~江戸屋ミユカメ工房①~
010_~江戸屋ミユカメ工房①~
「俺の家だ……」
「懐かしいね。」
工房、店舗、小さなキッチン、小さなシャワールーム、寝室が1つ。これがこの工房のスタートだ。
「先ずは拠点レベル上げからか……」
AIWatchが静かに反応する。
「拠点に設定シマシタ。現在のレベルは1。拠点クエスト表示シマスカ?」
「必要ないよ。クエストは俺の頭の中にあるから。」
「ねー幸ー!お腹空いたよーー!」
「簡単なモノでいいか?」
「うん。ナポリタンでいいよ♪」
「エド、お前も知ってたんかい!?」
【キッチンでナポリタンを作ろう】
これが最初のクエストだ。
【洗面所で足を洗う】
【どこかにある壁の節穴を塞ぐ】
【屋根裏の蜘蛛の巣をはらう】
【お茶を飲む】
お茶を飲むがクエストでいいのか?
「ふぅぅ……やっとLV5っと。」
えっとニート湖の江戸屋へのゲート開放は……
「……25デス。」
AIWatchくん?えらい省エネモードだね?
「……先程、必要無いと言われマシタノデ……控えめにお答えシマシタ。」
「遠慮しなくていいから(笑)」
ところで、エドくんは?
ソファで居眠りですか?そうですか?
「ピコン。【ソファで居眠りしよう】クエスト達成シマシタ。」
え?もしかして……
「パーティー登録してて、パーティーメンバーの行動もクエスト達成になると?」
「ハイ、その認識であってマス。」
「何で言ってくれなかったんだよ!」
「必要無いと言われマシタノデ。ぷぷぷ。」
AIWatch……お前ぇええええ!
まぁ、いい。可愛いもんや。
それよりエドよ!エド。
「エドくーーん!エドくんやーい!家の周りを10周してーー!森で薬草をーー30本集めてきてーーー!。」
「ええ?なんで俺が?」
「勇者でしょ?超加速出来るんでしょ?余裕でしょ?それとも出来ないのかなー?」
「俺、勇者だよ?強いよ?」
「ですからーそのー強いー勇者様にお願いしてるんですわー!ヒヒヒヒ。」
「……わかったよ……そのかわり夕飯期待しちゃうからね!?」
(ちょろい、勇者ちょろい。そしてありがとう。)
……さて、ここからが問題なんだよなぁ……
【錬金術】薬草で各種薬を作る。俺、錬金術師じゃないから、このクエストはメンバーの錬金術師に任せてたんだよなぁ……
「……ツクレマス……」
「おーい!AIWatchくん!声が小さいんですけどぉ!」
「作れマス!レシピ表示シマスカ?」
「表示!お願いします!!」
「ほっ。必要とサレマシタ。」
「帰ったよーー!」
ピコン、ピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコン
AIWatchの通知音が鳴り止まない。
「家の周りを10周しよう。薬草を30本採取しよう。ヒール草50本、解毒草20本、ハイヒール草10本採取しよう。角ウサギ10匹、角ウサギ20匹、角ウサギ……ワイルドボア1体……10体……とにかく色々達成サレテマス!ふぅ。」
「エド、お前何したの?」
「森走ってきた!」
「え?」
「森、走って、きた。」
「拠点レベルが35にアップシマシタ……シマシタ……シマシタ。理解不能……解析不能……休みマス。」
「食材もたくさん取れたよ♪」
(俺の錬金術は……)
「お肉、たくさんドロップした♪」
(俺の……錬金術……)
「今夜、BBQにしない?」
(エドくん、楽しそうね。)
俺はニート湖クランハウスへのゲートを開いた後、何もしてないのにぐったりとソファへと倒れ込んだのだった。




