Dead or date(3)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。
午後5半頃。すっかり日が傾いた夕暮れ時に龍と柚は、白浜の名所である三段壁の近くにある全室オーシャンビューのホテル・白浜ロイヤルホテルに到着した。
ターゲットを捜し出すためにも、まずは宿泊した方が合理的だ。そう考えた2人はとりあえずチェックインを済ませ、部屋に向かおうとしたが、そこで意外な人物と出会った。
「あれ? 龍? それにそっちは確か、柚だっけ?」
「え……? ね、姉さん!」
そう。長崎の時同様、仕事に来ていた奏だった。
その事情を聞いた龍は、今回は自分も仕事でここに来たことを伝えた。
「そっか。けど、わざわざこの子を連れて来るとはねぇ。公私混同はよくないよ。龍ぅ」
「ち、違うよ! 姉さんには言ってなかったけど、彼女は死獣神の新しい仲間なんだ!」
「え!? そうなの?」
驚いた奏がそう尋ねると、柚は首を小さく横に振り、
「少し違いますね。確かに私は死獣神のメンバーですが、龍君の敵でもあります。同時にセフレでもありますが」
と、答えた。
彼女の口から出た『セフレ』という単語に過敏に反応した奏は、鬼のような形相で龍を睨み、彼の胸ぐらをガシッと掴む。
「ちょっと龍ぅ。これはどういうこと? あんたはいったい、いつからそんなふしだらな奴になっちゃったのかなぁ? お姉ちゃんそんな子に育てた覚えないんだけど」
「えっと、それは、その……猫宮さんに求められて……」
「求められりゃそういうことすんの? あんたには理性っつーもんが無いの? えぇ!?」
姉の怒気がこもった迫力は圧倒的で、普段は殺気で人を屈服できる龍もこれには気圧され、反論することさえできなかった。
そんな彼を弁護したのは、原因である柚だった。
柚から自分の異常な性欲を、龍が鎮めてくれてるという説明を受けた奏は、徐々に落ち着きを取り戻し、お人好しの龍の人助けということで、全部が全部納得はできないがとりあえず許し、彼から手を離した。
「しっかし、あの柚がねぇ。ただの天然ちゃんだと思ってたけど、こんな性癖まで……って、あれ? この子、前からこんな性格だっけ? てか、今『敵』って言わなかった?」
「はい。言いました」
「けど、龍とは学校の友達でセフレって……え……? どゆこと?」
柚の本性を知らない奏が少々パニックになってそう聞くと、龍は自分と柚との関係を詳しく説明した。
まぁ、姉の立場からすれば、最愛の弟にセフレができたと知らされれば、あまりいい気はしないでしょう。
尚且つ敵と明言してるわけですし。




