3-1:おおきいばくとおおきいかたつむり
ある夜のことです。
おなかをすかせて ふらふらと 歩いていた ばくは、なにか かたいものに ぶつかって しまいました。
なんと、道のまんなかに あったのは ばくと おなじくらい 大きな 巻き貝 です。
ばくは 目をぱちくり しました。
こんな貝殻 みたことがありません。大きすぎて どけないと 道をとおることが できません。
しょうがないので ばくは じゃまな 巻き貝を うごかすことにしまた。
貝殻は ずっしりとおもく、ばくが いっしょうけんめい おしても ちっとも うごきません。
しばらくすると、ばくは つかれてしまって、ふうふう いいながら すこし おやすみ することにしました。
ばくは、ひんやりした貝殻にもたれると、この中には いったい なにが 入っているのだろう と考えました。
もし 中に なにか いるなら、うごかそうとしている間に 起きてきそうな気がします。
でもそのようすはありません。
きっと なにか くらくて おもいもの、たとえば、かなしみや ふあんや まだ見ていない あくむ みたいなものが つまっているのではないだろうか と、ばくは 殻を のぞいてみましたが、ふしぎなことに 中は からっぽのように 見えました。