戦士の帝国(3)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。
名前だけなら聞いたことがある龍は、初めて見る生のグリーンベレーに対し、実在したんだと思う一方、自分達をナメきった彼らの態度に不愉快さを感じていた。
「そうか。ならば聞くが、レッドフィールド曹長。吹き矢といい、この包囲といい、いったいどういうつもり?」
「なぁに、グリーンベレー式の挨拶をしたまでだ」
その返答に、渓は立腹した。
「これが挨拶? 冗談じゃ済まされないわ!」
「冗談? それはこっちのセリフだ。たった2人でこんなところに何しに来た? バスケット持ってピクニックにでも来たつもりか? はっきり言わせてもらうが、貴様らは我らの作戦遂行において、邪魔以外何物でもない。死獣神とかいう自称プロのこんなひ弱なBoyに頼らざるを得ない敗戦国のカスアーミーなどな!」
アメリカ軍、特にグリーンベレー至上主義のアレックスにバカにされ、龍と渓はカチンときた。しかしそれでも、アレックスの発言は続く。
「貴様らは今すぐ家に帰って、チャンバラでもしてろ。それとも何か? あんたはまた奴に辱められたいのか? えぇ? 武石中佐殿」
その言葉が胸に深く突き刺さった渓は、悔しそうに下唇を噛んだ。
その様子を見て満足したのか、優越感に浸ったアレックスは、部下達に作戦続行を命じ、出発しようとした。
だが龍は、言われっぱなしで黙っているような男ではない。
「あのー、ダメですよ」
「あ? 何か言ったか? Boy」
「はい。ダメですよ。彼を殺すのは僕の仕事ですから。緑帽のヤンキーさん達は仕切らないでください。こう言っちゃ申し訳ありませんが、1番邪魔なのはあなた達の方です」
見くびっていた少年からそう言われて、アレックスの部下で黒人のジャック伍長は、龍が調子に乗ってると思い、今の内に力の差をわからせてやろうと、アメフト仕込みのパワーと巨体を駆使して近くにあった岩をタックルで粉砕してみせた。
「どうだ!? この有り余るパワーを見ても、まだそんな口叩けるかぁ? どうせ口ばっかで、本当は俺を殺すこともできねぇんだろ? ん?」
あからさまにそう挑発された龍は、怯えることも虚勢を張ることもせず、素手で首を折るなり、指で脳や心臓を貫くなりして殺せると、冷静に答えた。その上で、
「まぁ、その気になれば、こんな油断だらけのトッローい兵隊さんぐらい、老若男女問わず殺せるでしょうけどね」
と、笑顔で言い返した。
からかうつもりが逆にバカにされたジャックは、自尊心を傷付けられたことに怒り狂い、龍を殺そうとタックルをしかけた。
差別的発言申し訳ありません。
目をつぶっていただけると幸いです。




