天翔る不死鳥となれ(4)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。
その白虎は、今まさに過去最大級の窮地に立たされていた。
ここまで、両足のみでなんとか凌いできた彼だったが、やはり、ムルタの猛攻全てをさばききることはできず、何度もダウンしては、ボロ雑巾のように痛めつけられた。体力も精神力も限界近くまで疲弊しきっており、意識を保つことで精一杯の状態である。
(どうなってんだ? あいつの体。蹴っても蹴ってもノーダメージなんて、ふざけてるとしか思えねぇ。くそ! どうすりゃいいんだ? こんな時、あんたならどうするんすか? 師匠!)
満身創痍で手の打ちようがない白虎は、ムルタを倒す糸口が無いかと、今は亡き師匠の教えに救いを求めた。
その祈りが届いたのだろう。不甲斐ない弟子の脳裏に、4年前の師匠の教えが蘇った。
世のあらゆるものには面と点が存在する。
面とは、広く浅いもの。格闘技なら掌打や蹴り、パンチのことを差す。
対して点は、一点集中で内部まで届くもの。かかと落としや突き刺し等がそれである。
これは防御面でも同じで、体の内側を鍛えている者に点の攻撃は通用しない。逆もまた然り。
故に、白虎流護皇死神拳の継承者たる者、攻防共に面も点も極めなければならないのだ。
そのことを思い出し、ハッとした白虎は折れかけていた闘志を取り戻し、闘気で髪を白金色に染め上げた。
「ん? まだやる気か?」
「当たり前だっ! 俺は白虎! 虎は誰にも屈しねぇっ! いくぜ……面には点を。白虎牙蹴っ!」
そう言って白虎は、つま先でムルタの左腕を貫いた。その途端、彼の口から初めて悲鳴を上がった。
度重なる肉体改造で、表面上は筋肉の鎧に覆われた彼でも、内側まで抉るこの蹴りだけは防ぐことができなかったのである。
師の教えから勝機を見出した白虎は、そこから白虎牙蹴の連続版・白虎牙烈蹴をムルタに叩き込み、一気に形勢を逆転させた。
白虎の髪が白金色に染まるということは、勝利フラグが立つも同然です。
となれば、あとはムルタにトドメを刺すのみです。




