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歩く屍  作者: 茶々丸
9/14

第7歩 人の本性は意外なものが有る

ごゆるりとお楽しみ下さいな。

「落とさせろ」

真は悟が言った言葉に耳を疑った。

「どうして!?悟、ふざけないで!」

「落ち着けって!最後まで話を聞いてくれ。」

「うん…」

「詳しい情報は無いけど、早苗は落とされそうか?」

「うん、早苗ちゃんは落とされそう…早苗ちゃん!」

「どうした!?」

「悟、早苗ちゃんが目覚めた!」


早苗は目を開けると聖夜と電話している真がいた。

「ここは?」

「あら、気がついたのね」

早苗は声の持ち主を見ると気持ち悪い笑みをした女性(?)がいた。

「貴様ァ…やってくれたな」

「あら、怖い。でもこの状況でそんな事言ってられるかしら?」

早苗は既に体の半分が空中に出ていた。

「くっ…」


「悟!早苗ちゃんが!」

「ああ、見えてる。準備したかったがしょうがない。真、聖夜に変われ」

「聖夜君、悟が」

「何だよ。」

「詳しい話は真に聞いてくれ。揺れが収まってから早苗を落とさせろ。」

「ふざけんな!」

「ふざけてなんか無い!助けに行きたいか、今の地震で道が壊れたんだ!」

「何!?」

「本当だ。俺を信じてくれ。」

聖夜は少し黙り言った。

「分かった。頼む。」


しばらくして地震が収まり、聖夜は言った。

「おい!怪力おばさん、疲れただろ?早く早苗を返してくれ。」

「怪力おばさんですって…バカにしてるわね!こうしてやるわ!」

早苗は手放され二人の前から消えた。

聖夜は呟いた。

「頼むぞ、悟」


早苗は落下中、目を閉じた。

少しでも、恐怖感を和らげて死にたかった。

そして衝撃が身を包んだ。


ああ、私は死んだな…


しかし、意識はまだはっきりしていた。

おかしいと思い目を開けると悟の笑みがあった。

「よう、お嬢様。生きてるか?」

「なっ…なんで?」

「情けない声を出すなよ。お前は生きてるからさ。」

早苗は生きている嬉しさで泣き出した。


「どうかしら?お友達が目の前でいなくなるのは?」

「辛いな…死んでいたらな!」

聖夜はそう言って、駆け出し怪力おばさんを力いっぱい殴った。

「きゃぁ!やってくれたな!クソガキがぁ!」

「来いよ、ババア!」

ババアは聖夜に蹴りをするが、聖夜は蹴った足を掴み駐車場の中心に投げ飛ばした。

「なんで、こんなに強いの…」

聖夜はゆっくり歩きながら言った。

「友人が被害に合ってんだ。加害者には同じ位の痛みをやらないと不公平だろ!」

そう言って、顔に目掛けて蹴りを入れた。

ババアは言葉にならない悲鳴を上げて、口から血を流していた。

その光景から真は目をそらした。


「さて、あいつらの所に行きたいが道な…」

「道がどうかしたのか?」

「聖夜には道が壊れたって言ったけど、実は一部分が崩落してるだけなのさ。早く行かないと、聖夜があの人を殺しかねないからな。」

「そんなになるのか?聖夜は。」

「おうよ。中学の時ショッピングモールでヤンキー三人に絡まれた時、あいつ一人でボコボコにして一人病院送りだからな…」

「危ないのな…じゃあ尚更速く行かねば。しかしどうする?」

「一つ考えが有る。」


聖夜君は怖いです。


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