表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死獣神~腸の書~  作者: 天馬光
44/77

青龍と赤龍と伝説と(6)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。

 時を同じくして、岩男と源士郎は今回のことを振り返りながら昼食を共にしていた。


「……まぁ、何はともあれ、何とか首の皮1枚つながったな。いやー良かった良かった」


「あぁ。だが、V-0はアメリカに戻ってしまった」


「そりゃそうだが、何の脅威も持ってねぇ今の日本じゃな。ま、100点満点じゃねぇが上出来だろ」


「お前がそうやって下手に出ている時は、キレてる証拠だ。気持ちはわかる。このままにしてはおけんな。でなければ、早晩アメリカに呑まれることになる」

 そう言い合う彼らは、日米の力関係に不満を抱き、危惧していた。


 第2次世界大戦から数十年。同盟とは名ばかりの強要が今尚続いている。沖縄問題等がその代表例である。いずれこの関係が続けば、日本はアメリカの植民地同然となる。

 それを打破するために彼らが欲した物。それは、アメリカにNoと言えるだけの軍事的脅威。もっと言えば核かV-0である。強い力を持てば、強要や侵攻をされなくて済む。2人はそう考えていた。


 だが、そこに待ったをかける者がいた。2人の話を近くで聞いていたペガサスである。


 彼にとって脅威とは、兵器を差すものではない。どれだけ強力な大規模破壊兵器を作っても、それを扱うのは人間である。

 つまり、人間にとってはもちろん、世界にとっても生命にとっても脅威と呼べるのは、彼らを脅かす巨悪たる種族・人間であるとペガサスは考えている。

 ならば、それに対する最も有効な対処法は何か? それは対話による和解か殺害である。そうしてしまえば、核や細菌兵器はご大層な飾りと化してしまうのだ。


 彼の一通りの主張を聞いた岩男は納得すると、最後にペガサスにこう尋ねた。


「なら、ペガサス。お前は核もV-0もいらねぇのか? 人類の敵であるお前からすりゃ、効率よく皆殺しできるそれらを欲しがるもんだろ?」

 そう聞かれたペガサスは鼻で笑い、


「ご冗談を。欲は邪心の1つ。天使が持つべき感情ではありません。それに、何の罪も無い生命や自然を傷付けるなんて、僕にはできません」

 と、真っ正直に答えた。


「あと、僕は別に日本が他国に食われてもかまいません」


「何でだ?」


「人が言う国は所詮、人間が勝手に分けた州のようなもの。僕ら天使からすれば、地上世界全てで1つの国なんです。国や星を含めて、ね。故に、その中で合併しようが分離しようが、知ったこっちゃありません」


「そうかい。スケールがでけぇこって」

 岩男が嫌み混じりにそう言うと、ペガサスは話に割って入ったことを詫び、その場から去っていった。



 今は戦時中。戦場で結ばれる恋もあれば、どんな手を使ってでも勝とうとする者もいる。それによって涙する者もいるだろう。

 だがそんなこと、死獣神には関係ない。彼ら殺し屋は依頼を受け、仕事をするだけなのだから。


 それでも彼らとて血は通っている。その証拠に龍は、いつものように柚に襲撃され、雲雀と澪に取り合いされ、未来と仲良く話しながら、たくあんを味わった。

 今回の一件で、渓とアレックスと一緒に食べた思い出の味を………………

 源士郎と岩男が危惧することは、近い将来起こり得ることです。それだけ日本はアメリカの腰巾着と化しています。政府に少しでも愛国心や国の誇りというものあるのなら、アメリカに迎合せず、Noと言えるようになってもらいたいものです。

 あと、今回のペガサスの考えは、この一連の話で最も皆さんに伝えたかったことです。その胸に刻んでください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ