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174.槍の素材は……

「がはっ!」


 俺は何十という木々を薙ぎ倒してようやく地面に倒れる。くそっ。なんてパワーだよ。今の一発で体がボロボロになりやがった。ゲホッゲホッ! 内臓もどこかやられたな。


『小僧! てめぇの本気はそんなもんかよ!』


 大気を轟かせる様な咆哮が聞こえてくる。その声と同時に俺の上へと降り注ぐ雷。くそっ! 休む暇もねぇ! 俺は直ぐにその場から飛び退く。地面にぶつかり眩い光を放つ。危ねえな……ってやばい!!!


『おらっ!』


 先程の雷とは比べ物にならないくらいの重量を持つ一撃。俺はその場から飛んで避けたが、地面にぶつかった衝撃で吹き飛ばされる。ぐうっ。やっぱりこの人から素材を取るのはかなり厳しい……。


 ◇◇◇


「う〜ん、何か良い素材はないかなぁ〜」


 祝勝会が終わり今後の事を話した日から1週間が経った。この1週間は、王領に行く準備をしている。家に帰ってみんなに俺も行く事になった事を説明すると、みんな付いて来てくれる事になった。


 王領と言っても、元々はレガリア帝国領だ。万が一があった時のために残っていて欲しかったのだが、まあ、意見を変えてくれる訳もなく。


 光竜亭で働き始めたプリシアは少し迷っていたが、その時丁度やって来たヒルデさんが、王領に支店を作る事にしてプリシアを支店長にすると言いだした。


 プリシアはもちろん断ったが、ヒルデさんは自分も偶には行くから大丈夫と押し切ってしまった。まあ、ヒルデさんが竜化したら一瞬だからな。


 それならとプリシアも支店長を承諾。プリシアならこなせるだろう。なんでも一生懸命になれる子だ。メイちゃんも手伝ってくれる様だし。


 それから学園にいるダグリスたちに来てもらえないかお願いした。久しぶりに会った瞬間、物凄く心配されたが。


 ダグリスたちの返答はそれぞれだった。直ぐに大丈夫と言ったのは、エレアとシズクとバードンだった。ダグリスとレーネは家に残っているアルマに話さないといけないから待って欲しいと言う。それは当然だな。相談無しで行くとか言ったら、またダグリスが……。


 みんなの中で1番どうしようかと考えていたのはやっぱりケイトとエマだった。でも仕方がない事だ。2人は貴族の子息と令嬢。はい行きます、とは簡単には言えない立場だ。


 期間は1ヶ月あるから考えると言いと言うと2人は頷く。出来れば付いて来てもらいたいが、無理に誘うことは出来ない。まあ、多分許可は出そうな気がするが。


 それから、出発のためにいろいろと挨拶回りを行なった。冒険者ギルドにいる俺専属となっているラビさんにも挨拶をしとかないといけなかったし。


 ラビさんには直ぐに出会えて話をすると


「わかりました! 私も準備します!」


 とウサミミをわっさわっささせながら言う。何の準備? と思ったが、直ぐに裏に行ってしまった。まあ、伝えられる事は伝えたので良いだろう。そのまま冒険者ギルドを後にした。


 他に挨拶に行ったのは、ブロッサムガーデンの店長、マダムブロッサムのところだ。本当は行きたくは無かったが、アレクシアたちに押される形で行く事になった。あの空間だけは苦手だ……。


 マダムブロッサムに王都を出て行く話をすると、残念がられたが


「それならぁぁぁ〜、うちもぉぅぅぅ、支店を出すわよおん!」


 と言いだしたのだ。そして弟子として育てているのがいると言うので、連れてくると言う。……物凄く嫌な予感。そしてその予感は的中してしまった。


「私が育てている子で、ローズちゃんよぉう!」


「あらん! 英雄ちゃんじゃない! あちしの名前はローズよ! よろしくねえん!」


 マダムブロッサムに負けず劣らずの筋肉が出て来た。……もうやだ。嫌だけど、代官であるアレクシアの許可が出ればもう決定だ。なるべく行かない様にしよう。


 そんな事もありながら、この1週間は準備をしていたのだが、ここで問題が起きたのだ。その問題が


「耐えられる槍がない……」


 俺が使って耐えられる槍が無いのだ。ティグリスにロウガを切られたから、いろいろな槍を使ったが、どの槍も魔力付与をすると耐え切れずに折れてしまうのだ。


 唯一もったのが勇者から奪っ……借りた槍だ。だけど、あれも勇者たちと争った時に折れてしまった。その後もいろいろな槍を試したのだが、どれもダメだった。


「はぁ、どうしようか……」


「何悩んでいるの?」


 俺がリビングの椅子に座り、槍について悩んでいると、アレクシアがやって来た。隠すような事では無いので、槍の事を話すと


「う〜ん、難しいわね。レイの魔力に耐えられる様なものよね。あの魔力量を耐えられる武器はなかなか無いわね〜」


 やっぱりアレクシアも思い付かないかぁ〜。そんな風に2人でうんうんと唸っていると


「レイ君、お邪魔するわよ、ってどうしたの? 2人揃って頭を抱えちゃって」


 とヒルデさんが入って来た。ヒルデさんたちはいつでも入って来て良い様に言っているから、こんな風に入ってくる事もある。


 今日は王領に支店を出す事についてプリシアと話をしに来たらしい。プリシアは今はメイちゃんたちと買い物に行っているから少し待ってもらわなければ。


 そうだ! 長年生きているヒルデさんなら何か良い案が思い浮かぶかもしれない。そう思った俺はヒルデさんに槍の事を相談する。すると


「それなら良い素材があるわよ」


 とヒルデさんは即答してくれた。マジか!? しかし、その答えが突拍子も無いものだった。何故ならそれは


「なんで俺の牙を小僧にやらなきゃいけねえんだよ」


 今、光竜亭に俺とアレクシア、帰って来たプリシアにエクラ、ヒルデさんとやって来た。そう、ヒルデさんが提案したのは、属性王の牙から槍を作れば? というものだ。


 そして、俺がよく使う雷魔法と相性が良い、レビンさんの元へやって来たというわけだ。まあ、結果は予想通り断られたけど。やっぱり、無理だよなぁ。と考えていたらエクラがレビンさんの元へ行き


「キュルル?」


と可愛らしく首をコテンと傾ける。それを見たレビンさんは


「し、仕方ねぇなぁ。エクラちゃんのお願いなら聞いてあげよっかな。ただし条件がある。お前が実力を見せて、渡しても良いと判断すれば渡してやろう」


 とレビンさんは言う。ほとんどエクラのおかげだが、何とか貰える可能性は出て来た。俺の実力をレビンさんに見せる事で。


 こうして、レビンさん、雷竜王の牙をかけて、レビンさんと戦う事になったのだ。

先日モーニングスター大賞の二次結果の発表がありましたが、この作品は見事に落ちていました!


その日は余りのショックで8時間ほどしか眠れませんでした(笑)


まあ、落ちてしまいましたが、皆様が読んでくださっているおかげで一次は通る事が出来たので有り難かったです。


今後ともよろしくお願いします!

評価等よろしくお願いします!

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