番外編 あとがき
一日遅れの2周年記念小説です。
以下の点に注意してお読みください。
※他小説のキャラクター(作者代理)が登場します。
※メタ発言、ネタバレ、本編と違うキャラ設定等あります。
※名前を省略し、台本調で書いています。
良平「突然ですが質問です。今日は何の日でしょう?」
千秋「『久遠のアパート』が小説家になろうに投稿された日だろ?」
新「そういえば去年久遠さんがいってたね」
十真十「仕事をさぼって騒いでただけだろ」
フェイト「あの時の久遠の姿は無様、いえ幼児に戻ったかのようで、大変うっとおしい、いえお可愛らしかったですねえ」
ヴェル「本音が全く隠れて……ひっ!なんでもございません!」
猫「こらこら、フェイト。あんまりヴェルくんをおびえさせるものじゃないよ」
灯火「ヴェル、大丈夫?フェイトさんはそんなに怒ってないから大丈夫だよ。た、多分?」
清水「灯火くん、多分とかいっちゃだめですよ!余計に不安になっちゃいます!」
未来「大丈夫だよ、ヴェルさんっ!酷いこといっちゃってもごめんなさいって心から謝れば許してくれるんだよっ!ね、颯太くんっ!」
颯太「そうですよ。もしフェイトさんに一人であやまるのがこわかったらぼくもいっしょにあやまります」
雲「成人した大人が小学生と一緒じゃないと謝れないなんて恥ずかしいわね」
雨「雲だって悪いことした時にすぐに謝れないくせに」
雲「私はヴェルと違ってすぐに謝れるわ!」
雪「……この間……勝手に……晴のプリン食べたのに……すぐに謝らなかった」
晴「雲ちゃんは甘い物が大好きですからね。食べ過ぎると病気になりますから注意してくださいね」
久遠「晴もプリン好きなのに雲のために譲るその心の清らかさ!さすが俺の娘!晴は笑美に似て女神のように優しいな!いや女神よりもずっと慈悲深い!パパが断言する!全世界に宣言するぞ!晴は世界中の誰よりも優しい子だってな!こんないい子が俺の娘なんて最高の幸せだ!笑美!見てるか!聞いてるか!俺達の娘はこんないい子に育ったんだぞ!どこに出したって恥ずかしくないが、嫁にだけは絶対に出さん!うちの娘はずっとパパと一緒っぃてええ!?何すんだ、咲楽!?」
咲楽「うるさい。黙れ。喋るな」
久遠「それなら頭をぶつ前にいってくれねえか!?お前って昔から口より手が先に出るけど改善した方がいいぞ!え?俺だけにしかしない!?なにそれ!?いやな特別扱いだな!?もっと優しくしてほしい、ぐあっ!?」
日向「久遠さん、大丈夫や!?わきんばらに拳がまともにはいったが!?」
自由「生体反応ガアリマスノデ死ンデハイナイト思ワレマスガ、意識ノ有無マデハワカリマセン」
???「いやいや何一つ心配する必要はないよ。佐久間咲楽は四方山久遠に手加減をしたから多少の痛みはあれど気絶するほどのダメージは受けていない」
灯火とヴェルと同じくらいの身長の女か男か、人であるのかさえわからない人型が音もなく自由の隣に立っていた。
女にはやや低く、男にはやや高い声が、顔のほとんどを覆う長すぎる髪の隙間から覗く口から紡がれた。
根元から毛先にかけて深い青から薄くなる不思議な色の背中の中ほどまで伸びた髪。
女物の薄紅色のニット帽に真っ白な洒落たシャツ。
襟元を赤いネクタイを締め、花のタイピンで押さえている。
シャツの上には緑色のカーディガン。
黄土色をした膝丈のパンツにふくらはぎまで伸びる黒いレギンス。
足首を覆う底の厚い黄色のブーツ。
特徴の多すぎる姿にも関わらず、住人達は誰もソレの姿に見覚えがない。
フェイト「あなたは誰ですか?なぜ咲楽と久遠の名前を知っているのです?」
ソレは待ってましたとばかりに口元を大きく吊り上げる。
???「あんたは捻くれた好意の持ち主だが仲間思いの登場人物だ。初めて会ったにもかかわらず名前をいい当てた俺のことを警戒するのは当然であり必然だ」
ソレは右手を心臓の上に当て左腕を後ろに回すと、道化師のようなおどけた礼を見せていった。
???「初めましてとでもいおうか。俺の名前は希七井和金。苗字も名前もないからどこから読んでもどこを読んでも逆から読んでもいい。どうせ短い間の話だ。適当に読んでほしい」
猫「なら希七くんと呼ばせてもらおうかな」
希七「好きにすればいい。俺はあんたのことを唄田猫、深淵の魔女、それともあんたが忘れた本名、どれで呼べばいい?」
猫「私の昔の二つ名を知っているなんて……君はヴェルくんと同じ天使かい?」
希七「いやいやまさか。俺はそんな役じゃない。俺があんたらのことを知っているのは全知全能という登場人物だからだ。本来はただの墓守だが、今回は創造主の気まぐれで代弁者だ」
十真十「キャラクターだ?全知全能だ?代弁者だ?お前のいっていることは何一つ意味がわからねえ。だいたいまかちーって誰だよ?」
久遠「全知全能ってすげえやつが代弁者ってことはまかちーは俺らにとって神様みたいなやつなんだろうぜ」
希七「まかちーはこの物語の創造主。分かりやすくいえば作者だ。この世界はまかちーが作った物語で、あんたらや俺はまかちーが作った登場人物に過ぎない。まあ信じるか信じないかはあんたらの自由だ」
良平「希七が本当のことをいってるとは限りませんよ。隙を見て皆を狙っているかもしれない」
新「誰であったとしてもアキや皆に手を出したら僕は許さないよ?」
ヴェル「可能性は否定できないが、嘘を吐いているとは思えない。あなたの目的はなんです?その話しぶりではまかちーになにか頼めれたのではないですか?」
希七「ご明察。今回の俺の目的はまかちーが生んだ『久遠のアパート』の裏側を語ることだ。いくら疑ってもらっても構わないがこれ以上は前振り(プロローグ)が長すぎる。さくっと今回の物語を始めよう」
希七「久遠のアパートはまかちーが学生時代に考えた設定に加筆・修正を加えたものだが、設定だけ作ってほぼ書きかけの状態で放置していたらしいな」
雲「ずいぶんとずぼらな人ね。作って放置するだなんて片付けのできない雨みたいじゃない」
希七「まあな。ついでに飽き性だから設定だけで満足して肝心の小説を書いてなかった」
雨「飽き性って親父にみてえだなあ」
希七「連載するにあたって初期設定からいろいろ変えた。具体的なことは各キャラクターの設定のところで語るぞ」
日向「初期設定とかあったっちゃね。俺はどんなやったちゃろっか?」
希七「久遠のアパートは各話ごとに小テーマがあるが、全体テーマは『前代日本のアパートを舞台にした滅茶苦茶なキャラクターの非日常的な日常』だ」
良平「確かに英雄に異世界人、未来人や魔法使い、滅茶苦茶なキャラクターが揃ってるね」
雲「でもなんで舞台がアパートなのっ?」
希七「それはまかちーがアパートに住んでいるからだ。ジャンルがローファンタジーな件に関しては、二つ理由がある。最初こそコメディーにしてたんだがシリアスが多すぎるからと、魔法を使える猫とフェイトとヴェルがいるからっていう理由だ。作者自身、このジャンルでいいのか悩んでるがな」
晴「確かに悲しいこともありますね。でもちゃんと楽しいことも嬉しいこともあります!」
希七「次は『久遠のアパート』の時系列だ。番外編を除くと大まか以下の通りだな」
【201号室 取り立て屋】が二十年前。
【402号室 管理人室】が十二年前。
【203号室 異世界人】が十年前。
【202号室 改造人間と人型機械】が約十年前。
【103号室 ネット歌手】が二年前。
【301号室 未来少女】が一年前から十二月。
【101号室 殺人鬼と不死身少女】が四月。
【303号室 吸血鬼】が九月。
【302号室 見習い天使】が九月から十月
【102号室 小説家と天才少年】が十一月後半から十二月上旬。
【管理人室 大家兼英雄と四つ子】が十二月二十三日から二十五日。
希七「時系列がバラバラだからまかちーもわからなくなることがあるみたいだ」
灯火「だったら時系列順の方がよかったんじゃないかな……?そっちの方が読者の方も見やすかっただろうし……」
清水「私は灯火くんとの話が最初で嬉しいですよ!第一話は見る人多いでしょうから!」
希七「次は各キャラクターごとの裏設定だ。連載中の『久遠のマンション+魔法使いの喫茶店』のネタバレもあるかも知れないからここから先は注意してお読みください」
希七「部屋順で行く。まず101号室、殺人鬼の四川灯火と不死身少女の聖生清水だ。
灯火は弱虫で臆病だが殺人衝動を抑えられない殺人鬼って設定が先だ。
弱虫で臆病で根暗だから精神的に弱く、強い恐怖や怒りを感じるとブチ切れて真逆の性格のように暴力的になる。
だが二重人格じゃないからその時の記憶は残っている。夢を見ている感覚に近いがな。
清水が初恋の相手だがどう接していいのかわからないくせに、一緒に暮らしているへたれ野郎だ」
灯火「わああああ!清水の側でそういうこといわないでください!た、確かに僕は清水のこと好きだけど、でも僕なんかがこ、こ、恋人になれるはずがないよ……」
希七「清水は不死身であるが故に両親に愛されず、実験動物のように扱われていた。
そのせいで危機感がない。むしろ死に希望を見ていたくらいだ。灯火に出会ったことでそれも変わったがな。
清水も灯火が初恋の相手だが、持ち前の前向き思考で積極的に好意を伝えている」
清水「押してダメなら引いてみろっていいますけど、灯火くんに関しては引いちゃったら離れてしまうと思うんです!だからこれからも押していきますよ!」
希七「102号室は小説家の佐藤良平と天才少年の三神颯太だ
良平は容姿は平凡な青年だが中身が非凡な青年だ。
初期設定では家庭環境もサラリーマンに主婦くらいの普通の家庭から、黒野原千秋との関係性から裕福だが複雑な家庭環境に変更した。
千秋も大学時代からの友人から幼少期からの友人に変更した。
家庭環境のせいで血の繋がった家族すら信用しないドライな面があるが、心から認めた相手に対しては自分を危険にさらしてまでも深く大切にする情に熱い面もある」
良平「あの家は僕を必要としていませんからどうでもいいです。僕自身を見てくれる人がいてくれればそれで十分です」
希七「三神颯太は初期設定通りだな。天才過ぎて実の父親はそう接していいのかわからず、放任されていた。
賢すぎるせいで人から疎まれた経験から人と話すことに恐怖心があったが、良平が自分よりも賢く、颯太を褒めてくれたことで敬愛するようになった」
颯太「リョーヘイはなんでもしってるんだよ!それにすごくやさしいんだ。だからぼくはたくさんべんきょうしてリョーヘイみたいな人になるんだ」
希七「103号室はネット歌手の黒野原千秋だ。
千秋も初期設定とほぼ同じだな。違うのは良平と幼馴染みということくらいだ。
護身術に格闘技、特に空手をやっていた。持ち前の運動神経でかなり高位の段を持っている。
高校までは性格と真逆な儚げな美少女のような容姿だったが、本人に自覚は全くなかった。
恋心に鈍いところがあり、多福新から二年以上に渡ってアプローチされていても全く気付いていなかったほどだ。
座学よりも芸術や体育が得意でそれらは5だった」
千秋「うっせえええ!恋とか俺に聞くな!そ、そういうのはほかのやつに聞けよ!」
希七「201号室は取り立て屋の屋斎十真十だ
名前の由来はトマト=野菜からだ。髪色は熟れていないトマトだ、
昔は煙草を吸っていたが、猫に止められて口さみしさを紛らわせるために野菜スティックを貰っている設定だったが、いつの間にかコーヒーに変わっている。
私服が壊滅的にダサい。どれくらいダサいかというとまっかなアロハシャツに紫の斑模様ジャージを履くほど。
前前前……前世から猫に惚れているがそのことを知らない。
猫と魔法契約をしたことも知らない」
十真十「あ?過去なんて関係ねえよ。“今の”俺が猫に惚れたんだ」
希七「202号室は改造人間の椎葉日向と人型機械の自由だ。
二人とも初期設定とほとんど変わらないが、話が初期プロットよりもかなりシリアスになった。
それにこの話には猫が一切出てこない。
日向は方言男子+思春期ツンデレ+身長が平均よりも低いことがコンプレックスの要素を掛け合わせて生まれたキャラクターだ。
方言が強すぎて他の住人が聞き取れないことがある。
自由は片言+力加減が苦手+常識知らずの天然の要素をかけあわせて生まれた。
高校では日向のボディーガードとして入校を許可されている。その天然で素直な性格からクラスメイト達に受け入れられている」
日向「俺はこれから大きくなるっちゃが!今にみちょれ!」
自由「デハ好キ嫌イヲセズニ食事ヲ摂取シマショウ。夜ニハ成長ホルモンガ出ルノデ夜更カシモイケマセンヨ」
希七「203号室は異世界人のフェイトだ。
三十越えのおっさんが頭に猫耳を生やしてたら萌えるんじゃというまかちーのとち狂った発想から生まれた。
さらにドS+敬語毒舌+ひねくれ者という設定を足したせいで萌えるどころか、絶対零度で命まで凍らせるような苛烈なキャラクターになった。
容姿の美しさ故に男女問わずに迫られるが、得意の毒舌で容赦なく切り捨てる。
一度心を許した相手には絶対の信頼を置くが、捻くれ者のため好意がわかりにくい」
フェイト「へえ……まかちーはとてもおもしろいことを考えるのですねえ。一度お会いして得意の氷魔法を披露して差し上げたいですよ」
希七「301号室は未来人の鳩羽未来だ。
未来からきた魔法少女+天然という設定から生まれた。
普段は語尾に「~っ!」がつくほど勢いの強い元気な口調だが、悲しい時にはつかないほど弱弱しい口調になる。
自覚のない美少女で、中学では明るく誰に対しても平等な態度でクラス内外からモテているが、全く気付いていない。
両親は仕事が忙しく帰りが夜遅いことが多く、よくひいおばあちゃんの家に行き、昔話を聞いていた」
未来「パパもママもひいおばあちゃんも遠くに行っちゃったけど皆がいてくれるから寂しくないよっ!」
希七「302号室は見習い天使のパーヴェル=アウリオンだ。
牧師服を着ているのは天使=キリスト教=牧師という安直な理由。
無自覚な天才で真面目で融通が利かず、空気の読めないところがあり、他の天使たちからいじめられていた。
自分の能力が平均的だと思いこんでいるため、出来ない人は努力が足りないと思っている。
初対面の人間には愛想笑いと敬語を使うが、信頼した人物ほど無表情でぶっきらぼうな口調で話す。
他のアルバイトの女子高生と友達だが、治安が悪いと評判の高校に通っているため心配でならない。
今度、灯火を連れ様子見をかねて乗りこもうかと本気で悩んでいるほど」
ヴェル「俺ができることなんて誰にでも出来ることだろう?」
希七「303号室は吸血の多福新だ。
初期設定から一番変えたキャラクターだ。
そもそも新はアパートの住人ではなく、良平と千秋の大学の友人という設定で、変態ではなく少し腹黒いが好青年なイケメンだった。
だがそうなると出番が減るため急遽住人に。またそのままの性格ではアパートの住人として弱いので、千秋一筋な変態吸血鬼の残念なイケメンに。
姉の彩香は元は良平の従兄妹という設定で、家にいた颯太に驚いてもらう役だったところをリメイクし、変態の姉らしい老若男女が対象の痴女に」
新「えっ!?下手したら僕は第十一部で出番が終わってたの!?変えてくれてよかった!アキと会えるのがあの話だけなんて辛すぎて死ぬよ!でもあの愚姉はリョーヘイの従兄妹のままでよかったよ!」
希七「管理人室は英雄兼大家の四方山久遠と四つ子の四方山雨、晴、雲、雪だ。
久遠は四方山話=世間話=お喋り好きという連想から生まれたキャラクターだ。
喋らないと死ぬんじゃないのかというほど口が回るが、機嫌が最高に悪いときは黙りこむ。
笑美と出会う前は刹那主義者で今が良ければいいと他人の迷惑や善悪を無視し、家族からも勘当されていたほどのクズ野郎。
強烈な悪運の持ち主で殺されかけることが多々あり、大怪我をしたことはあっても後遺症が残ったり、死にかけたことはない。
四つ子は容姿の造形は同じだが、口調や雰囲気に服装、髪や性格などが違いすぎるためすぐに見分けがつく。
雨は黒目がちな二重、晴はたれ目、雲は吊り目、雪は眠そうな目をしている」
久遠「ちょっっっと待てい!俺の説明だけなんかまかちーの悪意が見えるんだけど!?クズ野郎ってなに!?確かにそうだったけどもっとオブラートに包んでくれてもよくない!?雨達も他の住人もいるんだし!?父親のメンツ丸つぶれだぞ!?」
雨「今でもリアン兄達に迷惑かけてんだし、大して変わってねえんじゃねえの?」
雲「むしろどこが変わったのか教えてほしいくらいね」
雪「……お父さん……変わった……?」
晴「確かにどこが変わったのかわからないけど、みんながそんなこといったらお父さんが悲しくなっちゃいますよ!」
希七「402号室は佐久間咲楽だ。
筋肉質+ファンシーなエプロン+元特殊軍人という設定から生まれた。
生きることに貪欲でフェイトほどではないが、ゲテモノ料理も結構食べられる。
久遠のことは尊敬しているが、大人気ない態度が多いため呆れることが多い。
口よりも手が先に出る。
人付き合いが苦手でアパートの住人とほとんど喋らない。
近隣の住人や商店街の人達には様々な事件を解決したことと、久遠のフォローで良好な関係を築いている」
咲楽「エプロンは俺の趣味ではない。久遠やお嬢様達に商店街の人達からいただいたんだ」
希七「次は作者の個人的な意見だから読み飛ばしてくれても構わない。
キャラクターの中でまかち―が一番の書きやすいのは良平だ。
時に自分の感情すら客観的に見れる彼は語り部にしやすく、癖の強い住人たちの中でも常識人なので、いろいろ重宝している」
良平「そんな風にいってもらえてありがたいです。でも納得ですね。特に吸血鬼とか銀髪赤目のやつとか303号室のあいつとか本当に自重してほしいですよ」
希七「書いていて楽しいのはフェイトと新と久遠だ。この三人は本当に自由で、まかちーに語りかけてき来るほどだ。
特にフェイトは何がそこまで彼をかきたてるのかひたすらにドSだ。ただしフェイトと正反対な純粋の塊のような颯太は苦手なようだな。
新は潔いほど千秋のことしか考えていないせいでまかちーは書く度に胸焼けしそうになっている。
その分がフェイトとヴェルにいっているのかもしれないな。
久遠には自重しろ!とリアンと一緒に叫びたくなる。
言動ともにこの作品一番の自由なキャラで、周りを巻きこむトラブルメーカー。
それで人を救い、雪だるま式に味方が増える。
ダメ人間の癖にな」
フェイト「おやおや。私なんて可愛い物ですよ。氷漬けにしてから跡形も残らないほど砕くなんてことをしていないのですから」
新「アキが世界中の誰よりも魅力的なのが悪い!ああっ!どうしてアキはあんなにかっこよくてかわいいんだろ!最高の恋人だよね!」
久遠「さっきよりはましになったけどダメ人間ってあんまりだろ!この扱いの差はなんだよ!?そんなに俺のことが嫌いか!?はっ!?実はまかちーは俺のこと大嫌いだとか!?まかちーにとっては俺は息子みたいな存在なのに!?」
希七「以上で『久遠のアパート』の裏側の物語は終わりだ」
猫「ずいぶんと長い物語だったね。語られない裏側の物語がこんなにあったなんて知らなかったよ」
希七「どんなに長い物語でもいつか終わりが来る。いつかあんたの物語が終わったら俺が迎えに来てやるさ」
猫「そうかい。だったらきっとすぐに迎えに来てもらうことになるだろうね」
希七「いやいやあんたはけっこうまかちーのお気に入りだ。そう簡単に物語から降ろさないから安心して残りの余生を楽しめよ」
猫「君はとても優しい子なんだね」
希七「おいおい。もう好意と嫌味の区別もつかなくなるほどぼけたか?それに俺に年齢という設定はない」
猫「なるほど。君は素直じゃないって設定なんだね」
希七「……あんたとの素敵で楽しいお喋りはここまでだ。そろそろエピローグの時間だ。魔法使い、いい残すことはないか?」
猫「また会った時はよろしくね」
希七「もう二度とないかもしれないが、その時はあんたの永遠の恋人が嫉妬するくらいよろしくしてやるよ」
なんの前触れもなく、ソレを残して猫も他の住人達も辺り一面もかき消え、なにもない空間へと変わった。
ソレは右手を心臓の上に当て左腕を後ろに回すと、道化師のようなおどけた礼を見せていう。
希七「ではまた次の物語でお会いしましょう」
次の瞬間、最初からそこに誰もいなかったかのように全てが消えた。
希七井和金≠作者です。
希七の出番が少なすぎて思わず登場させてしまいました。
彼は『物語の墓場』に登場する脇役です。
今回の話は番外編の中でも特別編ということで、猫や他の住人達の記憶には残りません。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




