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第762世界⑥・剣と魔法のファンタジア ~本当に王都へ?~

第762世界⑥・剣と魔法のファンタジア


~本当に王都へ?~


翌朝、ダンジョン街外、東の森。

「ところでエド。王都へはどのルートで?馬車だと1週間はかかるよ?ゲート開きにいくんだろ?」

「え?ゲート開かないよ。王都のゲート出口どこか知ってるだろ……」

「あ、王国近衛騎士団宿舎……」

「そうそう!クエスト発生イベントじゃん!【騎士団入団試験】騎士の称号が欲しい人しかやらないアレ!ダンジョン街に戻ることも無いだろうし、ここのゲートは必要ないよ。」

「そ、れ、に。お前、王都のゲート開いたことあるの?この世界の!」

「無い……」

「先ずは馬車か何かで王都行ってゲート開かないと!」

エドに指摘されてハッとする。初心者の頃は馬車移動して、途中魔物倒したり盗賊イベントに遭遇してようやく王都へとたどり着くんだった……

「転移魔法早々に取ってからゲートなんて使ったこと無いから忘れてた。」

「幸って鋭いのに抜けてるところあるよね?お前だろ?ここはゲームじゃなくてアトランティスの異世界だって言ったの!」

「え?」

「え?じゃないって!異世界だから!移動手段あるでしょうが!!!」

「竜呼び出しか!!」

「うん。アトランティスで登録した竜は異世界で呼び出せる!コレ常識。」


「ァアァア!忘れてたー!」


AIWatch起動


「ギュルルが登録されてイマス。」

「してある?と?」

「ハイ。というか登録されっぱなしになってマス。2ヶ月以上。」 


「じゃ、王都外れの西の森が目的地でいいね?」

「1夜ぐらい夜営挟もうよー!」

エドの目がキラキラしている。

「AIWatch起動。ギュルル呼び出し。目的地王都外れの西の森、途中夜営地探して。」

「起動。目的地を登録シマシタ。」


「ギュルルぅ……」


「ギュルル久しぶりぃ!ごめん!ずっと呼び出さなくて。」


エドが続く。

「AIWatch起動。インペリアルエンペラーエンチャントドラコン通称エンちゃん呼び出し。目的地登録。」


「ギューワーン!」


エドの竜も呼び出された。

「エンちゃん♪」

エンちゃん?インペリアルエンペラーエンチャントドラコン?普通の飛竜やん……俺は心の中でツッコミを入れる。

「幸?今考えてること俺にはわかるよ?勇者専用貸し出し竜だよ?カッコいい名前つけなきゃでしょ?」

「で?通称がエンちゃんだ、と?」


♢♢♢♢♢♢


ファンタジア上空。


森、森、また森。モリモリモリ。マルマルモリモリ。

「ねぇエド……森しか無いんだけど……」

(飛竜での高速移動中につき念話。)

「幸、マップ思い出してみて。」

「森だった……」

確かこの先に山脈が見えてくるはず……

「あった!ダゲイトス山脈!ギリシャ神話の山脈名もじってるヤツ!この先に湖が……」

「あった。」

「アイコンの位置のまんまだねぇ。」

とエド。


AIWatch「トリニートース湖畔での夜営をオススメシマス。」


トリートーニス湖をもじってる(笑)

ゲーム雑談掲示板で話題になったよなぁ。【地名の元ネタを当てるスレ】。

幸の脳内に11年前の掲示板が蘇る。


♢♢♢♢♢♢


【地名の元ネタを当てるスレ】


1:名無しの冒険者山脈向こうの、新しいマップ開放されたけどトリニートース湖だってよ!


2:名無しの冒険者トリートーニス湖じゃね?


3:名無しの冒険者ギリシャ神話?


4:名無しの冒険者古代リビアの伝承


5:@ニート呼んだ?


6:名無しの冒険者お前は呼んでない


7:@ニート……


8:名無しの冒険者隠しダンジョンありそうじゃね?


9:名無しの冒険者それは攻略板で。


♢♢♢♢♢♢


「ァアァア!!!え、え、エドーーーーーー!!!」

「な、なんだよ!急に大声出して!!念話の大声は勇者の心臓に悪いんだって!!」

「ニート湖!ニート湖!ニート湖って隠しダンジョンあるやん!!」

「あ!夜営なんてやってる場合じゃないね。速攻、攻略するわ!」

「神様、仏様、勇者様!ヨロー!」


♢♢♢♢♢♢


【ニート湖畔】


「あったよ。―女神像―頭を三回撫でて、腰に手を回して、それから……」

『綺麗ですね』

腰に手を回すってアクションこれにしか使わないのに……常時表示されるから……アプデで改善されたけどさ……


ざっぱーん!


「―女神降臨―ですよ。崇めなさい。」

「もう、早くダンジョン出して。」


ドドドドザバーン!


湖から神殿が現れた。

「ちっさ。」

うん。ゲームでもアバター1人がやっと通れるぐらいの大きさだったけど。うん。

「じゃー、行ってくる!5分ぐらいで帰るからー!」

勇者が駆け出して神殿に消えていった。

女神「…………」

「お疲れ様でーす!」

俺は女神を見送った。

「初めて呼ばれたのにこの扱いとか。創造神ーーー!話が違うではないかーー!」


ドッボーン!


女神が湖へと消える。


その瞬間。

「ただいまーー!」

「エド様ーー!はやーい!」

「俺が、サハギン100体とサハギン王1体に手こずるとでも?」

「3分かかってないよ?」

「とりあえず中へ入ろう!アレ確認しないとだね。」


【神殿内】

女神像の間、女神像を隅っこへと退かす。そこには下へと続く階段があった。

2人で並んで階段を下る。


『……あった。』


『俺たちのクランハウス……』


【クラン江戸屋】

これは幸が書いた看板である。


「創造神様、ここまで再現してくれてたんだ……」

クラン江戸屋は勇者を中心に結成された国内最強クランだった。

・勇者エドワード

・鍛冶師ミユキカメハメハ

・錬金術師

・補助魔法使い 

・家事師(ハウスの運営・商人スキル持ち・他クランとのつなぎ役)

この5人のメンバーを中心に多いときでも15人ぐらいの少数精鋭クランである。

勇者がログインしなくなり自然消滅した形だった。

その後、ゲームファンタジアも過疎が進んでいくことになる。


「キッチンある!寝室ある!会議室ある!風呂ある!あ、幸!幸!ミユカメーーー!あ、あった。あったよーーー!」


―ミユカメ工房・ニート湖支店―

ある?あった……

3年前のサービス終了まで残った仲間で集まっていたクランハウス……そして、俺の工房が……


「ねぇミユカメ、聞いていい?クラン……俺がいなくなった後どうなったの?」


俺は勇者がいなくなってからのファンタジアの世界をエドに話した。


「……そうなんだ……ファンタジア……サービス終了したんだ……」


「エド、王都行きは先にしてしばらくここにいようか?」


「うん。」


俺たちはソファに腰を下ろし、ゆっくり語り合うことにした。

王都は逃げないからね(笑)いつでもいけるよ。



♢♢♢♢♢♢


【2DRPG・МMO・剣と魔法のファンタジア】

2010年サービス開始

2012年江戸屋発足

エドワード13歳限界突破1回

2013江戸家最強クラン

エドワード限界突破7回

2015年エドワードがログインしなくなる

2018年江戸屋自然消滅

2023年サービス終了




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