side 尚輝 ~そうだ、海行こうぜ!編~
彼女がいる事以外は一切穂波の質問には答えなかった。
正確に言うと婚約者なんだけど、公に発表してない身で、更に大学の友人にまだ言う程ではないと思ったし、穂波の質問にこれ以上答えるのが面倒臭いのと永遠に続きそうだと直感したから答えなかった。
穂波は連れとして釣るんでる時は楽しいが基本面倒臭い奴だと中学までに学んだしな。
穂波の質問攻めに一切答えない俺に飽きたのか、彼女がいる話題から外れた会話をした後、大浴場へと全員で向かった。
長風呂でない俺は数分後には、右手にはスマホ左手にはロビーの自動販売機で購入した珈琲を持ちロビーにあるソファで寛いでいた。
スマホの電源を入れると2件の着信と3件のメールが届いていた。1件の着信以外は内容が予測でき、とりあえず無視する事にした。
急ぎの要件ならもう一度連絡してくるはずだし…。それにしてももう1件の着信は珍しい。
俺が友人と旅行に行くのを知っているはずなのに連絡を入れてくるなんて…
内容が予測でにない1件の着信は香織からであった。他の要件は関わったら関わったで時間がかかるだろうから先に香織に折返し電話をかけようとすると後ろから俺を呼ぶ声がした。
「…瀬良くん」
その声で後ろを向くと金子くんがいた。
「金子くんお疲れ様、お嬢様がご立腹だから機嫌直しよろしく」
「わかったよ。瀬良くん、ごめんな」
ご立腹な穂波を想像出来たのか苦笑いをしていた。
「それにしても今日後から来るのを伝えてなかったのか?」
「いや、伝えたはずなんだけどね?」
そう言いながら、俺が渡したものを受け取った。
「ありがとう。それにしてもここ想像以上に凄いとこだよな、本当にあの値段でよかったのか?」
「ん、もともと知り合いの所だから割引いてもらったんだよ。そんで、あいつの回収のために予定があった上でここに着てもらったんだから俺が奢らないとなと」
「本当瀬良くんのお金持ちぶりには…。ま、俺としては迷惑でないからラッキーってとこだけどな、瀬良くんありがとう、じゃこれで」
「あぁー明日な」
金子くんはさっき渡した鍵に書かれた部屋へと行った。
後ろ姿が見えなくなった所で香織に電話をかけた。




