黄泉 (side : リタ)
やってしまった……。
再び子供の姿に戻ったのだが、激しい羞恥の念に駆られている。
「ん〜、リタお姉様ぁ!好き、好きぃ〜」
フニャフニャの雌となってしまった全裸のヘッポコ魔神、黄泉が足元に横たわっている。
もう一人の儂による欲望の捌け口となった、哀れな犠牲者。
ネンネだった黄泉も、今や完全に性の虜になってしまっていた。
本来の姿を封印していた真の理由はこれなのだ。
かつて伝説の勇者すら屈服させた、儂の途轍もない性欲。
もし子供の姿になってリミッターを掛けていなければ、間違いなくセーラとデューレに欲望をぶつけていたであろう。
たまたま儂を襲撃した腹癒せとばかりに、ヘッポコ魔神を淫乱な雌奴隷にしてしまった訳だが……。
「ロリロリのお姉様も素敵ですぅ」
儂の足先を舐めながら、淫らに尻を振っている黄泉。
先程までの凛々しさからは、全く想像も出来ない姿である。
もしセーラやデューレがこうなってしまったら……と想像すると、我ながらゾッとする。
さて、此奴をどうしたものか?
このまま有無を言わさずに抹殺するか?
しかし先程の戦いぶりを見るに、性根が腐っていない純真な魔神も珍しい。
このまま儂の元で働いて貰うのも、悪くないかもしれない。
「黄泉よ……。 お主にはこれから、2つの選択肢を与えてやる。一つ目は、魔王軍の元に戻って役立たずと罵られる事」
黄泉の顔が蒼白になり引き攣る。
このまま帰還すれば、彼女に待っているのは処刑なのだろう。
「2つ目は、忠実な僕となって儂のために生涯働いて貰う事」
「ぼ、僕は……お姉様の奴隷になりたいです!」
一切迷う事もなく、黄泉はそう答えた。
一度知ってしまった快楽が、魔神の少女の運命を変えた瞬間であった。
「魔王軍を裏切って、儂らに寝返る裏切り者となるのじゃぞ? 偽りは無いのじゃな……?」
儂の問い掛けにも、黄泉は力強く首を縦に振る。
「お姉様が居れば、他に何も要らないです!」
「ならば、お主の知る限りの情報を話して貰うが……良いな?」
そう、これが黄泉を手篭めにした最大の目的である。
魔王軍の動向が掴めれば、その分だけ有利になる。
筈であった……。
「な、何じゃと……?」
儂は完全に狼狽していた。
黄泉が語ってくれた魔王軍の情報。
それは儂の想像を遥かに超えた作戦であったのだ。
先ず、グロニア王国を襲撃。
三巨頭の一人、消滅の魔神が単身で騎士団を殲滅。
続いて怪物の大軍で都市を蹂躙。
それと同時に、ホームタウンである学問都市を不死の王率いる大軍が襲撃。
行軍中に通過した町や村の住民を不死の怪物と化して戦力に加え、その軍勢は10万近くに及んでいる。
不死の王は魔王軍とは繋がっていない第三勢力な筈なのだが、上手く丸め込んだのだろうか。
互いに信用しないまま、四聖人を葬るために協力していたとは予想外であった。
その隙を突いて、魔王の因子を持つ者を我々から奪還。
やはり、レイワイゼン王子は……!
グロニア王国に赴いたセーラは消滅の魔神と怪物の大軍。
学問都市に残ったデューレは不死の王率いる大軍。
それぞれが単身で対峙する事となる……。
いや、今の時点で既にそうなっている!
何という事だ……。
セーラの力を持ってしても、消滅の魔神には勝てないだろう。
そしてデューレは、街を守るために風神を呼ぶ……そして自ら犠牲となるのを躊躇しないだろう。
戦乙女のセーラ、弓術士のデューレを確実に仕留める、敵ながら見事な作戦。
「直ぐに戻る!黄泉、お主もついて来い!」
「はい、お姉様!」
斬撃の魔神、黄泉。
新たな仲間を引き入れて、儂は転移魔法を唱えるのだった。
黄泉はプロット段階では存在していなかったキャラだったりします。
今後どうなるのか、作者にも判りません……。




