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3.ランウォーカー家

 俺がこの世界に転生してから早くも一ヶ月近く経った。

 ただ、ゴロゴロしていた。

 流石に生まれて一ヶ月じゃあ体を上手いこと動かせない。

 首も据わってないしな。


 毎日の順番としては 【起きる→食事→寝る】を延々と続けていた。


 これを成人男性がやっていたら即メタボ予備軍になるぐらいゴロゴロとしていた。


 赤ちゃん用のベッドからも出ることが出来ず、毎日ニートのような生活をしていた。


 でも、ニートでもこんな風に毎日、身の回りの世話をしてくれるネコミミメイドさんと、毎日食べさせてくれる美人母親がいれば案外楽しいのかもしれない。

 まあ、赤ちゃんだから当たり前のことなのだが。


 この体に転生して一番恥ずかしかったのはやっぱり排泄の時だな。


 毎回クロエが担当でおしめをを替えてくれる。

 こっちは羞恥心でいっぱいいっぱいなのに、クロエは楽しそうにおしめを替えてくれる。

 なにがそんなに楽しいのだろうと思ったりもするのだが、まあ、本人が嫌々やっている訳じゃないのでそれはいいだろう。


 最近はクロエの表情の変化にもわかるようになってきた。

 そして極稀にだが、物凄くデレっとした顔を見せるときがある!

 あの表情は反則級だ!

 あの表情を見たときのことを俺はラッキーデーと呼んでいる。

 まだ2回ほどしか見ていないが。

 毎日あんな風に笑って欲しいものだ。


 あと、他に恥ずかしいことと言えば、食事の時だな。

 なぜなら、赤ちゃんには避けては通れないお乳の時間だからだ!

 母親のエリスのあのナイスな空間に

 顔をつけるというよりかは埋める感じなのだが、

 そこに近づくだけで甘い匂いがする。

 そして、マシュマロのような柔らかい空間はなんとも言い難い幸福感を味わう事が出来る。

 羞恥心6割、幸福感が12割って所だな!

 おっと、これじゃあオーバーしてるぜ。

 まあそれぐらい凄かったとだけ伝えておこう!


 ちなみにクロエの幸せ空間はお椀型とだけ言っておこう。

 成人男性だったら手のひらに納まるサイズ。


 まあ、そんなこともありながら一ヶ月を過ごしたのだけれども少しずつだけれどもわかってきたことがある。


 それはこの家についてだ。

 この家はやっぱり裕福な貴族な家で、家名を「ランウォーカー家」と言うらしい。

 爵位は辺境伯というなかなか位の高い貴族との事。


 だが、このランウォーカー家はただの位が高いだけの 貴族では無く、他の貴族には無い特殊な環境の土地に住む貴族だった。

 その特殊な環境というのは二つある。


 一つは国境の近くにある領地だという事。

 これだけなら他にも国境に領地を持つ貴族はいるのだが、問題は隣の国だ。


 まだ国について詳しい事は分かっていないが、この領地は、隣の国との唯一の防波堤らしい。

 他にこの国へ来ようとする方法は、他の国の国境を越えるか、もう一つの方法を取るかになってしまう。


 もう一つの方法は後に回して、その国が俺たちの国を攻めようとすれば、必ずランウォーカー家の領地が戦場になってしまう。

 だからランウォーカー領には1万ほどの常備軍がいたりする。もう少し人数がいてもいい気がするが、王都にいる貴族が一つの領地に軍を置くのを許さないらしい。そんなこと言っている場合じゃないと思うのだが、大人の事情だとか……


 そうして、もう一つの理由というのが、俺の部屋の窓からも見えるとても大きな山だ。


 この、赤ちゃんの仰向けの姿勢では、どでかい山しか見えないのだが、クロエが言うには麓には直径5㎞ほどの湖があり、麓から直径20㎞ほどの森が広がってるとのこと。


 この森を含めた土地の事をみんな「魔の大地」と呼ぶ。


 何故ならこの大地には大量の魔物が生息しているからだ。

 中に行けば行くほど魔物は強くなるらしく、山の中にはドラゴンもいるらしい。


 らしいというのは、行った事のある人が居ないからだ。

 言い方を変えると戻ってきた人が居ないのだ。

 それぐらい危険な所らしい。


 武術に優れていると聞いた父のジークでも山の麓近くの森が精一杯との事。


 そして厄介な事にこの魔の大地は、十数年に一回魔物の大行進が起こるらしい。


 一番最近で2年前に起きたとの事。

 その時の大行進で当時の領主、ジークの父で俺の祖父にあたる人が、ケガを負いそれが元で亡くなったと聞いた。その後、ジークがランウォーカー辺境伯領を継いだ。


そして先ほどの隣の国のもう一つ攻める方法がこの魔の大地を通り抜けることだ。

一度試したみたいだが殆どの兵が戻らずに、帰ってきたのが出発時の10分の1ほどだったらしい。

それぐらい危ない土地だという。


 隣の国からの進軍と、魔の大地の魔物の大行進。

 この異様な二つの事があるから、誰もこの辺境伯領の領主をやりたがらない。


 それはそうだ。

 この領地が負ければ、国は一気に危機的状況に陥ってしまう。そんな領地を持つぐらいだったら、国内の安全な場所に家を建てたりした方が断然マシだからな。


 こんな土地を治める父親のジークには妻が三人いる。子供は俺を含めて男が3人、女が1人だ。


 一人はもちろん俺の母親で第一夫人であるエリスだ。

 フルネームはエリスレット・ランウォーカーで、今年22歳になる。銀髪で赤い目という珍しい色をしている。俺はそれを受け継いでるのを鏡を見て気付いた。

 家はランドルフ伯爵家の次女で、父とは王都にある学校で先輩、後輩として出会ったそうだ。

 そして二人は相思相愛で結婚したのだが、中々子供は生まれず今年ようやく俺が生まれた。


 二人目が第二夫人で二人の兄弟の母親である

 エリザベート・ランウォーカー夫人である。

 この人はリンガル伯爵家の長女で、前世のラノベにあるような典型的な貴族のような女性だ。見た目は綺麗なのだが、目つきがキツく怒っているように見えてしまう。


 一度子供と一緒に俺を見に来たが、とても綺麗な女性だったがさっきも言ったようにとても目つきがキツくて怖かった。その上、二人の子供にも睨まれた。

 なんで睨むんだとも思ったが、流石にアレにはイラっときた。だから子供二人の名前は忘れてやったぜ!


 夫人は夫人で「こんな危険なところではなく王都で子供たちは育てます」と言い今は王都に住んでいるらしい。ジークもそれを了解しているのか王都の屋敷の管理を任せているとのこと。次に会えるのはいつになる事やら。


 そして、三人目は第三夫人で姉の母親であるエイリーン・ランウォーカー夫人だ。赤髪の長髪で小麦色に焼けたカッコいい感じの人だ。

 もともとランウォーカー辺境伯領の騎士として軍に在籍していて、今まで同じ騎士仲間たちと勝負をしても負け無しというぐらい強いそうだ。


 その時に、世継ぎであったジークと出会って決闘をしたらしい。

 その決闘にジークに負けてからは、ジークにゾッコンらしい。

 そのような縁もあって結婚したとのこと。

 そして生まれた姉の名前はエアリス・ランウォーカーと言う。

 年齢3歳で将来はかなりの美女になるだろうと思えるほどの可憐さを身にまとっていた。髪は母親譲りの赤色でとてもお転婆な子だ。

 まあ、出会った瞬間「この子、ほちい‼︎」と言われた時はさすがにみんなびっくりしていたが。


 まあこんな才能豊かな家族が沢山いるわけだ。

 その中で俺は、この土地でやっていけるのか少し不安に思ってしまう。だって女神から俺の才能は中の中言われるほどだからな。エリスが第一夫人だから俺が継ぐことになるだろうしね。今から色々と不安だ。


 そんな事を思いながらも、窓から射す日向の気持ちの良い温もりのせいでまた眠くなってきた。


 まだ生まれて一ヶ月の俺がそんな難しいこと考えてもしょうがないか〜とか思いながら深い眠りについていった。



 女神から貰った特別なスキルの事を忘れたまま……

説明回になってしまった!

早くクロエをモフる回をしたい!


訂正8月7日

家族紹介のエリザの部分やレイの発言について訂正しました。少し長いので活動報告にどの箇所を訂正したか載せておりますので、気になる方はそちらをご覧ください。

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