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ドイツ共和国大統領ラインハルト・ハウエル

 彼ら謎の侵略者が途轍もなく危険な存在として全世界に認知されることになって二か月が過ぎようとしていた。

 ソロモン海に散った兵士と軍艦に世界中が哀悼を表し、同時に惨劇に恐れおののいた。

 侵略者の持つ驚異的な攻撃力は、動かざる現実の危機として世界の上に圧し掛かり、あの海戦での大敗の後、各国からかなりの戦力が南太平洋に集めらる契機となった。

 だが、どの国も積極的に攻勢に出られない状況が続いてもいた。

 当たり前だ、空母を擁した大艦隊が敗北したのだ。それに劣る戦力しか用意できない各国が、オブジェクトに単独で挑もうなどと思うはずがなかった。

 それでも、戦わねばならない。戦わねば、彼らは侵略を続ける。身を挺しこれを止める手立てを考えねばならない。たとえ今日自分が犠牲になってでも。

 戦場である南太平洋には、悲壮感にも似た決意を内に秘め、多くの兵士が集まり、寡黙なうちに展開していた。

 だが、そんな地球の反対側の出来事にまるで関心のない人々も、ヨーロッパにはまだ多くいた。


 中でもこの国の事情は、突出して事態から遠い場所に置かれているように見えた。

 ここはドイツ共和国の首都、ベルリンである。

 街の景色には緊張感など欠片ほども見えなかったし、車の窓越しにも音楽が耳に届く。人々はカフェのテーブルで紫煙をくゆらせ、ビールのジョッキを抱え哄笑しているのだ。

 そこに戦争の影などは微塵も見えない。

「まったく他人事という訳ね」

 車の窓からその様子を見て顔をしかめているのは、女性飛行家のハンナ・ライチェであった。

「それはそうでしょう。遥か地球の反対側で起きている事にこの国の、敗戦からやっと立ち直ったばかりのドイツの国民が興味を寄せるはずもありません」

 応えたのは、軍服姿の若い士官だった。ブルーグレーの軍服は空軍のもの、胸の騎士十字が誇らしげであった。

「大統領は、これが全世界的な危機であることを国民に演説したはずよね」

 ハンナが空軍士官に訊いた。

「そうですね。一昨日もラジオで演説を流しておりましたね。ですが、やはり他人事なのですよ。実際にこの国に危機が及ばぬ限り、誰も気になどしないでしょう」

 空軍士官が肩をすくめながら言った。

「とんでもない話だわ。あいつらが世界に溢れた時、この国の安寧なんて簡単に吹き飛んでしまう。どれだけの脅威なのか、もっと広く周知させないと駄目だわ」

 ハンナはそう言うと、両の腕を抱き身体をすぼめさせた。あからさまな恐怖を体現している様である。あの日見た惨状を彼女は思い出したのであろう。

「ハンナさんは、あれを見てきたから脅威の実際が理解できているのでしょうが、この欧州において危機を実感できている人間は本当に一握りしか居ないというのが現状ですよ。我が国以外の各国は、まあ領土が太平洋にあったり、オセアニアとの交易が重要なので国力挙げてなどと連呼しておる訳ですが、おそらく一般国民の意識はわが国と大差はないと思います。戦地は遥か彼方なのです」

 ハンナは顔をしかめた。

「この国の中枢でもそれは同じという事ね。とにかく大統領に直談判して、ドイツからも派兵をする確約をとらなければならないわ」

 車はベルリンの街の中心部に向かっている。どうやら行先は大統領宮のようである。

「果たしてあの大統領が素直に耳を貸すでしょうかね。常に我が道を突き進む方ですから。周囲の方たちも本心が図れないと日々ぼやく人ですよ」

 空軍士官が難しそうな表情で言った。

「やってみなければ判らないですから。あたしはやれるだけのことをやるのです。太平洋で死線をくぐっているドイツ人技師たちと約束したから、かならず兵を連れて帰って来るって」

 ハンナの言葉に空軍士官の片眉が上がった。

「クレーメンス社の社員たちですね。彼らの献身的救助については他国でも話題になっている様ですね」

 ハンナは頷いた。

「ええ、国の威信を彼ら民間人が担っているようなもの、放置など出来ません。なんとしても我が国も、この地球を守る戦いに貢献しなければなりません。国なんて言う垣根は関係なく、これはこの星の問題なんです」

 ハンナはそう言うと強く拳を握り言葉を続けた。

「絶対に勝たなければならない戦い。すべての人間がそこに目を向け、銃を握らなければ、この星は滅びます。あいつらは、人間の生きる場所など残す気はありません。全世界は団結しなくちゃならないのです」

 そう力強く説くハンナの横顔を空軍士官は、なんとも形容しがたい複雑な表情で見つめていた。彼の中には、今ここで彼女に言えない何かが秘められているようだが、ハンナはそれに気づかなかった。

「ですが、現実は難しい問題を多く抱えすぎています。そもそも我が国が軍隊を派遣することに、戦勝国たちが良い顔するかも怪しいですから」

 空軍士官の言葉にハンナの眦が吊り上がった。

「二十年も戦争の責を償ってきて、ようやくそれを払い切ったというのに、まだ何か言われる立場を貫くつもりなの? そんな拘りに捉われている場合じゃないのは、どこの国だってわかっている筈よ。国際連盟だって、どんな国家でも事態への関与を、派兵を拒まないと言っているのよ。それなのに腰を上げないのは臆病の極みよ」

「理性でそう思ったとしても、感情というものがありますからね、それぞれの国の国民感情ってやつですよ。我が国の軍事力は、いまだに欧州全土の恐怖の根底に居座っている様ですから、これを外に出すとなると抵抗は避けられません。相手が人類でなくても、彼らは我々を信用などしてくれませんよ。戦場で他国に見捨てられたら、我が軍の兵士は無駄死にするだけ。ですから、大統領も慎重なのでしょう」

 ハンナの不機嫌に拍車がかかった。

「あまりにも現実を無視している話だわ。それはあなたの本音でもある訳、テオドール?」

「身に火の粉が降りかからねば人は危険を看過するものなのです。おそらく大統領は、重い腰を上げるには時期尚早だと考えています。それは、私も同じなのですハンナさん」

 ハンナがバンと平手で前の座席の背面を叩いた。

「愚かだわ、あまりにも愚かよ。考えるべきは自分の保身ではなく、世界の安全よ」

「ああ、車が着きますよ。とにかく話をするんでしょう、その先どうなるかは私にも予見できません。私はただの空軍パイロットですからね」

「貴方はいつもずるい立場をとるわね、テオドール」


 やがて、二人を乗せた車はドイツ共和国の大統領宮の門を潜った。

 これより二十年前、ドイツは全欧州を敵にした世界大戦を戦い破れた。隣国であったハプスブルグ=オーストリア帝国の主導で始まった戦争であったが、同盟であるドイツは結果的に戦争を主導し戦いきらねばならぬことになった。他の同盟国が脱落していった過程で、ハプスブルグ王家が内紛で政権を追われたからだ。

 東西の戦線全部でドイツは持てる国力の総てを使い二年半を戦ったが、ついに経済疲弊から来る国民の離反によって戦争継続が不可能になり敗北を認め講和を結んだ。その結果、ドイツには膨大な戦時賠償請求が各国から突き付けられた。

 この莫大な賠償金だけでなく国土の割譲、そして軍事力の保持の抑制によってドイツは他の欧州の列強から経済的に大きく遅れを取り、戦後の復興経済の伸長に取り残された。

 何より、軍事力の抑制は厳しく、この時期に世界規模で躍進した海軍力の増強からは完全に蚊帳の外に置かれることになった。表向き、戦車や戦闘機の保持も禁じられたのだが、先代大統領ビスマルクの根強い各国への働きかけでこれは解除された。ただし、その総数には相変わらず枷がかけられた。

 その屈辱の日々に終止符を打ったのは、四年前に突如政権を握り大統領に就任したラインハルト=ハウレルと彼の率いる旧ナチス党を吸収したファウスト党によって進められた大ドイツ復興運動であった。

 ハウレルは、国軍の復活を宣言し、新型兵器の導入を堂々と誇示した。さらに、工業分野への無償国庫融資を行い、国内企業は新規の工場建設を多数行い、莫大な利益を上げた。

 強いドイツの復活は、欧州各国から予想以上の反発を受けたが、強力な工業力躍進を背景にドイツは莫大な戦時賠償金を五年も前倒して払いきり、各国の干渉をきっぱり跳ねのけた。実はこの時期が、アメリカに端を発した世界的不況時期の復調期と重なったため、欧州列強はドイツからの賠償金によって口を塞がれる形になったのである。

 この奇跡的復興の象徴であるハウレル大統領は、ある時を境にとても慎重な外交に国の路線を切り替えた。

 その彼の思惑はつまり、ドイツが再び欧州列強の敵と見なされないための予防だった。

 出る釘が打たれるのはどんな寄り合いでも同じ、ましてや一度その鉄槌で国の背骨をゆがめられた経験のあるドイツだからこそ、敵視されるような急進派の道を取る愚を避けたかったのだ。

 スペインでの革命においてもドイツは、支援を懇願してきたフランコ軍に手を貸さなかった。イタリアのムッソリーニだけがフランコを支持し、結果的にこれを勝利に導いた。

 ドイツは明確に彼ら右翼国家と距離を置き、逆に左派である新興国家ソビエト連邦に急接近していった。ハウレルは、工業分野における協力関係を彼らと結び、国内で不足気味の労働力を彼の国から広く受け入れたのだった。

 さらに、新型兵器は導入しても兵士の数は一定以上増やさない。これを明確に示し、何処の国からの要求でも必ず軍事施設への視察を受け入れて見せた。

 ドイツは国を守る最低限の軍備しか持たない。それを欧州から世界全体に認識させる努力を続けた。こうやって、自分たちが純粋に経済発展だけを願っている事実を宣伝し続けたのである。

 それでも、ドイツが南太平洋に軍を送ることに欧州列強は不快を覚えるに違いない。ハウレルはそう言っていると、ハンナの隣に座った空軍士官は言っていたわけである。


 その真意を面と向かって問う。ハンナ・ライチェはそう強い意志で大統領の待つ部屋へカツカツと進んでいった。

 執務室に通されたハンナは、大きな椅子に座したハウレルにいきなり質問を飛ばした。

「閣下、率直に聞きます。ドイツはこのまま死んだふりを続けるのですか? 各国に私たちには侵略者に振り上げる拳など持ち合わせてませんと白を切るつもりですか? 我が国は腰抜けであり続けるつもりですか?」

 挨拶も抜き、いきなりの問い詰める、それも恐ろしい剣幕で。

 普通の人間なら間違いなくたじろぐほどの迫力でハンナは吠えた。

 だが、ハウレルは唇の端に笑みを浮かべ、とても落ち着いた声で答えた。

「威勢のいい挨拶をありがとう。フローレン・ライチェ。振り上げる拳がない、ああその通りだ。しかし、それは総て対外的なポーズだ。そうだね、拳どころか大きなハンマーを隠し持っていることは私だって認めるよ。ただ、それは何処にも見せてはならぬ代物なのだ、理解してくれたまえ」

 ハンナ・ライチェの畳みかけるような問いかけへのハウレル大統領のこの答えが意味する事は一つだ。

 ドイツには無論十分な軍備がある。彼はそう認めたのだ。

 それなのに、ドイツは腰を上げない。大統領はそう言っているのだ。

「何故なのです、この危急の事態に何故何もしていないのです! 我が国だって、この危機に立ち上がる資格はあるはずでしょう!」

 ハンナが感情的な顔を隠そうともせずにさらに畳み込んだ。

 だがハウレルは、これが言下に否定した。

「いや、我が国はその資格を有していない。国連の言葉を鵜呑みにするほど、私は愚かではない」

 ハンナの顔に怒りの色がありありと浮かぶ。

 大統領は、ハンナが口を開く前に言葉を続けた。

「フローレン・ハンナ・ライチェ、貴女が私をなじる真意、そして私に何を求めに来たかは充分に判っている。我が国に新しく作った情報機関の腕は超一流だ。貴女が彼の地で何をしてきたか、何を見てきたか、私はすべて知っている。その上で答えよう、我が国は太平洋に兵を送る正当な理由を担保できない」

 ハウレルはそう言うと長い前髪をかきあげた。

「どいう事です。相手は人間ではないのですよ。かつての戦争の影響など全く無視してかまわないでしょう。出せる兵があるなら出す、それが国家の義務じゃないのですか? 世界中のどの国家でもこの戦いに参ずる資格があると決議がなされたのでしょう」

 ハンナがきつい眼差しで大統領を見据えて言った。 

 しかし大統領は首を大きく左右に振った。

「駄目なのだよフローレン、その言葉通りには動けないのだ。その意味を今から説明するよ」

 ハウレルはそう言うと、両手を机の上で組み、ハンナの目を真正面から見据えた。

「我が国にはなるほど立派な軍が再建された。しかし、それは恐らく他の国家から見たら脅威にしか見えぬ存在にまで育ってしまったのだよ。これまで、秘密裏に我が国は軍の兵器の刷新を図ってきた。正直に言えば、この兵器群は現時点で間違いなく世界で最先端の威力を持った存在だ。そしてそれ故に誰の目にも触れさせられないのだ」

 ハウレルはここで一度言葉を切り軽く咳払いし、話を続けた。

「君にまず知ってほしいのは、私が作り上げたこの最強の軍は、外征の為の軍備じゃないという事だ。私は、この国に針鼠のようになって欲しいと願い強武装を命じたが、これはね誰の目にも触れてはならぬいわば外套の下の剣と鎧だ。おいそれと見せられぬ秘密の武器を、堂々と海外に持ち出せるはずがない。相手が人類じゃないとしても、共に戦うことになるかつての敵国の人間が、この兵器たちを見て我が国にどんな感情を抱くと思うかね? はっきりと脅威としか思わぬだろう。それは、未来ではなく現在の我が国の利益に適わない行為なのだ。つまり、それが政治であり外交なのだ。感情だけで兵を送れるほど。世界は単純に出来ていない。そして、そもそも兵士の数を最小限に絞っているため、余剰の他国に見せても問題がないような兵器など存在しないのだ。あまりに過ぎたる装備を持ちすぎた故に、我が国はこの事態に対する関与を行えない立場になってしまったのだ」

 実に理性的に答えるハウレルにハンナはいらつきしか感じなかった。

「何を呑気なことを言っているのです。相手は人類ではないのですよ! もう一つの国などという枠組みに捕らわれて外交を判断する段階じゃありません。世界が脅威を感じるのは我が国にではなく、未知の機械を操るあいつらです。むしろ、最新の兵器を送れるなら、他国に意見などどうにでも左右できるほど現場は悲惨な状況なんです」

 声を荒げるハンナに、ハウレルは尚も冷静に答えた。

「確かに、これは地球規模で考えるべき危機だ。それは認めよう。だがね、おそらくこの局面においても実際には世界各国のお国の事情というものが関わってくる。こう言った危機には、やはり相応の国力を持った大国が率先して軍を派遣し事態の収拾をはかるもので、その力の足りぬ国家は正面で戦う他国を支援し存在を誇示するのが賢明なのだ。経済の面でなら我が国はいくらでも協力ができる、私は国連大使にそう発言を指示し、実際そう各国に告知した。今を生き抜くための駆け引きを怠っては、結局は国家の維持は破綻する」

 ハンナが激しく首を振った。

「卑怯です。実際には、我が国は列強に比肩する国力を回復しています。ここで弱者を装い、見て見ぬふりをするのは騎士道に反します」

 大統領が顔をしかめた。

「騎士道か。貴族である貴女と違って残念ながら私には無縁の世界だ。私は肉屋の倅だ。私に政治の総てを教えてくれた男、刑務所で自ら首を吊ってしまった敬愛すべき友アドルフもまた商人の息子で画家志望だった。二人で描いた新しい国の理想に、古き騎士たちの伝統は必要ない物なのだよ」

 ハンナがさらに激しく首を振る。

「出自なんて関係ありません。モラルは階級で決まるものではないでしょう! これは、人間としての品位の問題です。世界の危機に奮い立たぬのなら、それは紛れもない臆病者です。我がドイツ国民は、世界に愚者として罵られる轍を踏んではなりません」

 感情をむき出しにする金髪の若き女戦士に、まだ四十代の若き大統領は苦い顔でため息を吐くしか出来なかった。

 ハンナの主張が正論なのは判っている。

 だが、それに素直に応じられるほどこの国の政治システムは簡単には出来ていない。それをまず説くべきなのだろうが、ハウレルはそれをしようとしなかった。

 実はすでにこの時、彼はある決意のもとに秘かに計画を動かしており、本当なら彼女の言葉に素直に本当のことを、彼が腹に抱えている真意を答えたかったのだが、それは簡単にはできないのだった。

「フローレン・ライチェ、貴女の言い分は重々判っている。それでも道はゆっくり作らなければこの重い馬車は先には進めない。先に行けるのは、軽い荷物を持った者だけなのだよ。そう国家などという余分な荷物を負っていない者とかのね」

 大統領はそう言うと意味ありげに微笑んだ。

 何かがハンナの頭脳に訴えた。

 今の大統領の言葉と表情、そこに明らかなサインを見て取ったのだ。

「何の話ですかそれは?」

 ハンナははっきりと判る怪訝な顔で大統領に訊いたが、ハウレルは思わぬ一言を返してきた。

「すまないが、一度席を外してくれないかな」

「いきなり追い返すのですか?」

 魔女もかくやというきつい眼差しでハンナが訊いた。

「いや、ある人物を呼びたいのだよ。彼らを交えてもう一度話をしたいので、その到着まで別室で待って居てほしい」

「誰を呼ぶのですか?」

 大統領は指先で頬をなぞりながら答えた。

「おそらく、いま私が貴女に提供できるであろう唯一の何かを持っている人物、君の旧知であり科学に長けた若き秀才。それでまあ察してもらいたい」

 ハンナの表情が明らかに変わった。

「それはまさか……」

「ああ、気が付いたかね、わが国で、最も頼れる新鋭科学者でこの国だけでなく世界の未来を託せるであろう男だ」

「ヴェルナー! 彼を呼んだのね、でも、何故? 彼とこの話にどんな関係が?」

 ハウレルは唇に笑みを浮かべ肩を小さく上げて見せた。

「まあとにかく若き工学博士の到着まで待ってくれたまえ。私のその前に別の人間と面会しなくちゃならないのだ。説明は総てその時にする、すまんねフローレン」

 結局ハンナはそこで大統領執務室を追い出されたのであった。


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