ニンジンはいくら?
「ふえ?狙いをはずしましたか?」
ミニ馬は背丈こそ私の腰よりも低いものの、障害物を華麗に飛び越えるように美しくジャンプし、私の頭の高さにまで大きく広げた口が迫ってきました。
このまま頭をがぶりとやられちゃうと思ったら、ミニ馬はすかっと私の頭のすぐ横を通り抜けました。
ハッと思った時には、後ろ足でどんっと肩を蹴られ、前に倒れこみます。
「うわぁ。逃げ、逃げ、逃げな……」
両手を地面に着き、慌てて立ち上がろうとしましたが、膝ががくがくと震えて立ち上がれません。
背後で恐ろしい唸り声が聞こえました。
まるで猛獣……ライオンや虎のような声です。
振り返ると、ライオンのゾンビみたいな生き物がいました。
「ぎゃぁーーーっ」
ライオンも怖いけれど、ゾンビも怖いです。
間違いなく魔物、魔物ですっ。殺されます。
恐ろしいゾンビライオンの顔が私の方に……ん?
かみつこうともせずに、倒れてきました。
どさり。
ゾンビライオンが地面に倒れこみます。
慌てて、立ち上がってゾンビライオンから距離を取るけれど、地面に倒れたゾンビライオンはピクリとも動かず、まるで死んでいるような……。
ん?
よく見れば、首元に致命傷っぽい傷跡が?
すたっと、ゾンビライオンの上に、ミニ馬が乗りました。ミニ馬は私を見ています。
「……」
「……」
見つめ合う私とミニ馬。
無言で見つめ合うこと1分。
ミニ馬はまた、あの鋭い歯をむき出しにしてカパッと開くこともなく黒く潤んだ草食動物っぽい優しそうな瞳で私を見ている。
「……」
「……」
襲われない?ミニ馬の顔から視線を外し、ミニ馬が踏みつけているゾンビライオンに向けました。
……。
「もしかして、私が襲われそうになっていたのを助けてくれたの?」
思っていたことを口にすると、ミニ馬はもふっと絹糸のようなたてがみを揺らしました。
キラキラと光の粒が舞い散っています。綺麗すぎます。
「今のは、そうだよって言ってくれたの?」
再びミニ馬がたてがみを揺らしました。
「そうなんですね。私をそれから助けてくれたんですね!ありがとうございますっ。助かりました。綺麗なだけじゃなくて、親切なんですね!あ、それから強いんですね。すごいですっ!」
思ったことを口にすると、ミニ馬さんは、照れたように小さく頭を横に振りました。
それほどでも言っているように見えます。
お礼がしたいです。
お馬さんといえば、ニンジンです。
……でも、ニンジンは安くても1本10円では買った覚えはありません。特売で1本20円というのが私の買ったことのあるニンジンの最安値だったと思うんです。……そういえば、ニンジンみたいな形のパッケージに入ったポン菓子……お米を破裂させて大きく膨らませた駄菓子ありましたね。あれはいくらだったんでしょう。お米原料ですよ。ご飯にはならないけど、お米……。10円じゃないですよね。30円とかかなぁ?
「ニンジン以外に、何を食べるでしょう……」
米粒魔石を取り出して考えます。
お礼に食べ物しか思い浮かばないのもなんですが……。
いつもありがとございます!
SNSなどで呟いていただくと……Twitterとかエゴサしてます。
ニンジンの形のポン菓子知ってます?そういえばこの間100円で見ました。ニンジンというより大根に近いサイズでした……




