双鳥の宴(4)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。
目が覚めると、鳳凰は薄暗い地下室で手足を鎖で拘束されていた。
視力の悪さと暗さのせいでよくわからないが、自分だけここに運ばれてきたらしい。
と、そこへ、彼女をここへ運んできたであろう勤が闇の中から現れた。
「お目覚めかな? お嬢さん」
「影山さん! 雲雀さんは?」
「あの下品なお友達なら、今も応接室で寝ているよ。すまないね。2人っきりになるには、こうするしかなかったんだ」
「ということは、あなたが……」
鳳凰がそう言うと、勤はニタァと微笑んでカツラをとり、不潔なハゲ頭ごと自らの正体を明かした。
彼こそが屋敷の主人・高山卓志だったのである。
「しかしまぁ、美しいだけでなく賢いとは、実に素晴らしい。この上なくそそられるよ」
そう言いながら、視姦するような目で舐め回すように見てくる彼に、鳳凰は毅然とした態度で、犯行の動機を尋ねた。
卓志いわく、彼の求める女性はいわば汚れと世間を知らない高嶺の花であり、そんな花を愛し、余すところなく汚すことが、彼にとって至高の快楽らしい。
そんな身勝手な動機を一通り述べた卓志に顎を持ち上げられ、吐息がかかるくらいの距離まで顔を近付けられた鳳凰は、いまだやらしい目をする彼に冷徹な言葉と目を浴びせた。
「……でしたら、私からも言いたいことが2つほどあります。よろしいですか?」
「何かな?」
「1つ。私は汚れなき女性ではありません。かつてカルト教団の教祖である父に広告塔に仕立て上げられ、殺し屋と共謀してその父を殺した罪深き女です」
「え?」
「それからもう1つ。先程からあなたは、自分好みの女性を高嶺の花と評しているようですが、こういう言葉をご存知ありませんか?」
鳳凰が卓志にそう言ってると、階段を下りてくる足音がし、地下室の扉が開いた。
いますよね。こんな自己中心的で気色悪い性犯罪者。
これをやってしまっては、美醜も貧富も関係なく、異性としても人としても1発アウトです。
まぁ、殺し屋も同じかもしれませんが。




