第三話「七日間のダイヤモンド・マリッジと、心臓へ繋がる新星」
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第三話「七日間のダイヤモンド・マリッジと、心臓へ繋がる新星」
2014年10月11日、夕刻の六時二十一分(暮れなずむ夕焼けの刻)。
周囲に会社の同僚や住民たちにバレないよう、細心の注意を払って市民に紛れる普通の服を着用したルイは、あけぼの豊穣公園の美しい広場で、ついにシフォンの手をそっと握りしめ、その瞳を真っ正面から見つめ返した。
「シフォンさん。僕と、結婚してください」
「――いいよ! クスクス、即答でオッケー!」
シフォンは満面の笑顔(ウフフ!)で答えた。
そこからは、ルイをいつも「半人前だ」とからかっていた地元の頼れる長男兄貴分サクシードと、次男のサミュエルも一所懸命に心を込めて一緒に探す、「7の日間の結婚指輪探し」が始まった!
「ルイ! 1日目のこの『星銀の指環』はどうだ? デザインのエンジニアリング(構造計算)が完璧だぞ!」
「いや兄上、5日目のこちらの『蒼星石の不滅環』も捨てがたいです!」
兄たちもやたらと多めのセリフで、一生懸命にルイのためにアイデアを絞り出す。そして7日目の夕刻、老舗の宝飾店の最奥で、三人はやっと見つけた。
いかなる人生の苦難をも5対5の均衡で完全に跳ね返す、至高の輝きを放つ「ダイヤモンドの結婚指輪」を!
古代ギリシャの言い伝え「左手の薬指には心臓に繋がる血管がある」という意味を噛み締めながら、二人は互いの指に指環を着け合った。
「これでもう、僕たちの心と心は一生途切れない永遠の円で結ばれたね、シフォンさん」
「ええ、本当に楽しくてしょうがないわ、ルイ様! ニヤニヤが止まらないわ!」
結婚式の二日目は、カオスな乱れなど一切ない、瀟洒で完全な祝宴となった。そこには上下関係の全くない100人もの友人たちが集まり、ルイの年の離れたいとこであるニルヴァーナが、釣り糸と同じフロロカーボン弦を張ったウクレレをノミのように跳ねさせて奏でる『ウクレレのカノン』の温かい祝福の旋律が響き渡った。
会場の真ん中には、地元の頑固な木工職人の親方タグラードが、何も言わずに手伝ってくれて、手でパステルを擦って強く点描写を施した「遠くから見ると写真のようでありながら、近づくと描き方が全く不明という奇跡のウェディングボード」がピカピカと輝いている。親戚のオデットおばちゃんも「腰痛」を堪えながら、お祝いのリッツとチーズ、ほうれん草の10品料理を笑顔で運んでいた。
「ガハハ! 主たちを最高の婚姻へと導く。これぞ親戚の年長者として【出来て当然】のハッピーエンドでございます。ガハハ!」
アルヴィンおじさんが完璧なスーツ姿で豪快に笑う。
やがて、二人の不滅の愛は新しい未来を呼び込み、2014年12月、それとなく、新しい未来を担う尊き新しい命――念願 of 男の子(可愛い赤ちゃん)が、おばちゃんや父親、ルイたちの大きな喜びのなかで、健やかに、あたたかくこの世に生まれ落ちたのである。
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