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死獣神~腸の書~  作者: 天馬光
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『死』のための生(2)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。

 それを見ていたペガサスの中で、全ての謎が1本の線となって繋がった。

 玄関や居間にあったそれぞれの私物。5人で寝泊まりするには無理がある居住スペース。そして、朋美が何度も言っていた『みんな』という言葉やコロコロと変わる性格。

 それらから導き出される答えは1つしかない。


「乙女ちゃん。キララさんって人は、おそらく君の中にいるんだろう? つまり、君達は5人の人格であり、それらが1つの体を共有している者……すなわち、多重人格者、なんだよね?」

 真相に辿り着いたペガサスにそう言い当てられて、乙女達は肯定した。


「その通りだよ。坊や。あたし達ゃ朋美を主人格とする5人で1人の存在」


「その中でもキララ姉ぇは、あたし達の中で1番強くて、1番偉いの。でも、キララ姉ぇは人の力を借りないと戦えないの。だから、お願い。あたし達はともかく、キララ姉ぇの力になってあげて。ペガサスお兄ちゃん達」

 疑問や怒りが氷解していたペガサスは、乙女を安心させようと彼女の頭を撫でながら優しい笑顔で頷いた。


「うん。わかったよ。乙女ちゃん」


「約束、だよ……」

 乙女がそう言い終えると、髪の毛がオレンジから神々しい金髪に染まっていき、クールな印象の美女へと変貌した。

 そう、彼女こそがずっと待っていた殺し屋・重岡キララである。



 それからはあっという間だった。キララは支度を済ませると、ペガサスと共にターゲットの元まで移動し、現地に到着するとターゲットの頭を蹴り砕いて即死させた。

 ほとんどを移動時間に費やしたこの仕事で、ペガサスがしていたことは、目撃者を出さないように見張ること。それと、仕事を終えた彼女を回収することだった。


 と言うのもキララいわく、確かに彼女は全人格中最強ではあるが、同時に最弱でもあるそうだ。

 その理由は、キララが出ている間は体への負担がデカすぎるらしく、彼女が活動できる時間はもって1時間。それを過ぎると、他の人格と共に強制的に眠りについてしまう。その休眠時間はキララを出す間隔が狭ければ狭いほど長く、彼女自身を休ませる時間も伸びる。だから最弱なのだ。

 そんなリスクを抱えた彼女を、安全に家まで帰す。そのためだけに、ペガサスと翔馬は呼ばれたのだ。

 仕事も謎も無事解決しました。

 ですが、まだ話は終わっていません。このタイトルの意味にまだ触れてはいないのですから。

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