色彩の洪水
「わたしは、わたしは、もうあんたなんかにもう頼らない」
「ん、だと お前をわからせる必要があるんだよ」(バンっ)
「そうだな」「そうだそうだ」
「お前たちを憎んでやる」
男たちに囲まれながら恨んでいる少女。そして神はそれを見て微笑んでいる。。それは彼女の覚醒を待っている。男たちの考えは少女を売り金にしようとしている。ただ、少女はもう売れるかわからないほど身が汚い。
「お前たちこいつを遊んでやってもいいぞ、ただ声を出させないようにしてからやれよ」
「あぁ、わかっているよ。すきなようにやってやるよ。おいお前脱げよ~」
「触るな、気色悪い」
「おまえ、立場わかっていってるのか?」
「もう一度言う 触るな、気色悪い」
「んだと、口枷をつけてしゃべれないようにしろ」
「Yes, sir」
「ん、ん~」
「だまっとけ」(ぺしん)
平手が私の頬を叩く。痛い。でも、それよりも、男の脂ぎった手が私の肌に触れる感触のほうが、何倍も吐き気がした。
口枷をはめられ、私は声を出せない。
でも、目だけは閉じなかった。絶対に閉じてたまるか。
こいつらに、私の視界まで奪わせてなるものか。
「へへ、綺麗な目してんな。泣けよ、泣いた方が可愛いぜ」
私は泣かない。泣いたって、誰も助けに来ないことを知っている。
物心ついた時から、私は「商品」だった。
親に売られ、業者に回され、そして今、この薄暗い倉庫で、最後の買い手を待っている。
「おい、そろそろ俺も楽しみたいんだが」
「順番だ、待ってろ」
男たちの下品な笑い声。吐きそうだ。でも吐くものもない。最後に食べたのはいつだったか。
三日前?いや、思い出せない。
――私は、人を恨んだ いや、世界を恨んだ
この世界のすべての人を。男たちの赤らんだ顔も、倉庫の錆びついた壁の茶色も、天井からぶら下がる裸電球の黄色も。
全部、全部、私を傷つけるものだ。
だから、目を閉じる代わりに、私は心の中で叫んだ。
――死にたい
頃合いかと思った神が助け舟を出そうとした。すると少女が拘束を解き、男たちを脅かす存在へと進化した。、
「おまえよぉ、そんなに強がっても意味ないよ。お前は「商品」だから、暴れてしまわれると困るのよ」
「わたしは、お前たちに頼りすぎた。うまくこき使われた。お前たちは私を助けてくれると思ったのに、恩を仇で返された気分だ。いや気分じゃないな事実だな」
「おい!かかれ!」
「最初から私を「商品」として見てなかったのか...恨みはもうない、コロス」
わたしは分かった、悪が私を飲み込むわたしはもう制御ができない。私はもう死ぬのか...まぁここで生き残ってもあとは刑事さんにお世話になるのか...私はもうここで終わりか。
「かっ」
「私を「商品」にしようとした結果だよ」
私は、初めて人を殺してしまった...心に穴が開いた感覚だ...この感覚は人を殺したりないのか?
いや...6人もころしたのに?
「たっくもう「商品」をだれも買おうとしてくれないのかよ~」
「お前、」
「おい、「商品」なぜおまえは拘束を解いてるのだ、「商品」は「商品」らしく振舞えよ」
「私は「商品」だ、そして心と意志の自由を求める「商品」だ!」
うわー黒歴史確定、恥ずかしい、いや、ここにはこいつだけしかいないな、ワハハ、我は悪魔に仕えし者うわー想像するだけでも恥ずかしい。
「おい、「商品」顔を赤くしてそんなに余裕なのかよ」
「ワハハ、我は悪魔に仕えし者、お前みたいな雑魚に相手にする必要がない」
あ、思っていたことを口に出してしまった。
「...は?」
最後に残った男が、呆気にとられた顔で私を見ている。
そりゃそうだ。6人を惨殺した直後の少女が、突然「ワハハ」とか言い出して、しかも自分で恥ずかしがって赤くなってるんだ。わけがわからないに決まってる。
私は、しゃがみ込んで頭を抱えた。
「...最悪だ。人を殺したことより、『ワハハ』のほうが恥ずかしいなんて」
「お、お前、なにをブツブツ...」
「うるさいなぁ!今、こっちは精神の整理中なんだよ!」
男がビクッと飛び上がる。先ほどまでの私の殺戮を見ているから、怒鳴られただけで腰が抜けそうになっている。
私は立ち上がり、男をまっすぐ見た。
恐怖でひきつった顔。汗。脂。すべてが醜い。
でも――さっきまで私を「商品」と呼んでいたこの男も、今はただの怯えた人間だ。
「...聞きたいことがある」
「な、なんだ...」
「お前たちは、私を『商品』として見てなかったのか、って聞いたよね。さっき」
「...」
「どうなんだ」
男は、震える声で答えた。
「...最初は、商品だった。売れると思った。美人だし、若いし、高くつくって。でも...」
「でも?」
「お前、目が死んでなかったんだ。どんなに殴っても、どんなに汚しても、目だけはこっちを睨んでた。俺たちは...それが怖かった」
私は、意外な答えに少しだけ驚いた。
「怖かった?」
「普通の『商品』は、すぐに心が折れる。諦めて、目が濁る。そうなれば扱いやすい。でもお前は、最後まで、目だけは死ななかった」
男は、床に転がる仲間の死体を見下ろしながら、かすれた声で続けた。
「...だから、多分、俺たちは気づいてたんだと思う。こいつは『商品』なんかじゃないって。でも、認めたくなかった。認めたら、俺たちのやってきたことが全部、ただのクズの所業になるから」
私は、手のひらを見つめた。
まだ血で濡れている。6人分の、人間の血だ。
「...私は、お前たちを恨んでた。でも、今はもう、恨みもない。ただ、つまらないなって思った」
「つまらない?」
「そう。私はずっと、『誰かが助けてくれる』って思ってた。神様とか、正義の味方とか、そういうのに頼ってた。でも、誰も来なかった。だから、自分で動いた。そしたら、あっけなく終わった」
私は、男の顔をじっと見つめた。
「ねえ、人間って、こんなに脆いんだね。私も、お前たちも。なのにどうして、こんなに傷つけ合うんだろうね」
男は、答えられなかった。
ただ、うつむいて、震えているだけだった。
私の狂気が暴走した、瞬く間にボスの首を切ってしまった。
その時、パチパチと拍手が聞こえた
『こんな無様な会話を聞いて感動したよ、お前さんはこの世界を壊しかねない。だからお前を異世界転送する。』
「はぁ?なんで、なんで、わたし、頑張ったよね、ね、なんで、もっと頑張りが必要だった?ね、ね、なんで?」
私は、床に崩れ落ちた。
血まみれの手で、自分の髪をかきむしる。
「わたし、悪いことした?でも、みんな、わたしを『商品』にした。親も、業者も、こいつらも、みんなみんなみんな――」
息ができない。視界がぐるぐる回る。
殺した実感より、生きた実感より、「認められなかった」という事実だけが、尖ったガラスの破片みたいに胸に刺さっている。
『はぁ...ウチも大概無茶言う方やけど、ここまでとはな』
神は、白いスーツのポケットからハンカチを取り出し、私の血まみれの手を拭こうとした。
「さ、触るな!!」
私はその手を振り払う。神の白いスーツに、私の手の血が飛び散った。
「あんたもどうせ、私を『利用』するんだろ!『異世界転送』ってなんだよ!今度はあんたの『商品』になれってことかよ!」
神は、少しも怒らなかった。
ただ、自分のスーツについた血を眺めて、静かに言った。
『...せやな。ウチも、きみのこと利用しようとしとる。それは否定せえへん』
「...!」
『ウチは神や。何人もの人間を異世界に送ってきた。そのほとんどは、もっと普通のやつらや。死にそうになってるところを助けて、チート能力あげて、向こうで第二の人生を楽しんでくださいってな』
神は、しゃがみ込んで私と視線を合わせた。
『でもな、彩葉ひかり。お前さんはちょっと、特別や。こんなに壊れとるのに、こんなに必死に、心の底から「認めてほしい」と願っとる。それは、ある意味、誰よりも【生きたい】っちゅうことや』
「ちがう...わたしは、死にたいって...」
『嘘やな。死にたい人間は、こんなに泣かへん。こんなに怒らへん。こんなに――人を殺してまで、自分の存在を叫ばへん』
私は、初めて気づいた。自分が泣いていることに。
人を殺した時は一滴も出なかった涙が、今、止めどなく溢れている。
『お前さんは、生きたかったんや。誰かの『商品』じゃなく、ひとりの人間として。せやから、ウチはお前さんを利用する。お前さんがもう一度、自分の足で立てるようになるまで、な』
「...それって、やっぱり、あんたの都合じゃないか」
『せや。都合や。でもな、それが「優しさ」ってもんやろ。見返りのない善意なんて、この世界のどこにもない。誰かのためが、いつか自分のためになる。それでええやん』
私は、ぐちゃぐちゃの顔のまま、神を見上げた。
「...ずるいよ、その言い方」
『関西弁は元々ずるいんや。知らんかったか?』
私は、わからなかった。神が本当に善意なのか、それとも計算なのか。
でも、そのどっちでもいいと思えるくらい、私は疲れていた。
「...どこに、行けばいいの」
『異世界や。そこでお前さんは、異世界の住人と出会う。そいつは、お前さんよりずっとダメなやつやけど――』
神は、少しだけ優しい目をした。
『――きっと、お前さんを、預けられるやつや』
その瞬間、私の体が光に包まれた。
『お前さんよ名前は何だ?』
わたしは彩葉 ひかり
『素敵な名前ですね。ではあなた様特別講義 異世界を作成しました。受講しますか?』
受講します。
『わかりました。ではこちらへ』
長らく授業をしてくれた、分かったことは異世界の魔物、異世界の国、異世界の言語、異世界の歴史もう知らないことはほぼないと思う。(まぁ体感10年ぐらいかな?)
『いいえ、8年ですよ』
いや2年しか変わらない...
『いいえ、それほど知恵を与えたのです。最後にあなたにスキルを授けよう。』
スキルも授業で教えてくれた。スキルは剣?体術?回復?なんだろうな...
『お前さんに授けるスキルは【非売品】だ』
おい、さいごだけ馬鹿にしているかにしているのか?
『よい、異世界ライフへ』
AIの誤字チェック便利やな...
誤字内容
口枷すける
なんか筆が進む(いや、筆ではなく手だな...)




