友達
「セーラぁ〜!ごめんなざ…、ごめんなざい!」
突然に私の部屋に突然入って来たデューレは、その場で床に額を付けて土下座をした。
そして、ひたすら謝りながら泣きじゃくっている。
「騎士団長かだの手紙で…ゼーラのごど、ぢゃんどわがっだの…」
顔を上げる彼女の顔は涙と鼻水でグチャグチャだ。
エルフの美少女が酷い顔を惜しげもなく晒している。
「手の平返して、さっきの事を謝りにでも来たの?」
まだ怒りが収まっていない私は、思わず意地悪な言葉をデューレに投げ掛けてしまう。
「ごめんなざい…ゼーラ!ごめんなざぁい…第2王子ぃ…!」
(…………!)
ローランに向けて謝罪を口にしたデューレ。
それを聞いた瞬間から、私のわだかまりは薄れてゆく。
「私は許した訳じゃない! でも…ちゃんとローランに謝ってくれたんだね」
「……ふぁい」
「だから、和解してあげる」
涙で潤む目を見開いたデューレが私を見上げた。
「……いいの?」
ここまで真摯に謝ってくれているのに、いつまでも不貞腐れていたらローランに怒られちゃうよね…
もうデューレに対しての怒りは完全に霧散していた。
「いいよ。あ、でも今度ローランの事を悪く言ったら許してあげないからね?」
「うん…わがった!……ありがどぉ……ゼ、ゼーラぁぁぁ〜〜!」
デューレは立ち上がったと同時に、私に抱きついて泣き続ける。
私の肩に乗せた彼女の顔からは涙と鼻水の塩っぱい匂いが鼻腔を刺激する。
でも、それは汚いとは思えずに愛しくさえ思えてしまう。
ちゃんと謝る事が出来る人って素敵だよね…ローラン。
デューレって、ホントは凄く良い子だったよ。
私も同じ事をちゃんと出来る人間になりたいなって思ったんだ…!
それからというもの、デューレとはすっかり打ち解けた。
夜になっても彼女といろんな話をしている。
「で…さ? 第2王子とはヤッたの〜?」
「……それは……内緒ッ! 教えない!」
私の返事に口を尖らせ、ぶー垂れるデューレ。
残念エルフの残念トークが再開してしまったのだ。
「ケチ〜!教えてよ〜〜! あ、それなら膜が残ってるか確認させて? ほらパンツ脱げ〜〜!」
そう言うと私に覆い被さるデューレ。
うわ…
引くわー。
このエルフ、やっぱり引くわー。
こんなに可愛い妖精なのに、この残念さに改めてドン引きだ。
「これからデューレの事…セクハラオヤジって呼ぶ事にするからね!」
「ちょッ!美しきエルフにオヤジは酷くない?」
目が合い、クスクスと笑い合う私達。
今日ね、この世界で初めて友達が出来たよ…!
楽しいね、こうして笑い合える人が居るのって。
窓に映る星空を見ながら、私は心の中でローランに報告したのだった。
謝る事、許す事
それがちゃんと出来る人って素敵ですよね!




