第1章 思惑
テラとライがプロローグで過ごしていた頃に、うごめく出来事を書いております。
残酷な表現のある文章があり、苦手な人は気をつけて、お読みください!
領主が納める館の一角には森が生い茂り、周囲には緑や花が咲きほこり。
領主は平和てきで優しく、民からは慕われた人物であった。
しかし、 怪しい雰囲気をした人物が領主を訪ねるようになった頃からか、少しずつ領主が変貌をとげる予兆が始まっていた。
最初に気づき始めたのは、領主の近くにある町に住む一人の男性が、他の者達の噂を聞いたことにより、町じゅうに噂が広がり始めた。
「なあ、聞いたか?この町から東の方に、不思議な力を宿す物があるらしいぜ?」
「本当か、その話?」
「本当だって、俺の兄貴が領主様から聞かされたからよ。」
「ふ~ん、そうなんだ!でもよ┄最近の領主様って何か変だと思うんだよな?近頃、
変な商人が出入りするようになってさ?」
「たしかに、領主なのに民である俺達のことがわからない状況が続いてるな?」
民達からの不安が噂としては、けして良い方のものではなく、悪い方の評判ばかりが、各方面から浮かび上がって行く状況であった。
しかし、この悪い評判は時間が過ぎて行く頃にはどんどん悪化し、民達へと税や輸入品の高値、失業率が増加し始め死亡者がでた。民達は変わってしまった領主に尊敬から憎悪へと変貌する。
そして、領主の館は荒れ庭の花も枯れ果てた。
信用を失った領主は、ホールに騎手を集め
変わり果てた領主は優しい顔だったことが嘘のように、目付きは鋭く、目は座りどっかり椅子に腰を掛け肘おきに手を置き頬杖をした態度になっていた。
そんな領主を前に、一人の騎士が現れ敬礼をし民や自分達の気持ちを受け止めてもらうべく意見を口にした。
普通ならば、良く言ったと称賛されるだろうが、周囲の騎士達は心配した瞳で同僚仲間を見守る。
しかし、領主の心には響かなかったのか、冷たく見下し口角を上げ冷笑するなり
「ほう、私が┄┄そのようなことをしていると、申すか?」
「はい、どうか┄┄民達や私共が尊敬していた頃の、あなた様に┄┄戻ってください‼」
皆の代表を務める騎士は、変わられる前の領主に戻って欲しいと、心から思い行動した、同僚仲間達も同じ気持ちでいてくれたから、優しくも暖かく民を包む慈愛の気持ちを持っていた領主なら、変わってしまっても、きっと、わかってくれると小さな希望を感じ発言したのだが?
次の領主の行動は、我々が思っていたものとは違うのであった。
領主は鼻で笑い、騎士達を氷つくような瞳を向
け立ち上がり、冷笑を浮かべ腰に下げている剣を抜き放った、次の瞬間には、領主の前にいた騎士の身体が切られ、血飛沫が舞う赤い、赤い色が空中に雨のように振り注ぐ中、もう一度、剣を振り下ろされ、騎士の首がはねた。
「┄┄チッ、クズが‼おい、このゴミを処理しておけ!」
血を紙で拭い、再び椅子に戻り腰をおろす。
騎士達はバラバラの遺体に近よって行く、領主のご乱心に騎士達の心は動揺が隠せず、それぞれが、己れの腰の剣に
手をかけそうになったが、次の領主の発言により動きが止まる。
「いま、このときより、ブルーヒスト村を襲撃する、皆の者達よ!私に┄┄ついてこい‼」
領主になど、もう従う必要がない!命令など、そう心で思っていたはずの騎士達だったが、身体と精神をも支配する力が発動し、次々に騎士達の瞳からは正気をなくしていき無表情となり、力強く
「「はっ‼」」
と敬礼をし、全員が出ていった。
領主は、その光景を見つめ、フッと笑い、高笑いを浮かべている姿は狂気で狂っているように見えるようであった。
領主の後ろに一人、楽しそうに笑う人物がいた。
黒い外套に身を包み顔は見えないが、口元だけは楽しそうに笑みを浮かべている。
そしてポツリと外套の人物は呟く
「第1段階┄┄終了だよ。さあ┄┄どうする?」
意味深な言葉を呟き、その人物は闇へと消えていた。
さあ、動き出しました。領主の思惑は、村は、どうなって行くのかは、次回の投稿にて書きたいと思います。応援をどうか、よろしくお願いいたします。