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機構少女0 MK2  作者: ずんだりんご
序章

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異変

「う~寒い~」

外へ出るなりニオは身を震わせた。

「これでも羽織っておけ」

私は自分の上着を小柄なニオに着せた。

「え?雪花ちゃんは大丈夫なの……?こんなに寒いのに……」

「大丈夫だ、黙ってもらっておけ」

そう返してニオの少し前を歩いた。

ニオがどんな顔をしていたかは知らない、だが私にはきっと似合わない。

「ありがとう!雪花ちゃん!」

「ああ」

少し歩き森の中へと入った時、私は感じた。

先程感じた視線とか類じゃない。

それでいて気配でもない。

だが確かに背中を刺すような感覚。

「……ニオ、私の後ろから離れるな」

「え?なんで……?」

急いで辺りを見渡す。

何度見渡しても来た時と同じ風景。

それなのに常に息が詰まる。

簡単な話だ、予感がするのならば。

「出て来い、お前ただ者じゃないだろ」

声が木々に吸い込まれる。

ニオは安堵の息をついて私へと話しかけた。

「もう……雪花ちゃん怖いよ……?ほらいこ」

その刹那、後ろの悪寒がさらに強くなる。

咄嗟に振り返った。

「ふうん、あなた私を感じ取れるんだあ」

そこには私より少し小柄な女がいた。

だがそいつの表情はにたにたと笑っていた。

「何者だ……?」

「0ちゃあん、私さあんたと殺りあいたいんだよね」

そいつは口を開くなり私に交戦を要求してくる。

「そういえば0ちゃん、可憐は……??」

確かに口から聞こえた、『可憐』という名前が。

感情が一瞬揺らぐ、記憶の根底を掴まれているような。

だが私には記憶がない。

「誰のことだ……?」

「あれ?こう言えば本気出すって聞いたのに~ざーんねん」

そう言うと女は拳を強く握る。

「まあいいや、殺りあえばわかることさ、ね?そうだよね0ちゃん?」

私は即座に構えを取った、刀を初めて握る素人のような構えを。

「ニオ、木の後ろに隠れろ」

そう言って、敵の目を睨みつけた。

「きゃははっ、0ちゃんジョーク?面白いね全く!」

言い終えるとそいつは地を強く蹴り、私の目の前から消えた。

どの部位に攻撃が来るか見当がつかない。

だが攻撃が来る一瞬に絶対に姿を見せなくてはいけない。

その一瞬に私は全神経を預ける。

刹那、予想通り奴の体が一瞬見える。

「ちいっ!」

拳を受け止めた衝撃で体が後退する。

再び体制を直して構えた、だが敵の顔から笑みが消えていた。

「つまんな、0ちゃんまだ取り返してないんだ………」

「……は?」

「あのスペックだったらもうだともう戻ってると思ったのに……」

そう言って女は大きく息を吐いた。

「じゃあね、0ちゃんまたどこかで」

女はそう吐き捨て、森の奥へと消えて行った。

ニオはおろおろと木の後ろから出てくる。

「あ、あの人……誰……?」

赤の他人だ、と答えたいところだ。

だが本当のことを喋ったところでニオは怯えるだけだ。

「私の友達だ」

「と、友達………?え……?」

そう会話を交わした後、再び帰路に着いた。

しばらくして私たちは村の近くに着いた。

暖かな光が目に入り込む。

「雪花ちゃん~やっと帰ってきたね~」

ニオの声は完全に脱力しきっていた。

その姿はまるで背中を撫でられた猫のようだ。

「私はギルドに向かう、お前は先に帰っていろ」

そう声を掛け、ギルドの方向へと一人で踵を返した。

「はいはーい!気を付けてね!雪花ちゃん!」

少し歩いた後、ギルドの門前へと来ていた。

戸を押し開け、ギルドの中へと入る。

夜が更けているせいか、ギルドは喧騒に包まれていた。

ギルドの面々は頬を赤らめて、完全に酔っぱらっていた。

その中にある人が居た。

「おおーうゆきばなぁ!!お前ものむぞぉ!!」

そこにいたのはグリムだ。

「お前に用はない、さらばだ」

踵を返し、カウンターに駆けた。

事を素早く済ますために、口を開く。

「ギルドマスター、早速だが人さらいについて教えてくれ」

瞬間ギルドがざわついた。

「あの新人の女が……人さらいのクエスト受けんのか……?」

「ぎゃっはっは!頭でも狂ってんのか……」

グラスを落とす音すら聞こえてくる。

ギルドマスターの表情が固まり、出てきた第一声は。

「……は?」

そんな素っ頓狂な声が漏れ出る。

「情報はないのか……?」

「いやいやいや、ええ?あのさ、人さらいは子供と女を中心にとらえているんだよ……?」

「ああ、教えてくれ」

ギルドマスターは完全に固まった、次の瞬間私の肩に手が置かれた。

「おいおい雪花、俺はお前を人さらいの任務には連れて行けねぇ」

その手の正体は先ほどまでべろべろだったグリムだった。

「なぜだ?教えればいいだろう」

「だいたいあのクエストはAランク以上のクエストだBランクのお前には教えらんねえ」

「そうか分かった」

そう言い残し、私はギルドの外へと向かう。

私を笑う物もいた、戸に手を掛けるころには再びギルドは喧騒に包まれた。

少し歩いた後決意を固めた、一人で人さらいのボスの首を取ると。

そのために私は情報を集めることにした。












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