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水の戦乙女(アクア・ヴァルキリー)   作者: らいとふっと
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騒然

ディノー皇国。

大陸西端から船で10日程離れた島国。


グロニア王国とは過去に幾度も戦争や領土争いがあった為、あまり仲が良いとは言えない国らしい。

しかし民間レベルでは別であり、貿易は盛んに行われており人の往来も非常に多いとの事だ。


えっと、日本とお隣りの国々の関係…みたいな感じかな?



その玄関口とも言えるのが学問都市ガミスタ。


諸国から学者や研究者、魔術士までもが集結している。

彼らが様々な専門分野の研究を行う施設が密集した都市である事から、いつしか学問都市と呼ばれているそうだ。



都市の中心部には高い塔が立っている。

東京スカイツリーと同じくらいの高さがあると思う。



私とデューレは上陸すると、先ずは宿に直行。

ゆっくりとお風呂に入って身を清めた。

こんなに気持ち良い入浴は初めてだったかもしれない。


命の洗濯が終わり部屋に戻ると、私達は女の子らしく髪を整えていた。

直ぐに終わるしショートカットは楽だ。



「セーラっち、今日はこれからどうする?」


「どうするって…大賢者(マスターセージ)に会いに行くんでしょ?」


「私はこのままゆっくりしたいな。行きたい所があるなら好きにして良いよ?」


まるで心を覗いたかの様に、デューレが私にそう言ってくれる。

すっかり相棒になった感じだなぁ…


よし、お言葉に甘えよう!


デューレに礼を告げた私は、身仕度を整えると宿を出るのだった。






「どうなるかな…セーラっち…。止めるべきだったのかな…?」


相棒を見送ったデューレは、一抹の不安を覚えていた…。


「ま、厄介事なんて先に済ませてしまう方が良いよね

…」






ローランのお兄さんか…


グロニア王国の第1王子、レイワイゼン・スペングラーという名前。

ちゃんとレイワイゼン殿下って呼ばなきゃいけないね。


冒険者ギルドに行けば、彼の居場所を教えてくれるだろうとデューレが言っていた。


街の人にギルドの場所を尋ねて向かう事にする。



『あれが今の戦乙女(ヴァルキリー)らしいぜ!』


『なんと美しい姿じゃ…!』


『初めての戦いでドラゴンを一撃で倒したんですってよ!』


街の人々による、私の姿を見ての話し声が耳に入って来る。


元の世界での芸能人とかも、最初はきっと同じ気分なんだろうな?


おそらく私には慣れる事は出来なさそうだ…



そして、やって来た冒険者ギルド。


中に入るや否や、屈強な冒険者達の視線を集める。

なんだかヤンキーの集団に割って入るみたいで緊張するな…。


数々の視線を感じながら受付に辿り着く。


「よ、ようこそ!SSS(スリーエス)級冒険者様ッ!」


綺麗な受付のお姉さんが緊張した面持ちで挨拶をくれる。


「え?すりーえす…?」


「は、はい。冒険者は功績…つまり強さによってSからFまでランク分けされております。戦乙女(ヴァルキリー)様は蒼雷龍(ブルードラゴン)を討伐した竜殺し(ドラゴンスレイヤー)ですので、最上のS級を2つ飛び越えた殿堂入り英雄ランクな訳でして…それはもう…」


「え…?ドラゴンは倒したけど、そんなに評価される程の事じゃない様な…?」



会話を聞き耳立てていた冒険者達だが、それもここまでだった。


『マジかよ?あの六大魔龍だぜ!?』


『俺達とは強さの次元が違い過ぎるだろ〜!』


『しかも、ドラゴンがデビュー戦だったらしいわよ!』


『マジかよ?俺達がスライムと戦う感覚と変わらないってのか!?』


ギルドの待合所は騒然となってしまった。


なるべくこれからは人が集まる場所には行かない様にしようと思う…



「えっと、聞きたい事があるんですが…グロニア王国の第1王子は何処にいらっしゃるんでしょう?」


騒めきの中、私は受付のお姉さんに尋ねたのだった。


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