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122.至福の時

「ハク。ここが今日から住む家だぞ」


 マダムブロッサムの店を出た俺たちは、ようやく家に辿り着いた。時間は6時前で、もうすぐ日が落ちきって夜になる時間帯だ。だからもうすぐ暗くなるのでその前にハクに俺たちの家を見せているわけだ。


「……」


「もうハクは俺たちの家族だから遠慮なんてしなくて良いぞ。最低限のマナーがあればすぐに馴染めるだろう」


 うーん? 先程からハクは黙ったまま家をじっと見ている。どうしたんだ? そんな風にハクを見ていると、突然家の中が騒がしくなり


 ドタドタッ!


 と家の中を走る音が聞こえてくる。その音は少しずつ玄関に近づいて来て、そして


 バタン!


 と勢い良く扉が開けられる。中から出て来たのは


「お〜に〜い〜ちゃ〜ん!」


「キュ〜イ〜!」


 メイちゃんが勢い良く飛び出して来て、抱きついて来た。その後に続くようにエクラも飛んで来て俺の顔にへばり付く。そしてよじよじと俺の頭の上に移動して、ペチペチと頭を叩く。寂しかったんだから構え、みたいな感じだな。


「ただいまメイちゃん。エクラもお留守番させて悪かったな。仲良く過ごしたか?」


「それがエクラちゃんったら、みんなで買い物に行くと、1人でフラフラ飛んで行っちゃうんだよ! もう追いかけるのが大変だったんだから!」


「キュルル、キュイ!」


「美味しい匂いが一杯してもダメだって!」


 はは、なんだかんだ言って楽しく過ごせていたようだ。そしてそんな2人を見るハク。2人もハクの事に気が付いたみたいだ。


「お兄ちゃん、この子だれ?」


「キュルン?」


 2人して可愛く首を傾げる。ハクは逆に自分が見られているのに気が付いて、俺と握っている左手に少し力が入る。


 俺はそんなハクに苦笑いをして、キャロが手を離して空いていた左手で、ハクの頭をポンポンと叩く。ハクの手の力が少し緩くなった。


「この子はハクと言って、これから一緒に住む家族だ。仲良くしてあげてな」


 俺がそう言うとメイちゃんと、メイちゃんの頭に移動したエクラがじーとハクを見る。ハクは無表情ながらも少し気まずそうにしている。そんなに見られたら困るよな。だけど、


「私の名前はメイ! よろしくねハクちゃん!」


「キュルル! キュルルン!」


「『私はエクラ。よろしく!』だって!」


 2人は笑顔でハクに自己紹介をする。ハクはメイちゃんたちの勢いに少し押され気味だけど、ハクも自己紹介をしてぺこりと頭を下げる。そしてメイちゃんは


「それじゃあ、他のみんなを紹介して、家の中を案内するね! 行くよ、エクラちゃん、ハクちゃん!」


 ハクの手を握り家の中へと引っ張って行く。ハクは少し引きずられながらもメイちゃんに着いて行く。中ではプリシアの驚く声が響く。まあ、俺を迎えに行ったら別の子がやって来たら驚くだろう。俺は苦笑いしながらキャロを見る。


「仲良くなれそうね」


「そうだな」


 率先して先へ進むメイちゃんに、それを諌めながらもメイちゃんを助けるハク。そんな将来が予想できて、俺は笑いながらも家の中へと入って行った。


 ◇◇◇


 夕食を終えた後、俺はお風呂に入っていた。ハクはメイちゃんたちが家の中を案内して紹介してくれたおかげで事情を知らなかったプリシアやアレクシア、ヘレンたちみんな受け入れてくれた。エアリスとフェリスが事情を知っていて話してくれたおかげで、すんなりと行ったというのもあるが。


 ハクの詳しい話は、明日にする事にした。今日と明日でこの家に馴染んでもらってから話した方が良いと思った為だ。今日はプリシアとメイちゃんの部屋で寝るみたいだしな。


 メイちゃんに手を引っ張られながらハクは部屋まで連れて行かれる時に、チラッと俺の方を見ていたが俺が「また明日な」と言うと、頷いてメイちゃんと行ったから多分大丈夫だろう。プリシアも一応エクラもいるし。


 そして、今に至る。俺は温かい湯船に浸かり、のんびりと過ごしている。この大陸は各家庭に1つお風呂が付いている。これも昔の勇者が広めたらしい。それまでは水浴びや布で拭くだけだったの勇者が嫌がって作られたと言う。


 その時の人は我儘だと思ったらしいが、現代の人からすれば良くやったという感じらしい。各家庭にお風呂をつけてから、不衛生による病気も減ったらしいし、結果オーライという事だろう。


 そんな風にゆったりしていると


「レイ〜、入るわよ〜」


「ちょっ、アレクシア様、流石に入るのは……あっ!」


 お風呂場の扉が勢い良く開けられ入って来たのは、タオル一枚を体に巻いたアレクシアとヘレンにキャロだった。……はぁっ!? 何してんの君たちは!?


「ふふん! レイの背中を流しに来たわよ!」


 ちょっ、そんな堂々と立たないでください! タオル一枚じゃ隠しきれず、自己主張の激しいお胸様が目に入ってしまうから! ……すげぇ谷間。


「「見過ぎです(よ)!」」


 アレクシアのお胸様を凝視していたら、ヘレンとキャロに殺気を放たれる。余りの怖さに俺は速攻で目を逸らす。こ、怖過ぎる。


「もう、そんなに怒らなくても良いじゃない。男の子なんだから気になるわよね、レイ?」


 そう言い両手で胸を持ち上げるアレクシア。タオルでは隠しきれないお胸様が、アレクシアの手によってぐにゃぐにゃと形を変える。……すげぇな。


 アレクシアは明らか2人を挑発している。ドヤ顔で2人を見るアレクシアに、ヘレンとキャロはぐぬぬと悔しそうな表情。


 ……って違うっ! アレクシアのお胸様が凄過ぎてつい見てしまったが、このままじゃ非常にまずい! 俺も健全な男だ。これ以上は我慢が出来なくなる!


「ちょ、ちょっと、悪いが俺はあ、上がる!」


 だから、我慢出来なくなる前にお風呂を出ようと思ったのだが


「待ちなさいレイ! アレクシアお姉様に負けたままレイをお風呂から出すわけにはいかないわ!」


「そ、そうです! たしかに胸は勝てませんけど、それ以外ならま、負けません!」


 アレクシアに対抗したか、2人が両側から俺の腕を抱き締めるように掴んで来たのだ。ちょっ、当たってるって! 両側からささやかな膨らみの柔らかさと、先端が少し硬くなっている感触。こ、これって、まさか……。


「さあ、座りなさいレイ! 私たちが隅々まで洗ってあげるわ!」


 そして俺の目の前で、堂々と立つアレクシア。後ろは壁、両手に花、前には巨乳。……俺は諦めた。


 ーー


「ふふ、普段服の上から触ってるけど、レイの体って見た目以上に逞しいわね」


 そう言い、俺の脇腹をツツーと指でなぞるアレクシア。ちょっ、くすぐったいからやめなさい!


 今は、みんなで湯船に浸かっている。俺は風呂場から出る事を諦めた後は、3人に体を洗われた。流石に下半身は死守したが。そこまで洗われると、俺がこれ以上我慢出来なくなるからだ。


 3人は少し不満がっていたけど、それ以外の場所を触られながら洗われたので満足らしい。俺はかなりやばかったが。だって洗うたびに色々と当たるのだから!


 そして湯船に浸かると、右側にアレクシア、左側にキャロ。2人は俺の腕を抱き締めてくる。柔らかい……。そして


「は、恥ずかしいですけど、う、うれしいでしゅ」


 顔を真っ赤にして俺の足の間に入るヘレン。背中を俺に預ける形で俺にもたれかかっている。足の上に柔らかいお尻の感触が。


「あっ! こ、これは……」


「す、ストップヘレン! それ以上は言ってはダメだ!!」


「は、はい!」


 そして先ほど以上に顔を真っ赤にしてしまうヘレン。仕方ないだろ、こんなに美女に囲まれた上にあちこちに女性特有の柔らかい感触に、物凄く甘い匂い。反応しない方がおかしい。2人は怪訝そうな顔をしているが、言うわけにはいかない。


「レイ、気持ちいいわね」


 そう言い、左肩に頭を乗せるキャロ。キャロは風呂場では仮面を外して両目を晒している。家にいるみんなは知っているので大丈夫だからだ。そして青く吸い込まれるような右目と、全てを照らすように光り輝く左目を細めて、気持ち良さそうに言う。


「みんなが入れるようにお風呂場を改装しようかしら?」


 そう言いながらアレクシアも右肩に頭を預ける。今のお風呂は大人が6人入ったら手狭になる程の大きさだ。それでも十分大きいのだが、みんなが入ろうとするなら狭い。……みんな入るのか。


「こ、これが、レイさんのゴニョゴニョ……」


 ヘレンはまだ帰ってこない。目の前には綺麗なうなじが目に入る。白くて綺麗だな。


 だが、少し慣れて来た俺は、少し心に余裕ができた。もう少しこの柔らかさを噛み締めつつ、後少ししたら上がろう。そう思っていたのだが


「レイ、次は私たちを洗ってね?」


 と微笑むアレクシア。そう言えば3人ともお湯をかけただけだ。……後ろは浴槽のふち。つまり壁、両手に花、前には柔らかい背中とお尻。もう無理かも。

羨ましい……。


評価等よろしくお願いします!

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