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1-1:おおきいばくとちいさいかたつむり
ある夜 の ことです。
ばく と かたつむりは けんかを しました。
かたつむりが とつぜん 殻に とじこもり、
ばくが はなしかけても、ちっとも こたえなくなってしまったのです。
「ねえ かたつむり、どうしたの?」
かたつむりが きゅうに だまりこんだので、ばくは せなかから かたつむりを おろしました。
「かたつむり、こっちみてよ」
ばくは、ちいさな まるい 殻に むかって にらめっこ を してみました。
でも、ばくが、おもいついた へんなかおを ぜんぶ してみても、かたつむりは ちっとも でてきません。
だれも みない にらめっこ の つまらないことといったら!
「かたつむりったら、ふんじゃうよ!」
ばくは、ぷんすかして かたつむりを にらみましたが、それでも かたつむりは ぴくりとも うごきませんでした。