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閑話 レイとイチャイチャし隊

「……ついに、作戦を開始する時が来たわ」


「ええ。私たちにかかれば必ず捕まえられるはずよ」


「わ、私も微力ながらお手伝いします!」


「従兄さん、待っててね! 私の初めてあげるから!」


 ◇◇◇


「ふわぁ〜、久し振りによく寝たぁ〜」


「くわぁ〜」


 各国の王たちを招いた会議が終えた翌日。俺はベッドの上でぐぐぅーと体を伸ばしていた。最近は眠る時間を削って会議の準備をしていたからな。昨日は久し振りにゆっくりと眠る事が出来た。


 隣では、俺と一緒に眠っていたエクラが同じように体を伸ばしてあくびをしている。ははっ、可愛いな。俺がエクラの頭を撫でて和んでいると、扉をノックされる。この時間帯だと


「し、失礼します、レイ様!」


 やっぱり、クロナだった。でも何処か様子がおかしいような。気のせいか?


「おはようございます、レイ様! 昨日は直ぐに寝られたようですが、お体は大丈夫ですか?」


「おはよう、クロナ。ああ、体は大丈夫だよ。ここ最近はしっかりと眠れてなかったからな。昨日は久し振りにしっかりと眠る事が出来たよ」


 俺がそう言うと、クロナも良かったです、と笑顔になり、いつもの朝の準備をしてくれる。でも、時々チラチラと俺を見ては顔を赤く染める。なんだ? どうかしたのだろうか? だが、俺が聞く前に


「さあ、レイ様。準備して食堂へ向かいましょう。みなさんお待ちですよ」


「あ、ああ、直ぐに行くよ」


 クロナはいつも通り準備をして部屋を出て行ってしまった。聞きそびれたな。まあ、後で聞いてみるか。俺も着替えるか。


 俺は顔を洗い服を着替える。いつもの定位置にエクラを乗せて、廊下を進む。廊下を進むと、すれ違う侍女たちに頭を下げられる。


 そういえば彼女たちの契約期間もそろそろ終わりだな。彼女たちは会議の間だけという約束で、ナノール王国の侍女長から雇わせてもらっていたし。その準備もしなければ。


 ナノール王国から借りていた机なども返さなければ。考えたら色々とやる事が多いな。まあ、急いでやる事は侍女の事ぐらいだから、ゆっくりやろうかな。


 戦争の準備のため転移魔法陣を追加で作らないといけないが、それも今は材料を集めさせている段階だし。


「キュ、キュ、キュ、キュ、キュルル、キュッ!」


 俺の頭の上で、楽しそうに鳴くエクラ。今日は一段とご機嫌だな。何かいい事があったのだろうか。そんなエクラを撫でながら食堂の扉を開けると、既にみんなが座って待っていた。


「おはよう、レイ。よく眠れたかしら?」


「ああ、おはようアレクシア。みんなもおはよう。ぐっすり眠れたよ。よっぽど疲れていたみたいだ」


 俺はいつもの定位置である上座の席に座る。他のみんなは俺以外は席が決まっておらず、早い者勝ちなのだ。


 今日は俺の右前にアレクシア、左前にキャロが座っている……あれ? そういえばメイちゃんやロイにフィーリアたちがいない。まだ、この領地にいたはずだが。


「それでは、レイも来たし食べましょうか」


「なあ、メイちゃんたちはどうしたんだ? 何時もならいるはずなのだが」


「ああ、メイちゃんたちなら、ランウォーカー辺境伯領に行っています。フィーリアちゃんが誘ってくれて」


 プリシアがそう答える。そうなのか。まあ、遊びに行っているなら大丈夫だろ。ランウォーカー領なら心配ないし。


 それから、みんな朝食を食べ始める。ここにいるのは俺を除いてはアレクシア、フェリス、キャロ、ヘレン、エアリス、マーリンさん、プリシア、エクラ、香奈、麻里ちゃん、クロナだ。


 いつもより何人かはいないが、それでもかなりの人数だ。そんな事を思っていたら


「レイ。今日は何か予定はあるの?」


 と、アレクシアが尋ねてくる。それに反応してみんなが俺を見てくる。うーん、予定か。とりあえずは


「急がないといけないのが、ナノール王国から雇わせてもらっている侍女たちの返還かな。そろそろ契約期間が終わるし」


「そういえば、そうだったわね。でも、そんなに焦らなくても良いんじゃないの? お父様なら少し遅れても許してくれるわよ」


「うーん、そうは言っても、親しき仲にも礼儀ありって言うだろ? 契約期間は会議が終わるまでだから、今日中には皆さんを家に帰してあげないと」


 俺がそう言うと、アレクシアはぐぬぬと言葉を詰まらせる。どうしたんだ? 何かあるのだろうか?


「それでは、それが終わった後は特に無いのですよね?」


 そこに、アレクシアを助けるようにヘレンが尋ねてくる。それが終わった後か。確かに急ぎは侍女たちを返す事だが、他にもやっておきたい事はあるしな。


 その事を伝えると、アレクシアたちは食堂の端っこに集まって、何か話し合いを始めた。朝食を食べているのは俺と、エクラだけだ。


 そして、アレクシアたちは話し合いが終わったのか、自分の席へ……は戻らずに、俺を囲うように立つ。な、なんだ?


「レイ、申し訳ないのだけど、あなたには捕まって貰うわ」


「はっ? うおっ!」


 アレクシアが不穏な一言を言うと、俺に向かって魔法を放って来た。捕縛系の魔法だ。俺はすぐにその場から跳びのき避けたが、一体なぜ!?


「くっ、避けられたわね。でも、逃がさないわよ!」


 みんなが俺にジリジリと詰め寄ってくる。なぜだ? 俺何かしたっけ? 理由はわからないが、ここは逃げるべきなのだろうか。それとも、話し合うべきなのだろうか?


「み、みんな、落ち着け。なんで、こんな事をする! 俺なんかしたっけ?」


「ええ、したわよ! 犯してはならない大罪を!」


 エアリスはそう言いながら、俺へと飛びかかってくる。ど、どうするべきか。避けるべきか、受け止めるべきか。


 俺はエアリスを受け止める事にした。何をしたかはわからないが、みんなをこれだけ怒らせるような事をしたのだろう。ここは素直に謝るべきだな。覚えていない事も含めて謝らなければ。


「へっ?」


 エアリスが飛びかかって来たので、エアリスを抱きしめる形で受け止める。エアリスもさすがに予想していなかったのか、間の抜けた声を出す。そして


『ああぁっ!!!』


 と、婚約者たちの悲鳴が聞こえる。


「ごめんな、エアリス。なんでそんなに怒っているのか、俺にはわからないんだ。申し訳ないが教えてくれないか?」


「わ、わかったから、もっとぎゅっとして!」


 お、おう? 俺の予想外の答えが返って来た。もっと、ぎゅっとすれば良いのか? 言われた通りぎゅっとすると、エアリスの顔は、これ以上ないくらいふにゃふにゃになった。何これ、可愛い。


 ふにゃふにゃになったエアリスを抱きしめていたのだが、直様、アレクシアたちによってエアリスは捕縛されてしまった。


 そして、エアリスは囲まれて、みんなから怒られている。聞こえるのは、ずるいとか、私もされたいとか、もっとそれ以上のことがされたいとか、様々だ。……なんだよ、それ以上のことって。


 それから、みんなを宥めて、元の席へ座らせる。みんなから良く話を聞かなければ。なんであんなに怒っていたのか。クロナがみんなの前に飲み物を置いてくれたのを確認してから話し出す。


「それで、さっきの事なんだが、俺がみんなを怒らせた理由を教えて欲しい。みんながあんなに怒るほどなんだ。相当な事したのだろうに俺は覚えていないんだ。すまない!」


 俺はみんなに頭を下げる。こんな事で許されるとは思わないが、せめてもの誠意を見せなければ。すると


「ああ、頭を上げてくださいレイ君! 別に私たちは怒っていませんから!」


 と、ヘレンが言ってくる。恐る恐る頭をあげると、とても困ったような表情を浮かべるみんなの姿があった。


「別に怒ってはないのよレイ。ただ、最近レイは会議の事や魔族の事で忙しかったでしょ? だから、少しでも休んでもらおうと私たちは考えていたの」


「だけど、従兄さんはいくら聞いても仕事仕事って言うから。みんなで話し合った結果、無理矢理でも捕まえて休ませようって事になったの……建前は」


「建前?」


「本当は私たちはレイとイチャイチャしたかったのよ! 特に私たちお留守番組だった人は!」


 キャロ、香奈、フェリスの順番にさっきの行動の理由を話してくれた……そう言う事だったのか。確かにここ最近は働き詰めで、休む事もなかった。


 それにアレクシアやクロナはレガリア帝国に行っている間でも一緒に過ごす事は出来たが、他のみんなは出来なかったしな。それは確かに怒られても仕方ない。俺が悪いのだから。


「……わかった。今日の午後からみんなでまったりと過ごそう。さっきも言ったが侍女の件だけは終わらせようと思う。みんなごめんな。みんなの事を考えずに」


「謝らないでください。私たちも我儘を言っているのはわかっているのですから」


 プリシアはそう言うが、やっぱりこう言う事は俺からしてあげないといけないからな。どこをどう考えても俺が悪い。


 それから、食事を終えた俺は、ナノールから派遣されている侍女たちを集めて、契約の確認と、終了に伴う給料を払っていく。


 中には、このままここで働きたいと言う侍女もいたのだが、さすがに俺が許可を出すわけにもいかないから、一旦ナノールに帰ってもらい、ナノールの侍女長と話した上で、連絡をもらうようにした。勝手に引き抜いては申し訳ないからな。


 全員で30人くらい侍女を派遣してもらっていたので、一人一人確認していると、あっという間に昼間になってしまった。


 他にも仕事はあるが、みんなと約束したからな。今日はこれで終わりだ。しかし、まったり過ごすとは言ったものの、何をすれば良いのだろうか。朝食を終えてからは、みんなの姿を見なくなったし。


 とりあえず食堂に向かうと、そこには誰もおらず、机の上に一枚だけポツリと手紙が置かれていた。そこには


『風呂場で待つ!』


 と、何故か真っ赤な赤色で書かれていた。なんで赤色? ちょっと怖いんだけど。でもまあ、ここで考えていても仕方ない。風呂場に向かうか。

なんかテンション上げて書いてたら、長くなったので、分けます。

明日はイチャイチャします。

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― 新着の感想 ―
侍女さん的にはこっちの方が見栄があって良いですよね。英雄の屋敷に居ました!ってね。
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