られた新型が注目されていてね」


「王都か……なるほど。これは仕入れ先の候補に入れておきたいな」


「ははは! 商人さんかい?」


「まあな。俺も魔道具を扱ってるんだ。こういう新商品は見逃せないからな!」


どうやらサザンも、商人としてかなり興味を持ったらしい。


「サザンって、魔道具のことに詳しいんだな」


「そりゃそうだろ! 売る商品について知らないんじゃ話にならないからな!」


サザンは少し得意げに笑った。


「なるほど。そういうところはさすが商人って感じだな」


「まあな! それに、珍しい魔道具を見つけるのも仕事の楽しみの一つなんだ」


サザンはそう言いながら、もう一度鳥を眺めた。


「店主、この魔道具はここで買えるのか?」


「ああ、もちろんだ。気に入ったなら一つどうだい?」


「うーん……今回はやめておくよ。仕入れるなら、もう少し詳しく調べてからにしたいからな」


「ははは、慎重だねぇ」


サザンは店主と軽く言葉を交わすと、俺たちの方へ戻ってきた。


「いやあ、いいものが見られた!」


「サザンは本当に魔道具が好きなんだな」


「好きじゃなきゃ、こんな商売やってられないさ!」


「確かに、それはそうかもな」


「おい、そろそろ次に行くぞ。いつまでそこにいるつもりだ?」


ライムが少し退屈そうに声をかけてきた。


「ああ、ごめんごめん。それじゃあ次に行こうか」


俺たちは再び屋台が並ぶ通りを歩き始めた。


その後も、甘い果物を串に刺したものや、見たことのない焼き菓子など、いくつもの屋台を見て回った。


どれも珍しく、見ているだけでも飽きない。


「エンジ、あれ食ってみようぜ」


ライムが指差した先には、大きな鍋で煮込まれた料理があった。


「また食べるのか?」


「いいだろ。祭りなんだからよ」


「さっき串焼きを食べたばかりじゃないか」


「別腹だ」


「まったく、どれだけ食べるつもりなんだよ……」


「でもお前も食えるだろ?」


「食えるけど…サザンはどうする?」


「せっかくだし俺も買おっかな」


そうして俺たちは、その料理を買うことにした。


鍋の中には、肉や野菜がたっぷり入っている。熱々の料理を受け取り、近くの休憩場所で食べることにした。


「うん、美味しい!」


「だろ?俺の目に狂いはないからな!」


そんな会話をしていると、


「あつっ!」


「サザン!?大丈夫か?」


「だ、大丈夫だ。俺猫舌なんだか熱い食べ物は好きなんだよな」


「温かい食べ物って心に染みるよな!」


「それな!」


そんな会話をしていると、通りの奥から大きな歓声が聞こえてきた。


「何だろう?」


「さあな。行ってみるか?」


俺たちは声のする方へ向かった。


そこでは、何人かの人たちが輪になって集まっていた。中央には木製の台が置かれ、その上には小さな車が並んでいる。


「今から魔道具を使った催しを始めるぞ!」


司会らしき男性が声を上げる。


どうやら、魔道具を使った競技が行われるらしい。


「面白そうだな」


サザンが興味深そうに台を見つめた。


「参加してみるか?」


「えっ、俺たちも?」


「もちろん! 見ているだけでも楽しいけど、参加するともっと盛り上がるぞ!」


少し迷ったが、せっかくの祭りだ。


「じゃあ、やってみようかな」


競技の内容は、魔力を込めると動く小さな車を、決められた場所まで走らせるというものだった。


ただし、魔力を一度に込めすぎると車が暴走してしまうらしい。


「なるほど。魔力の調整が大事なんだな」


「エンジ、やってみるか?」


サザンが尋ねてきた。


「いや、俺は魔力を使えないからな。代わりにやってみてくれないか?」


「そうなのか? てっきり魔力を使えるものだと思ってたわ」


「あれ?言ってなかったか?俺はドワーフだ」


「そうだったのか‼︎なら俺に任せろ!」


そうしてサザンが車に魔力を込める。


ゆっくりと車が動き始めた。


「おお、いい感じだ!」


しかし、途中で車の動きが不安定になり、コースから外れてしまった。


「ああっ! 惜しい!」


「魔力を込める量が少し多かったんじゃないか?」


「なるほど……。もう少し抑えればよかったのか」


「次はうまくいくといいな!」


その後も何度か挑戦したが、結局サザンはゴールまで車を走らせることができなかった。


「いやあ、難しいな!」


「ははは! サザン、意外と不器用なんだな」


「いやいや、普段はこんなことないんだって!」


そんなやり取りに、周囲からも笑い声が上がった。


そんな中、隣で競技を眺めていたライムが口を開いた。


「おい、貸してみろ」


「ん? どうしたんだ?」


「見てらんねぇよ。俺がやってやる」


ライムはそう言うと、車に魔力を込め始めた。


車はゆっくりと動き出し、カーブに差しかかる。


サザンのときとは違い、車は一度もふらつくことなく進んでいった。


そして、そのままゴールにたどり着いた。


「なんだこれクソ簡単じゃねぇか」


「お、おめでとうございます!景品として、商品券1万カリです!」


周りの観客たちもみんな拍手をしてくれた。


「ナイスだライム!」


「これでうまいもんでも買おうぜ!」


「お前ほんとに食うの好きよな」


気づけば、日も少しずつ傾き始めていた。


「いやあ、楽しかったな!」


「そうだね。こんなに楽しめるとは思わなかったよ」


サザンも満足そうに笑っている。


「そろそろ戻ろうか」


俺がそう言うと、ライムがこちらを見た。


「おい、帰る前に何か買ってけよ」


「まだ食べるの?」


「祭りなんだからいいだろ」


「はいはい」


俺たちは最後に甘い菓子を買い、祭りの通りを後にした。


普段の町とは違う賑やかな雰囲気。


見たことのない食べ物や魔道具、そして新しい出会い。


異世界での生活も、こういう楽しみがあるから面白い。


「また来年も来たいな」


「だな! 来年はもっと色々な屋台を見て回ろうぜ!」


「その前に、明日時間あればヒヤヒヤ箱見てくれないか?」


サザンが尋ねてきた。


「もちろん! 明日は特に予定もないし、なんなら俺もあれの仕組みが気になってたんだ」


「助かるよ! 俺もまだまだ改良したいところがあるんだ」


こうして、祭りの一日は終わった。


そして翌日、俺はサザンのヒヤヒヤ箱を改良するため、再び魔道具の仕組みを調べることになるのだった。


本当に申し訳ございません!

金曜日から風邪を引いてしまい、昨日までに間に合いませんでした!

次回こそは土曜日に投稿します!

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